この1年半の間に、リモートワークやハイブリッドチーム(一部がオフィスで働き、一部がリモートで働くチーム)が急増しました。これは私たちの働き方に起きた大きな変化であり、パンデミックの終息を超えてなお永続的な影響を及ぼすことは間違いないでしょう。
高い家賃を払って広いオフィスを借りる必要がないという会社側にとっての利点と、満員電車や交通渋滞を避けられ、通勤にかける時間の節約になるという従業員側にとっての利点がある反面、オフィスという共有の場での交流がない事で、従業員同士のコミュニケーションの質は低下してきています。
今やコミュニケーションのほとんどは、ビジネスチャットツールやビデオ会議ツールを通して行われるようになり、今までのような休憩室や廊下でのちょっとした会話は不可能となりました。実は、そういった何気ないコミュニケーションの積み重ねが、チームの交流や強い結束の基盤を支えていたのです。
コミュニケーションの質の低下は徐々に顕著化し、長期的に見ると生産性にも影響を与えてきます。そのため、いかにオープンでストレスのないコミュニケーション環境を整えるかが、それぞれのチームメンバーを繋ぐうえで、今後最も重要になってきます。そこで オンラインチームビルディングアクティビティ は、楽しみながらチームメンバー間のコミュニケーションの質を向上させ、信頼関係を構築するのに非常に有効な方法となるでしょう。
そこで今回は、チームで共に楽しい時間を過ごしながら、メンバー間のコミュニケーションを活性化させ、仕事の生産性の向上へと導くチームビルディングゲームのリストをご用意しました。これらのゲームは非常に簡単で特別な準備を必要としない為、日々の業務の中のスケジュールにすぐに組み込むことができるでしょう。是非お試しください。
オンラインチームビルディングとは?
オンラインチームビルディングとは、リモート環境で働く従業員同士が、直接対面で集合することなく、チームメンバー間の信頼関係を構築し生産性の高いチームを作るための方法です。通常、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなどのコミュニケーションツールを使用します。

オンラインチームビルディングが年々人気を集めているのには、さまざまな理由があります。最も明白な利点の1つは、その柔軟性です。社員が働く場所や移動時間に制約を受けないため、より健康的なライフスタイルを促進することができます。また、初対面の人同士が一堂に会し、効果的なコラボレーションを実現できることもメリットのひとつです。そして忘れてならないのが、費用対効果の高さです。オンラインチームビルディングでは、移動費や宿泊費や会場費が不要になるため、全体的なコスト削減につながります。
オンラインチームビルディングの重要性
近年の雇用形態の多様化、時短勤務や在宅勤務などによる働き方の多様化などの環境変化により、物理的なオフィスを廃止した企業も少なくありません。柔軟性の高さが評価される一方で、社内コミュニケーション不足やチーム意識が希薄になる可能性が懸念されます。
チームビルディングは、メンバー間の距離を縮め、より親密な関係を築くことができるため、チームが最大限に機能するために重要な役割を果たします。また、対話によって相互理解を深め、違いを認識し、お互いの主体性を尊重することで、より団結力のある協力的なチームを作り出すことができます。
バーチャルな環境でチームメンバーが共同作業を行なう機会を生み出すオンラインチームビルディングは、従業員の成長を願う企業にとって重要です。協力して課題解決活動などに取り組み、その結果やプロセスを振り返ることで、チームの課題認識や他者理解の促進を効果的に行うことができます。
1.『Can You Hear Me Now?』
このゲームは、正確なコミュニケーションを実践するための最も効果的な方法の1つとして広く推奨されている、とても面白いアクティビティです。
遊び方:チームの1人が話し手となり、残りのメンバーはアーティストとなります。話し手はインターネットからランダムな画像を選び、形状の説明のみでそれをアーティスト達に伝え、絵を描くように指示します。
例:四角形を描き、その四角形の上の部分に三角形を描け。
もちろんこれは素敵な家の絵を描くことが目的だとしたら効率的な方法とは言えません。ご覧の通り、思ったよりも難しい作業だからです。だからこそこのエクササイズは、正確なコミュニケーションには訓練が必要であることと、「時間を費やす事で、時間を節約する」という原則を学ぶ良い例になるでしょう。もしあなたとチームがリラックスした雰囲気の中でコミュニケーションの練習に少しの時間をかけることができれば、次に顧客へのプレゼンテーションの変更が必要になった時、きっと結果として表れます。
2. 『Never Have I Ever(私は今まで一度も○○したことない)』 ファミリー向け版
リモートワークの環境では、直接会った事のない同僚がいる可能性があるので、チームメンバー間の個人的な繋がりを促進し、互いの信頼を高めることが非常に重要になってきます。
もしかしたら飲み会ゲームとして「Never Have I Ever」というのを知っている人もいるかもしれません。このゲームは、仲間のプレーヤーについてだけでなく、自分自身についても驚くべき新たな発見をすることもあるのが面白いところです。飲み会で人気のゲームですが、そのままでは職場にはふさわしくないので、今回は家族向けのバージョンをご紹介します。きっとメンバー同士の共通点を発見したり、面白い話を共有する良い機会となるでしょう。
遊び方:まず参加者全員に水の入ったペットボトルの準備ができていることを確認します。質問リストをあなたが事前を準備しておくか、参加者それぞれにいくつか質問を考えてもらいましょう。ここまで準備が出来たら始めます。
「Never have I ever…(私は今まで一度も〇〇したことない)」と、今までにあなたが経験したことがない事柄を言います。それを聞いた他のメンバーのうち、もしその経験がある人は水を飲まなければなりません。例えば「私は今までイタリアに行ったことがない」と言った場合、イタリアに行ったことのある人は水を飲まなければならない、という流れです。できればそれにまつわるエピソードや経験について、人々が質問し合えるように促すと、よりお互いを知る良い機会になるでしょう。
お勧めの質問リストを挙げておきますので、ご参考に。
Never have I ever(私は今まで一度も〇〇したことがない)
- イタリアに行った
- パンを作った
- ペットを飼った
- 1人旅をした
- お寿司を食べた
- 自宅に財布を忘れて買い物に行った
- 間違えて違う電車に乗った
- 高級料理・飲み物を頼んだが、好みじゃなかった
- テレビに出演した
- 骨折した
- ドリアンを食べた
- 野生のキツネを見た
- キッチンで間違えて何かに火をつけてしまった
- 気球に乗った
- 象に乗った
- ネット上で有名になった
- 車を修理した
- 珍しいものを持っていた
- 宝物を発見した
- バンドを組んでいた
※勝負形式にしたい場合は水を飲むのではなく、一本一本指を下げていくバージョンもあります。 5本(または10本)の指をすべて下げたプレーヤーは負けとなり、残りのメンバーでプレーを続けていきます。
その他の飲み会ゲームも、応用すればチームメンバーのコミュニケーションの向上(ついでに水分補給)に役立てることができますよ!
3. オンラインエクササイズ

自宅で仕事をしていると、運動の優先度が低くなりがちです。
通勤もない今だからこそ、ちょっとした軽い運動を一緒に行うことは楽しんでもらえるうえに、チームにとっても有益なものとなります。体力とエネルギーを高め、チームのモチベーションを上げましょう。
数分かけて首を伸ばすことで脳への血流と良くし、全身の健康状態を高めることが目的です。一日中自宅のデスクでコンピューター作業をすることにより、特に首に負担が掛かります。さらにそれによって痛みや不快感が引き起こされれば、作業効率の低下にも繋がるため、簡単なエクササイズから積極的に取り入れたいものですね。
ちなみに私たちインバイトジャパンでは、毎朝オンラインチームミーティングの開始時にラジオ体操(https://www.youtube.com/watch?v=feSVtC1BSeQ)をチームメンバー全員で実施しています。 約3分間の短いエクササイズですが、朝から全身を動かして血流を増加させることでスイッチが入り、その日の生産性の向上に役立っています。
また、チームメンバーから短時間でできる簡単なフィットネスの案を募るのも良いでしょう。 個人的には、座ったままできる簡単な有酸素運動が非常に役立っています。日中の疲れを取ってくれて、さらにカフェインの摂取量も減ったのでとてもおすすめです。
4. オンライン会議をアップデート!時には刺激を取り入れよう
リモートで仕事する場合は特に、会議は退屈な作業になる可能性があります。ただでさえ自宅では注意散漫になりがちなうえ、最近の研究では、Zoomなどのオンラインビデオ会議は、通常の対面式の会議よりも肉体的および精神的に疲れるという報告が出されています。
ここでは、オンライン会議に組み込むことができるちょっとしたアクティビティをいくつかご紹介します。これを導入することによって、会議が参加者にとって疲れにくく、より楽しいものになるかも知れません。
ダンスパーティーブレイク
ミーティング中に元気の出る曲(人気の曲や、日替わりで担当者のおすすめ曲など)を流し、エネルギーレベルを上げるためにみんなで軽く踊ります。お酒も飲まずに踊ることが難しければ、曲が流れている間は体を揺らしたり、立ち上がったり、飲み物を取ってきたり、会話したりと、自由に使える休憩時間にしても良いでしょう。普段のミーティングの休憩時間よりも、きっとメリハリがつくのを実感していただけると思います。
楽しい役割を割り当てる
「チアリーダー」や「ツッコミ役」など、日常生活から離れた役割を割り当て、オンラインミーティング中にいたずらを仕掛けることで、皆の意識を集中させます。
ハンドサイン
親指を上に向けたり下に向けたり、または手でハートを作るなどのジェスチャーを確立する事で、マイクがオフの状態でも賛成または反対の意思を伝える事ができます。
これにより、マイクのオンとオフを切り替え続ける必要がなくなるためリモートの煩わしさが減り、またチーム独自のシークレットコードを作成することで、メンバー間の絆がより深まります。
いたずら書きを奨励する
会議中にいたずら書きすることを奨励し、会議の終わりにそれぞれが描いた絵をお互いに見せあって、メンバー間のカジュアルな交流を促します。
マインドフルネス
会議に参加する前に、参加者は紙に頭に浮かんだことを書き留め、次にその書いたメモを破り捨てます。
ニュースを共有する
ミーティング中、毎回少しの時間を使ってメンバー1人に最新のニュースを提示してもらい、他のチームメンバーがその内容について質問するよう促します。
サプライズハッピーアワー
予定されたいつもの会議を議題に沿って行うのではなく、突然サプライズハッピーアワーとしてチームメンバーに好きな飲み物を勧めます(会議の時間が一日の終わりではない場合は、アルコールでなくても)。そして何かゲームをしましょう!もちろんここでの理想は楽しいチームビルディングゲームです。今回のリストを是非参考にしてみてください。このような楽しいサプライズは、リモートワークで陥りがちなマンネリ化の予防に役立つでしょう。
5. 「ランチセミナー」や「コーヒーブレイク勉強会」で知識を共有する
社内でのランチセミナーはこの数年でかなり浸透しましたが、リモートワークの環境はこのようなイベントの開催に更に適しています。講演者を招けば、メンバーは昼食を食べながら約1時間の講演を聴くことができます。 予算が許せば、このイベントの為に各メンバーに昼食代を支給するのも良いでしょう。 リモートで行われるので、講演者が移動する必要がないという利点もあります。
より予算と時間を削りたい場合は、コーヒーブレイク勉強会がお勧めです。 あらかじめチームメンバーに、それぞれが興味のあるトピックスについて5〜10分程度の短いプレゼンテーションを用意しておいてもらいましょう。トピックスは仕事に関するものである必要はなく、興味のあるものであれば何でも構いません。Zoom等のオンラインでプレゼンテーションを行い、他のメンバーはリラックスした状態でコーヒーやお茶などの好きな飲み物を楽しみます。
似たようなもので、欧米の小学校で行われる「Show and Tell」のオンライン版も良いかも知れません。チームメンバーは好きなモノを持ってきて、それについて話すというものです。
6. デジタルツアー
この種のアクティビティは、特に国際色豊かなチームにとって興味深いものになるでしょう。チームメンバーにツアーガイドになってもらい、どこか面白い場所にパソコン上で同僚を案内します。(例:住んでいる場所や育った場所、地元のお勧めスポット等)
スライドショー、Vlogスタイルの動画、Googleストリートビューでのデジタル散策など、さまざまな方法での案内が可能ですので、負担にならない程度に自由に考えてもらうと個性が出て面白いでしょう。
最近では、多くの美術館が世界中のビジターのためにデジタルツアーを開催しているので、自宅からチームメンバーと一緒に美術館を訪問することもできます。美術館訪問はコーヒーブレイクセミナーにも活用できますし、チームメンバーがそれぞれ印象的な展示作品について話すというのも盛り上がりそうです。ロンドンの大英博物館やワシントンDCのスミソニアン美術館などが現在バーチャル訪問が可能となっているので、是非お気に入りの美術館を見つけてみてはいかがでしょう?
7. ハッピーホリデー
もう一つ様々な異文化で構成される国際的なチームにお勧めしたいのが、各国の祝日を一緒に祝うアクティビティです。 その祝日について他のメンバーに紹介したり、伝統的な料理のレシピを共有したり、その祝日にまつわる伝統品の作り方を教えたりと、幅広い楽しみ方が考えられます。
例:ドイツでは10月3日が祝日で、この日に国民は東西ドイツの統一を祝います。 このアクティビティを通し、伝統料理カリーヴルスト(カレー粉で味付けしたソーセージ)のレシピを皆に紹介するといった流れです。
8. エキサイティングスポンジ
どんな仕事においても、既存の考えに囚われずに物事を考えなければならない場面があることでしょう。しかし毎日が同じだと感じてしまうと、クリエイティブなアイデアを出すのが難しくなってきます。エキサイティングスポンジは、リモートワークのチームビルディングに最適な、素早く実践できる簡単なストーリーテリングゲームです。
遊び方:ビデオ会議中に、チームメンバーに座ったまま手を伸ばして何かを手に取るよう指示します(手の届く範囲に適切な物がない場合は、一般的なスポンジを手にしている体で話します)。このゲームのゴールはそのアイテムを特別なものに見立てることです。 例えば「このスポンジは実は人気アニメキャラクターの化石である可能性がある」ですとか、「このマグカップは実は聖杯である可能性がある」などイマジネーションを広げましょう。
エキサイティングスポンジは、リモートチームにとって楽しく便利なアクティビティであり、通常のことを別の視点から見る練習として役立ちます。 このちょっとしたエクササイズは、クリエイティブな問題の解決策を見つけるのに役立つと同時に、チームメンバーを互いに近付けてくれることでしょう。
9. 自宅の仕事場を改善するチャレンジ
自宅の作業スペースと設備を改善する方法はいくつかあります。 簡単なものからチャレンジして、少しずつ改善してみませんか? いくつか例を挙げます。
- デスクを片付ける
- Wi-Fiルーターの設定を見直す
- 不要なファイルを削除し、削除した量を比較する
10. 二つの真実と一つの嘘
遊び方:チームの各メンバーは自分自身についての簡単なエピソードを3つ述べます。そのうちの2つは真実であり、1つは嘘です。他のチームメンバーは、どれが真実でどれが嘘かを見極めます。全てのメンバーが答えを出した後、話し手は正しい答えを明らかにします。
※ポイント制にすると、参加者の競争心を高めることができるのでお勧めです。
11. チェックイン クエスチョン
セッションを開始(または終了)する際に、ファシリテーターが必ず行うのがこの質問です。チェックインクエスチョンでは、自分たちの現状を新しい視点から説明するようなことをグループで共有します。目的は、グループに同じ感覚を持たせてから、目の前のタスクに取り掛かることです。
質問は誰もが答えやすいものを選んでください。人々が自分自身について話すことができるような質問は、しばしば効果的です。
最後に
チームビルディングアクティビティは、まずチームに安全でリラックスした環境を提供するのに役立ちます。また同時に、コミュニケーションスキルを向上させ、チームメンバー間の個々のつながりを強化し、既成概念から離れて考えることも促進します。既に活発なチームにはこれらのメリットがより顕著に表れるでしょう。コミュニケーション環境を良い状態に保つために、定期的にチームビルディングアクティビティを取り入れることには多くの利点があるのです。
リモートで仕事をする場合、同僚との個人的な連絡は非常に限られてしまうため、チームがより自然な形で相互にコミュニケーションを取れる状況を保つことが重要となります。今回挙げたアイデアが、チームビルディングアクティビティをよりカジュアルに作業スケジュールに組み込むことに繋がり、より生産的で効果的なチーム作りに役立つことを願っています。
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