今回のブログは、派遣型謎解きゲーム「スーツケース・ミステリー」の開発秘話の第三弾です。パート1とパート2は、リンクをクリックして読むことができますので、是非合わせてご覧ください!
「スーツケース・ミステリー」は、インバイトジャパンの代表的なプログラムの一つで、現代社会の様々な文化や専門分野を代表するあらゆるチームにご利用いただいています。私たちは、新入社員を惹きつけるクリエイティブな方法を模索している企業のために、「スーツケース・ミステリー」をカスタムメイドしてきました。また、ミッションステートメントやお別れのメッセージなど、目的を宣言して終わるバージョンも制作しました。さらに「パズルバザール」のように、スーツケース・ミステリー内の個々のパズルが他のプログラムに登場することもあります。今や幅広い活躍を見せるスーツケース・ミステリーがデビューして以来、何年にも渡ってお付き合いさせていただいている主催者の方々からは、「このプログラムのおかげで、チーム同士の繋がりが深まった」という嬉しい評価を頂いています。
今までのおさらい
「スーツケース・ミステリー 2」は、完全に現代を舞台とした、旅、芸術、志、祝福に満ちた物語です。ゲームの中でプレイヤーは能動的な役割を担い、スーツケースの持ち主の長い遠征の最後の1ステップを手伝うことになります。そしてチームが協力して全てのピースを組み合わせ、スーツケースが辿るミステリアスな旅の答えを解き明かすことがゴールです。
スーツケース1つに約一時間分の謎やパズルが入っているという実用的なロジスティックスが、お客様にとって非常に魅力的であることは間違いありません。そこで私たちは今回、スーツケースを使うというデザインはそのままに、「舞台」や「素材」を現代に移すことにしました。最初に用意したのは現代の典型的なスーツケースです。前作とは違って空港でいくらでも見かける何の変哲もないバッグで、現代社会の景色やオフィスに簡単に紛れ込むことができるものを採用しました。
ゲームの流れ
ゲームは鍵のかかったスーツケースを開けるところから始まります。シンプルですね。荷物にタグが付いていることを除いて、手がかりやスタート地点の指示はほぼありません。情報は少ない…しかし先に進むための感覚を得るには十分です。
ここで早速オリジナル版の「スーツケース・ミステリー」との最初の大きな相違点が出てきます。インバイトジャパンのゲームは通常、ゲーム中に携帯電話や電子機器を使用することはできません。ゲーム時間そのものが、チーム全員がその場に集まって、他のことに惑わされずに集中することができる貴重な機会であるためです。
今までの私たちのゲームの多くは過去を舞台にしているので、ゲームコンテンツの観点からすると、電子機器の使用を禁止することは簡単な決断でした。侍が城を守るのを助けたり、禅の悟りへの道を見つけたり、100年前に行方不明になった花嫁を探したりする場合、スマートフォンは言うまでもなくプレイヤーを物語から遠ざけてしまうのと、これらのデバイスを使用していないプレイヤーよりも技術的な優位性を与えてしまう可能性があるためです。(もちろん、プレイヤーがゲーム内のたくさんの秘密を携帯電話で撮影することを避けたいという思いもあります!)
しかし現代的な物語のためにも、オンラインで「現代的な驚き」を含んだものを試してみたいと思いました。今回の物語は主人公の名前とパスワードによって展開されます。そしてその後のメッセージでは、スーツケースの持ち主の希望を打ち砕くような劇的なミスが明らかに…しかしチームの力を借りれば、まだ挽回は可能なようです!あなたのチームは主人公を助けられるでしょうか?
新しいヒントシステム
スマートデバイスの利点を生かすために、ヒントシステムも一歩進めました。脱出ゲームやチームビルディングの世界では、ヒントをどのように出すか、あるいはヒント自体を出すべきかといった大きな決断を常に迫られます。
オリジナル版「スーツケース・ミステリー」では、通常全てのチームができるだけ少ない時間差でゴールし、最後のステップで参加者全員が一堂に会することを目標としています。そのためにファシリテーターが各チームを注意深く観察し、適宜ヒントを与えて、どのグループも同じペースで進められるようにしています。しかしどんなに努力しても、他のチームは競争相手です。例え「みんなで協力して勝つこと」が目的であっても、一番にゴールすることは常に栄誉なことですから、多少は仕方がないこととも言えますね。
また以前ご提供していた店舗型脱出ゲームでは、部屋の中にいつでも開けることができる封筒を用意して、チームのペースでヒントを使ってもらっていました。これには各チームが自分たちのパフォーマンスやゲームの難易度をコントロールできるという利点があります。そしてこのようなシステムはチーム内の優先順位を測る興味深い尺度のひとつとなりました。強い意志を持って、全てのパズルをヒントなしで解くことに挑戦するチームもあれば、なんの躊躇もなくすぐにヒントを開けるチームもあったのです!
これらの経験を元に今回の「スーツケース・ミステリー2」では、プレイヤーがスマートフォンを使ってチャットメッセージを送信することで、いつでも特定の作業についてのヒントを求めることができるシステムを採用しました。出されるヒントは最初は漠然としたものから、徐々に具体的で詳細なものになっていきます。このようにヒントをチームで共有することで、ゲームの成否は主観的なものとなるため、後で分析することができるようになるのです。
チームにヒントは必要か?恐らく必要になるでしょう!「スーツケース・ミステリー2」では、これまで以上に多くのパズルが用意されています。そして私たちは文字通りスーツケースの隅々まで利用して、プレイヤーにより達成感を味わってもらうためにたくさんのお節介を焼いているからです。パズルの内容も多岐に渡り、ファッション、アート、旅行、さらには生け花に至るまで、驚くような小道具や珍しい品が登場するため、プレイヤーは頭をフル回転させなければなりません。それによって参加する誰もがどこかで驚いて、活躍して、楽しんでいただける内容に仕上がっています。
チームワークの未来に向けて
「スーツケース・ミステリー2」を発売する2021年中頃は、人とのつながりがこれまで以上に重要になっている世界です。オフィスカルチャーが大きく変化した時代を経て、企業はこれからのチームワークを促進するためのヒントを探していることでしょう。しかし実際に人が集まり、コラボレーションを成功させるために必要な信頼と親密さの基礎を築くためには、ちょっとした魔法が必要です。
そこで「スーツケース・ミステリー 2」は、お互いの距離を縮めたいチームにぴったりのプログラムです。会議の主催者にとっては、会議開始時のアイスブレーカーとしてや、午後のプログラムに変化を与えるアクティビティとして、あるいはプロジェクトや1日の会議の締めくくりとして理想的でしょう。企業の経営者にとっては、オフィスに戻ってきた従業員が温かさと喜びを必要としている時に、歓迎の気持ちを伝えるのに最適なサプライズとなるでしょう。また人事担当者や研修担当者にとっては、新入社員に自分の個性や対人関係のスキルを発揮する機会を与える良い手段となるでしょう。
あなたのチームが「スーツケース・ミステリー 2」で何を成し遂げるのかを楽しみにしています!
発売までもう少し!どうぞ期待してお待ちください!