今月は「リーダーシップ」をテーマに、チームメンバー全員が参加できるリーダーシップ研修のあり方を考えています。先週は、チーム内でリーダーシップを発揮する文化を築くのに最適な10個のアクティビティをご紹介しました。
しかし、あまりに良いリーダーシップ研修のアクティビティが多かったので、今回のブログでは追加で6つご紹介することにしました。今回も創造性、目標設定、コミュニケーションなど、リーダーシップのさまざまな側面に触れることができるアクティビティです。
また、これらのリーダーシップ研修は、チームメンバー間の関係を強化するチームビルディングのアクティビティとしても機能します。リーダーシップは人間関係、影響力、そしてチームの結びつきを基盤としていると説明してきました。そして、バランスの取れたリーダーシップのスキルセットには、共感力と感情的知性が含まれ、これらはリーダーがチームに力を与え、やる気を起こさせる原動力となるのです。
では早速、チームのリーダースピリットを高めるリーダーシップ研修のアクティビティをさらに6つご紹介します。
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1. ポストイット・バリュー
リーダーシップ研修の中には、チームの価値観や目標を把握するためのものがあります。「ポストイット・バリュー」は、個人の価値観設定とチーム全体の価値観設定を組み合わせ、チームと連動して自分の目標や価値観を形成する方法を学ぶことができます。
各チームメンバーに、自分たちの仕事に対して持っている価値観や目標を3つ付箋に書いてもらいます(付箋1枚につき1つ)。次にチームメンバーを3〜4人のグループに分け、各自が書き出した目標について議論しましょう。その後、これらの目標や価値観を各グループ3枚の付箋にまとめます。
各グループが3つの目標・価値を選び終えたら、チーム全体に集まってもらいます。各グループが目標・価値を発表して、付箋をホワイトボードに貼ったら、チーム全体でこれらの目標や価値を組み合わせ、チーム全体を代表する目標や価値ができあがるまで話し合いましょう。
2. 背中合わせお絵描きゲーム
「背中合わせお絵描きゲーム」は、リーダーにとって重要なスキルである「コミュニケーション」に焦点を当てたリーダーシップ研修アクティビティです。具体的には、「特定の仕事を達成するために、相手にわかりやすく話す」という効果的なコミュニケーションスキルを学ぶことができます。また、このアクティビティでは参加者は自分がどのようにコミュニケーションをとっているかを意識し、自分のメッセージがどの程度理解されているかを実際に評価する作業としても有効です。
チームを2人ずつのペアに分け、パートナーに見えないようにそれぞれに絵を描いてもらいます(複雑なほど良いでしょうし、テーマをくじ引きで引いてもらうのもお勧めです)。次に、各ペアを背中合わせに座らせて、ペアの一人が自分の絵をパートナーに口頭で説明し、パートナーはその説明に基づいて絵を描きます。最後に、パートナーが描いた絵を比較して、役割を交代しましょう。
また、このゲームはオンラインでも実施することができます。その場合は背中合わせになる必要はなく、自分の描いた絵を相手に隠すことも簡単なので、特におすすめです。
3. フラフープ通しゲーム
リーダー育成のアクティビティは、必ずしも本格的であったり実践的である必要はありません。「フラフープ通しゲーム」は、とても簡単でシンプルなアクティビティですが、チームメンバーが率先して行動し、お互いにコミュニケーションをとる方法を学ぶことができます。必要なのは、プラスチック製のフラフープ1つだけです。
チームメンバーに手を繋いで大きな輪になってもらいます(チームの人数が多く、時間がない場合は、チームを小さな輪に分割しても構いません)。フラフープをメンバーの一人の腕に乗せます。手を離さずにフラフープを輪に一周させ、元の位置まで戻せばゴールです。
このアクティビティは、最初は案外難しく感じるでしょう。しかし、チームメンバーが夢中になり、目標を達成する方法についてアイデアを出すのに時間はかかりません。コミュニケーションやリーダーシップを高めるだけでなく、チームメンバーを活性化させる効果もあるので、長時間の会議やブレーンストーミングの前に使ってみてはいかがでしょうか。
4. 無人島サバイバル
リーダーシップについて考えるために、多くのリーダーシップ研修では、様々な場面でリーダーとしての行動を想像させるシナリオが与えられます。「無人島サバイバル」もその一つですが、ここではみんなで協力してアイデアを出し合い、リーダーシップをチーム全体の概念として定着させることが目的です。
チームを最大10人のグループに分けます。自分たちの船が無人島に座礁し、アイテムを10個だけ船から持って行くことができると伝えましょう。(持っていけるものの候補を20個以上リストアップしておくとスムーズです)。そしてグループで話し合い、リストからアイテムをピックアップしてもらいます。
このゲームでは他にも、山やジャングル、宇宙に取り残されるといったシナリオが考えられます。シェルターの作り方、火の熾し方、食料の狩り方など、解決すべき決定を与えることで、オリジナリティを出したり、難易度を上げることも可能です。
5. プレゼントゲーム(即興演劇)
「プレゼントゲーム」は、インプロ(即興演劇)の定番ゲームであると同時に、チームメンバーにアイデアを出し、拒否される(拒否する)練習をさせるという、私たちのお気に入りのリーダーシップ研修アクティビティの一つです。また、リーダーシップの重要なスキルである創造性を刺激するのにも役立ちます。
チームを2人組に分けます。チームメンバーは交代でパートナーに様々なプレゼントを贈り合ってもらいますが、豪華であったり、非現実的なものほど良いでしょう(例:エンパイアステートビル、月、ザトウクジラ、など)。
プレゼントを受け取ったパートナーは、そのプレゼントを受け取ることができます。その場合、パートナーからもらったものを使って対話するふりをする必要があります。また、プレゼントを放り投げて、明るく「ポーイ!」と叫べば、プレゼントを拒否することもできます。
ゲームが進むにつれて、メンバーのアイデアもどんどん膨らんでいきます。また、プレゼントの拒否は、コミュニケーションと拒否の仕方、そしての拒否の受け止め方の重要なレッスンとなります。
6. バッドアイディア・ブレインストーム
前述したように、創造的思考は、リーダーシップ研修のアクティビティを計画する際に考慮すべき重要なリーダーシップスキルです。そしてこのアクティビティは、チームメンバーに既成概念にとらわれず、普段はしないような異なる解決策を探してもらうのに最適です。
皆さんもよくご存知のように、ブレインストームセッションは、チームやビジネスにおける斬新で画期的なアイデアを共同で考えるために行われるものですが、このアクティビティは、そのプロセスを逆手に取ったものです。「バッドアイデア・ブレインストーム」は、その名の通りバッドアイデアを考え出そうというものです。
例えば、新しい商品を売り出そうとしたとしましょう。悪いアイディアとしては、人工衛星を宇宙に飛ばして、宇宙人に商品を売り込むというものが挙げられます。しかし、そのアイデアを究極の結論まで持っていけるかどうか見てみましょう。明らかに馬鹿げているけれども、この悪いアイデアを実際にどのように達成するのか、そしてその効果はどのようなものなのか、よく考えてみるのです。
ただし、このアクティビティを効果的に行うには、事前にチームメンバーにこのアクティビティについて話し、実際にどのような目標があるのかを説明する必要があります。通常の会議でこのアクティビティをしようとすると、メンバーは非常に混乱するでしょう。
バッドアイディア・ブレインストームは、実際に良いアイデアを刺激することに驚かされます。アイデア自体はクレイジーかもしれませんが、悪いアイデアを考え抜く手順を踏むことで、実際に良い手法に触れることができる場合もあるのです。また、この種のミーティングをリードする練習にもなります。