チームブレインストーミングガイド:チームの創造性と新しいアイデアを建設的に引き出す方法

すべてのブレインストーミングが同じように効果的というわけではありません。ブレインストーミングの上手な使い方や、様々な手法を理解することで、チームが創造的に広がり、より良い生産的な意思決定ができるようになります。

ブレインストーミングは、新しいアイデアの創造、問題の解決、意思決定など、チームをまとめて考えるための最もよく知られた手法の1つです。ブレインストーミングには非常に多くの素晴らしい使い道があるため、私たちは何度も繰り返しご提案してきました。

そして、それだけではなく、ブレインストーミングはそれ自体がチームビルディングのための素晴らしいエクササイズになることもあるのです。ブレインストーミングはチーム内のコミュニケーションとアイデアの共有を促し、同時にチームメンバーが互いについてより深く知ることを可能にします。特に、リラックスした雰囲気の中で行う場合や、楽しい要素やアクティビティを加える場合は、チームにとって楽しみながらお互いを知ることができる方法となります。

しかし、すべてのブレインストーミングが同じように作られているわけではありません。ブレインストーミングは分類が難しく、手法も多岐にわたるため、効果的な使い方ができなかったり、ニーズに合った使い方ができなかったりすることが多々あるのです。

ブレインストーミングには様々なスタイルがありますが、多くのチームはそのことを知らないこともあるでしょう。これらの異なる方法とスタイルを理解することは、チームがいつもの「代替案」から脱却し、創造的なプロセスに必要な再活性化をもたらすのに役立ちます。

ブレインストーミングのもうひとつの問題は、必ずそこから多くの考えや新しいアイデアが出てくるとは限らないということです。チームを部屋に閉じ込めて、「1時間ブレインストーミングをするように」と言ったとき、チームメンバーがすでにクリエイティブであったり、お互いにクリエイティブな関係にあったりする場合であれば、前向きな結果が出ることも多いでしょう。しかし、多くのチームにとって、これは最も効果的なブレインストーミングの方法とは言えないかもしれないのです。

ブレインストーミングに関して最後に考慮すべきことは、ある種のブレインストーミングのテクニックは、プロジェクトの異なる段階において、より効果的であったり、より効果的でなかったりする場合があるということです。たとえば、クリエイティブな発想が求められるプロジェクトの初期には、より流動的でオープンなブレインストーミング手法が求められることもあるでしょう。反対に、プロジェクトの後半になると、より具体的なアイデアを出すために、より集中したブレインストーミングの手法が必要になる場合もあります。

そこで、今回のブログ記事では、効果的なブレインストーミングの方法をご案内します。ブレインストーミングについて考えるべきポイントと、さまざまなスタイルのブレインストーミングのリストを紹介します。このリストがチームの思考を刺激し、チームにとって最も効果的な方法を選択する一助になればと思います。

ブレインストーミングはチームで何を実現するのか?

まず、チームでブレインストーミングを行うべき理由と、その効果について説明します。先に述べたように、ブレインストーミングはさまざまな目的に利用することができるものです。創造性が必要なことなら何でも。問題を解決するために考えたり、意思決定のために別の選択肢を考えたりすることは、ブレインストーミングの恩恵を受けることができます。

ここでは、チームでのブレインストーミングの主な効果を紹介します。

1. 創造性を刺激する

チームメンバーが一緒に考えることで、アイデアの流れが促進されます。お互いのアイデアを出し合い、そのアイデアをもとに仕事をし、さらに創造的な思考を促すことができます。このように、ブレインストーミングは、チームメンバーが互いに刺激し合えるようなコラボレーション環境を構築するための重要な手段なのです。

2. より多くの新しいアイデアを得る

ブレインストーミングは基本的に、クリエイティブな職場環境を促進するだけでなく、より多くの新しいアイデアの開発にもつながっています。チームでのブレインストーミングは、他のアイデア発想法よりも出てくるアイデアの量が多いのです。また、前にも述べたように、アイデアや選択肢が多ければ多いほど、チームとしての意思決定や目的の強度が高まることにも繋がります。 

3. より良い人間関係の構築

ブレインストーミングは単に新しいアイデアを生み出すだけでなく、プラスの効果が他にもあります。みんなで考え、意見を出し合い、話し合うことで、チーム内の人間関係もより強固なものになるのです。また、どんな形であれ、より多くのメンバーがブレインストーミングに参加することで、プロジェクトに対するモチベーションが高まり、チームの結束も強まるでしょう。

ブレインストーミングをより効果的にするためにチームができること

これからさまざまなブレインストーミングの方法をご紹介しますが、これらはチームとしてのブレインストーミングのプロセスを揺り動かすのに最適です。しかし、必ずしもブレインストーミングのスタイルを変える必要はありません。ちょっとした工夫で、チームのブレインストーミングがリフレッシュできることもあるのです。

それでは、ブレインストーミングを効果的に実践するための方法と、簡単に改善するための簡単な提案をご紹介します。

1. チームメンバーにまず一人で考える時間を与える

ブレインストーミングを長時間行うことが、必ずしもうまくいく訳ではないということは前述しました。その理由の1つは、チームメンバーが自分で考え、ブレインストーミングをする時間を与える必要がある場合が多いからです。ほとんどの人は、その場でアイデアを思いつくことはできません(思いついたとしても、必ずしもベストなアイデアとは限りません)。チームメンバーに考える時間を与えることで、アイデアを練り上げ、ブレインストーミングが行われるときの準備をすることができます。

2. 心理的に安全な環境を作る

 新しいアイデアが生まれるのは、チームメンバーが自分の意見や感情、考えを完全に自由に共有できているときだけです。もしメンバーが自分の本音を話すことに不安を感じていたら、ブレインストーミングセッションの意義はなくなってしまいます。ですから、チームメンバーがコラボレーションできる効果的な空間をつくるには、職場環境を心理的に安全な空間に変えてください。

3. 必要であれば、部屋を出る

そのためには、あなたがマネージャーや上司である場合、部屋を出るのが良いかもしれません。その場にいると、チームの他のメンバーが混乱してしまったり、上司の意向に沿わなければならないという強いプレッシャーが働いてしまうことがあります。そのため、部屋の様子をうかがい、必要であれば、チームが自分たちだけでブレインストーミングを行うことを信頼しましょう。

4. 場所を変える 

ブレインストーミングセッションを活性化させるための次の良いアイデアは、いつもと違う場所で行うことです。物理的な空間は私たちの思考にさまざまな影響を与え、私たちの視点を変えてくれることもあります。いつも同じ会議室で考えていると、ちょっと、いや、結構退屈になるもの。そこで、公園に移動したり、散歩やスポーツをしながらなど、外でブレインストーミングをすることで、変化を持たせることができます。近くのカフェやレストランに行くのも良いでしょう。もし、本当に何かを深く考え直したいのであれば、一緒にどこかへ旅行に行くことも検討してみてください。

5. チームに時間を割かせる

ブレインストーミングはプロセスであり、即効性のあるものではありません。ブレインストーミングを効果的に行うには、多くの時間を必要とします。なぜなら、ブレインストーミングの要点は、多くのアイデアや可能性を生み出し、発展させることにあるからです。だから、たとえいいアイデアが浮かんだとしても、ブレインストーミングのセッションを途中で切り上げないでください。プロセスを受け入れ、チームを信頼することを忘れないようにしましょう。

5. チームメンバーが創造的な側面に触れることができるようにする

ブレインストーミングは究極的には創造的なプロセスであるため、創造性の火をつけるには、セッション中にチームメンバーが自身の芸術的な側面を表現することを促進するのが最も効果的です。例えば、紙を渡して字を書いたり、絵を描いたり、落書きをさせたりするのも良いでしょう。また、粘土やパテを与えると、ブレインストーミングの際に、より創造的な思考が促されるという報告もあります。基本的には、メンバーの創造的な側面を解放することで、創造的なプロセスを可能な限り促進させることが目的です。

創造性を高めるブレインストーミングのテクニック

さて、ここからはいつものセッションをもう少し面白くするための具体的なブレインストーミングの方法をご紹介します。ブレインストーミングが既に上手くいっているのであれば、それは素晴らしいことです。しかし、チームワークが噛み合わない、特に難しいプロジェクトが控えている、どんなものがあるのか気になるなど、他の方法を試したいと思うこともあるでしょう。

そこでここからは、チームとしてのブレインストーミングを多様化するための8種類ののテクニックを紹介します。

1. ブレインライティング 

この方法は、非言語的な方法でアイデアを引き出すことができるため、内気なチームやプロジェクトのごく初期にブレインストーミングを行う際に最適な手法です。まず、各チームメンバーに5〜6分程度の時間を与え、今話し合っているトピックや問題に関連するアイデアを3つずつ書き出してもらいます。次に、そのリストを左隣の人に渡してもらいましょう。再びチームメンバーに5〜6分程度の時間を与えて、今度は渡されたリストのアイデアに追加し、拡張させます。その後、チームメンバーに修正したリストを再び渡してもらうという流れです。

チームメンバーの手元に最初の紙が戻ってくるまで、あるいは十分なアイデアが生まれたと感じるまで、このプロセスを続けましょう。そして、思いついたアイデアをみんなで話し合います。

2. マインドマップ

マインドマップはブレインストーミングの一般的な手法であり、使ったことがある人もいるのではないでしょうか。まず、アイデアやトピックを決めて、その周りを円で囲みます。次に、そのアイデアをできるだけ多くのサブアイデアやサブトピックにつなげ、それらの周りにも円を描きます。これを繰り返し、マップを外側に広げ、線を使ってアイデアを他のサブアイデアやアイデアにつなげましょう。

この方法は、チームメンバーに他の方法では考えられなかったようなつながりを持たせることができ、また、チーム内の散在する考えを可視化することができる良い方法です。さまざまなアイデアとそのつながりが見えてくれば、価値ある新しいアイデアや解決策を見つけることが容易になることもあります。

3. スターバースト

スターバーストはマインドマップと似ており、1つのアイデアやトピックに集中するために使うことがほとんどである点を除けば、マインドマップと同じものです。そのため、プロジェクトの後期に、あるアイデアを推し進めることに集中し、その開発についてのより具体的な質問に答える必要がある場合に有効です。マインドマップ同様、1つのアイデアやトピックから始め、その周りに円を描きます。次に、この円からさまざまな質問(どこで、いつ、どのように、なぜ、など)に線を引きます。そして、出した質問にそれぞれ別のアイデアで答え、質問と線で結ぶという流れです。それぞれの答えをノードにして、さらにアイデアを出すこともできます。

4. ラウンドロビン・ブレインストーミング 

ラウンドロビンスタイルのブレインストーミングは、ブレインストーミングのプロセスに体を動かすことや移動を加えることができます。また、話し合うべきトピックやアイデアが既にいくつか決まっている場合にも、良い方法です。

この方法では、まず部屋に円形にテーブルを置き、各質問やアイデアに対応するテーブルを設けます。各テーブルには質問またはアイデアを書き出したものと、紙、ペンを置きましょう。チームに各テーブルに散らばってもらい、5〜6分間でアイデアや考え、解決策などを書いてもらいます。時間が過ぎたら、チームメンバーに別のテーブルに移動してもらい、同じことをやってもらうという流れです。チームメンバー全員が各テーブルを回るまで続け、終了後、結果を話し合います。

5. ステップ・ラダー・テクニック

チームでの意思決定の方法についてお話したときにも、ステップ・ラダー・テクニックについて触れましたが、ブレインストーミングでも、このテクニックはチームメンバーを少しずつ引き入れるのに適した方法です。チームが非常に忙しい場合や、一度にたくさんの新しいアイデアでプロジェクトを圧倒したくない場合などに有効かもしれません。

まず、2〜3人のチームメンバーで構成されるコア・グループを作り、一緒にブレインストーミングを行います。それが終わったら、別のメンバーを連れてきて、前回のグループのアイデアをもとに、自分のアイデアや意見を言ってもらいましょう。このプロセスを繰り返し、毎回新しいメンバーを1人ずつ(必要であればそれ以上)加えていきます。

6. 直感像メソッド

このブレインストーミングのテクニックは、ガイド付きの瞑想のようなもので、ゴールは解決策やアイデアを視覚化することにあります。もちろん、製品デザインなど視覚的な要素を含むより具体的なアイデアや、理想のチーム環境など、理想的な状態を想像する場合にも有効です。

まず、チームメンバーに目を閉じてもらいます。次に、問題や質問を提示し、解決策や新しいアイデアを頭の中で想像し始めるよう求めましょう。さらに、解決策の感触やにおい、色、大きさ、形など、より具体的な質問を続けます。チームメンバーが新しいアイデアや解決策を思い描いたら、目を開けてもらい、話し合いを始めるという流れです。

7. ラピッド アイデア

この方法はできるだけ多くのアイデアを出すことが目的で、チームメンバーにテーマと制限時間を与え、すべてのアイデアや解決策を書き出させるだけという簡単なものです。一見、無秩序な方法にも思えますが、批判を受ける前に書き出すことにより、批判を恐れずに自分の考えを吐き出すことができます。また、膨大な量のアイデアを出すことができるので、意思決定をする上では常に良い方法です。

8. バッドアイデア・ブレインストーミング 

この方法を最後に挙げるのは少しばかばかしいと感じる人もいるとは思いますが、チームメンバーに既成概念にとらわれず、創造的な解決策を考えさせるのに、非常に効果的であるためです。このメソッドの目標は良いアイデアを考えることですが、このメソッドではまず、トピックや質問に関連した悪いアイデアを考えます。

そして、悪いアイデアを思いついたら、その結果やその悪いアイデアを実現するために必要なことをよく考えてみましょう。そうすることで、新しい視点で考えることができ、今まで考えもしなかったようなアイディアが実際にひらめくことがあるのです。この方法は、単に笑うためだけのものではなく、問題解決の方法を学び、どんなにクレイジーなアイデアでも開発するための

チームビルディング完全
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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。