年度初め、クラス替えをした新クラスでは、生徒同士がなかなかうまく話すことができず、打ち解け合うまでに時間がかかってしまうことがあります。学級開きの最初の3日間を通称「黄金の三日間」と呼びます。新しい環境でドキドキしている生徒も少なくはありません。そんな時に便利なのがアイスブレイクゲームです。どのゲームも5分〜10分程度の所要時間でできるので、クラスの雰囲気づくりにぜひ使ってみてください!
アイスブレイクとは?

直訳すると「氷を壊す・溶かす」を意味するアイスブレイクとは、緊張した硬い雰囲気を氷に例えて、それを壊す=場を和ませリラックスした環境を作ることです。アイスブレイクの手法には、自己紹介から簡単なゲームやアクティビティなど、状況や対象者によってさまざまな方法を活用することができます。
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アイスブレイクの効果
アイスブレイクを効果的に使うことで、会話や笑いが生まれ、たとえクラスが違っても参加者がお互いを知ることができます。また、自分自身や自分の興味について話すことができ、共通の趣味を持った友達を見つけるきっかけにもなります。
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①クラスの雰囲気を和らげる
アイスブレイクの効果のひとつに、クラスの雰囲気を和らげるということがあります。本格的に授業がスタートする前にアイスブレイクを行うことで、硬くなったクラスの雰囲気を和らげ、コミュニケーションを活性化させることができます。
②緊張を和らげる
初対面や、今までクラスが違い話す機会の少ない生徒同士がコミュニケーションを図ろうとすると、緊張してうまくいかないことが多いものです。アイスブレイクゲームは、緊張をほぐし、意見交換をしやすい雰囲気を作るのに役立ちます。
③コミュニケーションを円滑にする
アイスブレイクを通して、物理的に口を動かし話すことで、声を出すことに慣れる効果もあります。
④相互理解を深める
相互理解とは、お互いの考え方や価値観、相手の発言の意図や目標などを理解することです。アイスブレイクは、お互いを知るためだけでなく、相手の性格や嗜好を引き出すためにも有効です。素直な気持ちを見せ合うことが、相互理解につながります。
何気ない会話で思いがけず意気投合することはよくあることです。たとえ会話が盛り上がらなかったとしても、ちょっとした会話やリアクションに必ずヒントがあるものです。
⑤積極的な姿勢を生み出す
生徒たちはゲームを通して自分が役に立てることを実感すると、積極性が生まれます。また、他者と協力することを学びます。その結果、クラスは生徒が自分の能力や多様性を積極的に発揮できる環境となり、授業の質も向上していきます。
中学生向けアイスブレイクゲーム集おすすめ10選

①他己紹介
他己紹介は、自分の代わりに他者をクラスのメンバーに紹介する自己紹介ゲームです。自己紹介を行なうよりも、その人について他のみんなに紹介するので、積極的に情報を集めようと、コミュニケーションがより活発になります。また、相手を紹介するわけですから、相手についてより親身になって質問する必要性も出てきます。名前だけでなく、ニックネームや趣味、兄弟、飼っているペットなどについても聞いておくとよいでしょう。
②バースデーライン
このゲームは、制限時間内に誕生日の早い順番から1列に並ぶゲームです。ただし誕生日順に並ぶ際、会話をしてはいけません。また、筆談も禁止です。参加者は身振り手振りだけでお互いの誕生日を把握し合い、正しい順番で並ばなければいけません。参加者全員が並び終えたら、先頭から誕生日を発表し答え合わせをしましょう。 人数が多ければ多いほど難易度が上がり、盛り上がります。また、言語を使わずにコミュニケーションすることの重要さと難しさを学習することができます。
③GOOD&NEW
GOOD&NEW(グッド アンド ニュー)は、過去24時間または数日間に起こった「良かったこと(Good)」と「新しい発見(New)」を発表するというアイスブレイクゲームです。発表する内容はどんなに些細なことでもOKです。ポジティブな内容だけを発表するため、ゲームが終わったあとも前向きな気持ちになれます。
④好きな〇〇
好きな〇〇ゲームは、参加者に「好きな〇〇」というテーマを出し、お題に沿って1人1分程度で好きな〇〇とその理由を発表してもらうゲームです。コミュニケーションのきっかけになったり、共通点を見つけることで親近感がわきやすくなったりします。
⑤あと出しジャンケン
あらかじめ「勝つ」「負ける」「あいこ」などの指示を決めておきます。例えば、進行役が「負けて下さいね!ジャンケン・ポン!」と言って「グー」を出したら、残りのメンバーはその直後に「ポン!」と続けながら「チョキ」を出して、わざと負ける必要があります。このジャンケンは勝ち負けは関係なく、指示通りになかなか出せない難しさが面白さにつながっています。
⑥共通点探し
このゲームは、2人1組のペアを組み、相手と自分の共通点を「制限時間内になるべく多く」もしくは「なるべく早く〇個見つける」というゲームです。通常の自己紹介以上に相手を深く知る必要があるため、相手との距離がグッと縮まります。
⑦私は誰でしょう
人数分の付箋に有名人、スポーツ選手、アニメのキャラクター、身近なものなど、誰もが知っているものを書きます。(予め先生が用意しても良いですし、参加者に書いて貰ってもかまいません。)ボウルに付箋を入れ、よく混ぜてから1人一枚ずつ紙を取り、何が書かれているのか見えないように、その付箋を自分のおでこに貼ります。解答者は、クラスメイトに声をかけ、自分が誰だか知るための質問をします。質問された人は質問は「はい」か「いいえ」で答えます。解答者が正解するまで、色々なクラスメイトに声をかけ、質問を繰り返します。
⑧10秒お絵描きリレー
ホワイトボードか大きな紙を使います。最初の人はお題を見て、10秒以内にお題に基づいたイラストを描きます。次の人はそのイラストを見て、お題が何であるかを推測します。正解できなかった場合、出題者から正解を聞いて、書き足すか書き直します。これを繰り返し、誰かが正解するまで続けます。チーム対抗戦で行なう場合、少ない人数で答えた方が高得点です。
⑨人間知恵の輪
内側を向いて輪になります。右隣の人以外の人と右手を繋ぎ、次に左隣の人以外の人と左手を繋ぎます。それを繰り返す事で、みんなで絡まった知恵の輪が出来ます。繋いだ手は離さないで、手の下を潜ったり、手の上をまたいだりしながら知恵の輪を解いていきます。
知恵の輪が解けて、大きな輪になったらゲームクリアです。
⑩クエスチョン・ウェブ
このゲームには、毛糸玉が必要です。参加者は輪になって立つ、もしくは座ります。最初に毛糸を持っている人は、質問をしながら、糸の端を持った状態で、他のメンバーの一人に毛糸玉を投げます。毛糸を受け取った人は、その質問に答えなければなりません。あらかじめ先生が質問例を黒板に書いておいてもよいですし、各自がその場で質問を考えてもよいです。質問に答え終わったら、別の質問をし、輪の向こう側にいる人に毛糸玉を投げます。これを繰り返していくと、輪の中に蜘蛛の巣ができます。最後には、全員で作った蜘蛛の巣が出来上がります。
まとめ

本日ご紹介したアイスブレイクゲームは、学年の初めだけでなく、各授業の最初の数分間に取り入れることができます。生徒がつまらないと感じる授業は、クラスの雰囲気が原因であることもあります。先生が淡々と話していて生徒が眠くなる授業もあれば、クラス全体で盛り上がり1時間目があっという間に終わってしまう授業もあります。
必要なことだけを淡々と聞いているだけでは、生徒は授業に引き込まれず、活発な意見交換もできません。生徒が積極的に授業に参加し、発言しても大丈夫という心理的な安心感を得られるような雰囲気を作ることが大切です。