「対立解消」:チームで問題を解消するための実践的な方法

目次

「「対立解消」(コンフリクト・レゾリューション)」は、交渉、コミュニケーション、共感に基づいて対人関係の問題に対処し、クリエイティブな代替策をブレインストーミングするための実践的で有用な方法です。

チーム(そして人生)において、対立は避けられません。個人にはさまざまな個性や情熱、目標、考えがあり、特に大きなプロジェクトが絡むと、時に対立することがあるものです。

しかし、対立は避けられないものとは言え、その結末は必ずしも決まっているわけではありません。対立が発展してチームの他のメンバーに迷惑をかけることもあれば、双方にメリットのある解決策を導き出し、結果的にチームを強くすることもあるのです。

そこで今日のブログでは、「対立解消」について掘り下げます。「対立解消」とは、交渉、コミュニケーション、ブレインストーミングを駆使して問題を解消し、対立する両者が前進できるようなクリエイティブな方法です。

先日の記事でも説明したように、必ずしもすべての対立に解決策があるわけではなく、そういった場合には他の手段を利用することもできます。しかし、「対立解消」は最もよく知られた手法であり、日常的に起こるチームメンバー間の対立の多くに対応するのに適しています。

また、コミュニケーション能力を高め、互いの意見を聞き、理解し、解決策を一緒に考えることができるようになります。

「対立解消」とは?

「対立解消」は、最も基本的なレベルでは、与えられた対立に対して、双方が合意する平和的な解決策を見出そうとすることを意味します。このように聞くと外交的な印象を受けますが、実際「対立解消」は国際関係や外交において、国や民族間の大きな対立を解消する手段として、交渉や第三者による仲介を経て行われることが多いものです。

このような交渉の結末は、通常、交渉による和平調停または条約であり、そこでは双方が満たし、維持する必要のある条件と、これらの条件が満たされない場合に生じる結果を概説されます。

それに比べるとオフィスやチームでの対立によるリスクは明らかに低いものになりますが、このような場合も「対立解消」の原則は変わりません。それは双方が座り、互いの感情とニーズに耳を傾け(場合によっては、マネージャーや人事担当者などの第三者の助けを借りて)、その両方に対処する方法を考え出すということです。

「対立解消」はその名が示すように、対立の解消または終結に焦点を当てているため、対立から抜け出す明確な道がある場合に、より有用となることを覚えておくことが重要です。つまり、「対立解消」は両者の不満が実際に解消されるときに最も効果的に機能するのです。

ここでは、そのようなケースを紹介します。

  • 2つの立場が明確に存在する対立
  • 急性または短期的なチーム内の対立
  • コミュニケーションミス、または誤認識に起因するチーム内の対立
  • タスクや役割に関連したチーム内の対立
  • 対立のダメージをその場で最小限に抑え、激しい状況を和らげたい場合

この範囲外の対立、たとえば、長期にわたる対立、より深い信念や考えをめぐる対立、チーム構造や組織の変更を必要とする対立などは、「対立解消」だけでは解消できない可能性が高くなります(ダメージを最小限に抑えることはできるかもしれませんが)。

「対立解消」の目標

「対立解消」の目標を知ることは、「対立解消」が実際にどのようなものかをよりよく理解することに繋がるので、ここでご紹介しておきます。

  • すべての関係者が合意できる解決策を生み出すこと
  • この解決策を見つけるために、できるだけ早く作業すること
  • 対立の当事者間の関係を改善すること

「対立解消」の一例

「対立解消」が最も役に立つ例と言えば、会議中に2人のメンバーが口ゲンカをした場合などが挙げられます。メンバーAのふとした発言でメンバーBが機嫌を損ねてしまい、メンバーBが直接的で攻撃的な言葉を返して状況をエスカレートさせ、そこから会議がこじれてしまう…といった状況です。

この場合、マネージャーやチームリーダーは2人を呼び出して、何が起こったのかについて2人の見解を聞き、メンバー双方が敵対関係を終わらせ、攻撃的なことを言わないことに同意した上で、前に進む方法を考えることができるのです。この合意が破られた場合には、結果や責任を問うと脅すという場合もあるでしょう。

上の例では、二つの立場がはっきりしていて、対立は短期的であり、双方の不満に耳を傾けやすくなっています。さらに最終的な合意は想像でき、実行可能なものです。したがって、この方法で両方のチームメンバーに対処することで、対立のダメージは最小限に抑えられ、他のチームメンバーも破壊的な対立に巻き込まれる危険はなくなります。  

「対立解消」のプロセスを一つずつ解説

さて、「対立解消」とは何か、何を目指しているのかがきちんと理解できたところで、実際のプロセスに入りましょう。「対立解消」ではプロセス、特に順序が重要です。正確なステップをきちんと踏まずに、あちこち飛び回ったり、急いで最後に飛びついたりしないように注意しましょう。

例えば、双方の立場を理解し、一緒に解決策をブレインストーミングする前に、合意を得ようとしてはいけません。でなければ一方の不満を見落としたり、認められなかったりして、後で合意事項全体が複雑化する危険性が生まれてしまいます。 

また、誰も結論を急いではならないということも重要です。ポイントは、できるだけ完全に平等に両方の言い分を聞くことです。これは最終的に対立を解消するためのより良いアイデアとより良い解消にも繋がるでしょう。 

1. 対立を認識する 

「対立解消」の最初のステップは、そもそも対立があることを認識することです。これは不要、または当たり前すぎることに聞こえるかもしれませんが、実際には非常に重要なプロセスです。問題があることを双方が認識するようになることは、それを解消できるようにするための最初のステップとなります。この自覚は、当事者自身から来る場合もあれば、対立を懸念する第三者(上司や他のチームメンバー)から来る場合もあるでしょう。そのため、他の人にも影響が及んでいることに気づくことも、この気づきの一部となります。

2. 両者間でコミュニケーションをとる

当事者が対立があることを認識したら、「対立解消」プロセスの次のステップは、両側が座って一緒にコミュニケーションをとることです。これは最初の接触点なので、まだ緊張が高まっていることもあるでしょうし、刺激されてより感情的になってしまう可能性もあるでしょう。しかし、このステップの目的は、最終的に対立を解消するために同意し、解決策を見つけるために必要な手順なのです。

3. 対立を理解する

「対立解消」のこの段階では、両方の立場が一緒に両方の視点からの実際の対立を理解することが目的です。何がそれぞれの立場を追い詰める原因になっているのか、そして対立が発生する前と対立中、さらに対立が終わった後に双方がどう感じているのかを話し合います。このステップでのポイントをいくつか挙げておきましょう。

  • 行動、言葉、思考、行動など、できるだけ具体的に考える
  • 双方が追い詰められたと感じるのは何がきっかけで、どのような状況かを洗い出す
  • 双方が中断することなく話す機会を与えられるようにする
  • お互いの話を十分に聞き、議論する必要をなくす

このステップでは、傾聴と共感が重要であり、双方が「自分の声が聞かれている」と感じることができるようになり、これこそがこのステップの、そしてプロセス全体の真の目的です。自分の話を聞いてもらい、尊重されていると感じれば、プライドや自己イメージを守る必要がなくなるため、感情が緩和されるのです。

4. 可能な解決策のブレインストーミングをする

これは対立の解消プロセスのクリエイティブな段階です。可能なトリガーと感情的な反応として識別したものを使用して、双方と一緒に解決策をブレインストーミングしてみてください。現時点では、どんなアイデアでも構わないので可能な限りクリエイティブであることを心掛けましょう。そうすることで、他の方法では思いつかなかったようなアイデアに目を向けることができるかもしれません。

クリエイティブであることは、他の面においても効果を発揮します。「何でもできる」、「すべての(あるいはほとんどの)対立は交渉可能である(少なくとも緩和可能である)」という考え方を持てば、問題そのものにとらわれることなく、解決策に心を向けることに繋がるのです。

5. 第三者の仲介を利用する

第三者としての調停人や交渉人は、いつでも登用することができます。場合によっては、対立を避ける目的のために、最初から呼び込んでおくということもあるでしょう。しかし、一般的に「対立解消」では、まず当事者だけで会ってコミュニケーションをとり、お互いの意見を尊重し合い、影響力や権威のある人物から距離をとることを推奨しています。

両者が対面し、問題を議論し、ブレインストーミングを始めた後、ようやく第三者である調停人が両者を落ち着いた結論に導く手助けをすることができるようになります。というのも、この時点では細部が重要であり、双方は誰もが納得する合意を打ち出す必要があるのですが、これは時に厄介なことになり得るからです。第三者は環境をコントロールし、客観的な視点を提供し、会話のやりとりを維持するのに役立ちます。  

6. 代替案を検討する

第三者である調停人がいれば、今まで思いつかなかったような選択肢を模索することが可能になります。新たな目で見ることで、目的を絞り込み、不要なものを削ぎ落とし、新たな解決策を提案することができるのです。ここでも、一緒に少しクリエイティブになり、新しいアイデアや解決策を加えることで、既成概念にとらわれない考え方をするチャンスとしましょう。

7. プランに合意する

「対立解消」のプロセスのこの段階では、双方が快適に感じる解決策に同意します。これは一回の会議で終わらせる必要はありません。実際、最適な解決策を見つける、または実行可能な一つに絞るのに、会議が複数回に及ぶこともあります。 

合意するプランが上記の懸念に対応していることを確認しましょう。そうでない場合は、持続可能な解決策とはならない可能性があります。先ほどと同じように、そのプランができるだけ詳細であることも確認してください。ここは物事を曖昧にしている段階ではありません。合意した条件のいずれかを誰かが破った場合の結果を含め、テーブルの上にすべてを並べましょう。

8. 合意の影響を監視する

合意したところですべて終わりではありません。「対立解消」の大きなポイントは、合意後の双方を監視し、合意の効果そのものを研究することにあります。

例えば、双方が満足しているか、それとも合意に不満が残っているのか。何か不手際がなかったか。まだ水面下で燻っている問題はないか。合意はチームや職場の他のメンバーにどのような影響を与えたか。環境は全体的に穏やかになったか、それとも緊張感が増したかといったように、観察・監視していきましょう。 

 9. 責任を通じて、チームメンバーを合意事項に従わせる

合意内容が全体に及ぼす影響はもちろんですが、何よりも監視すべきは、双方が合意内容を守っているかどうかという点です。もし守っていないのであれば、責任を取らなければなりません。

もしあなたがその合意を信じているならば、その合意をうまく機能させ、長続きさせたいはずなので、それを破ったメンバーに責任を負わせることは非常に重要です。また、これは信頼の問題でもあります。約束したことを守らないメンバーはそれほど信頼されませんし、この信頼の欠如はチームの他のメンバーにも広がります。

最後に

これが「対立解消」のプロセスです。各ステップを順番に踏んでいくことがいかに重要であるか、そしてどのようなステップがより大きなプロセスにとって意味を持つかおわかりいただけたでしょうか。「対立解消」が目標と詳細に非常に重きを置くものであることは明らかであり、議論、交渉の詳細、および持続可能な解決策を導くという作業で構成されています。そして、必ずしも完璧を目指すのではなく、コミュニケーションと課題の解決を通じて、共に現実的なものを作り上げていくものだからこそ、チームの強化に適しているのです。