感情的知性(EI)とリーダーシップ:EIがリーダーにとって重要な理由

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感情的知性に関してお届けしているこのブログシリーズでは、これまで個人とチームに関連する感情的知性のさまざまな側面についてお話ししてきました。そして今回は、感情的知性とリーダーシップの関連性という重要なトピックに焦点を当てます。

おさらいですが、感情的知性では、自分の感情や他人の感情を調節したり、影響を与えたりする方法を理解し学ぶことが、知能と同じくらい重要であることが強調されています。また、共感力を養い、対立の解消や協力、動機付けなどを通じて、人間関係をポジティブに形成する能力にも繋がるとお話ししてきました。

ということは、リーダーシップとも明確な繋がりがあるということに気付いた方も居るのではないかと思います。リーダーシップについては以前にもお話ししましたが、感情的知性は、リーダーがどのように行動すべきか、そして優れたリーダーが目標を達成するためにチームにどのような影響を与えるのが最善かについて、多くの貴重な洞察を与えてくれます。

したがって、感情的知性とリーダーシップの結びつきは、非常に強いものであると言えるでしょう。リーダーは当然、チームメンバーと交流し、彼らの気持ちを理解する必要があります。同時に、リーダーはチームの環境を積極的に整え、心理的に安全で、やる気を起こさせる空間を作り上げることも求められるのです。 

感情的知性とリーダーシップの資質

以前、リーダーシップに関するブログ記事の中で、私たちは優れたリーダーシップの資質についてご説明しました。今回は、感情的知性とリーダーシップについて議論する前に、これらの資質を振り返り、感情的知性とどのように関わっているかを見てみましょう。

  • ビジョン…チームのビジョンを考えるには、自分自身を知り、自分の限界を理解することが必要となる
  • コミュニケーション…自分のビジョンを他のメンバーに伝えるには、そのビジョンを達成するための動機付けを適切に行うために、メンバーを知り、理解することが必要となる
  • 責任感…自分の行動に責任を持つには、自己認識と内省が必要であり、自分の行動が他者の感情にどのように影響するかを理解する能力も不可欠である
  • 共感力…相手の立場に立って物事を考える能力は、相手の感情を理解することに直結する 
  • 知識と知性…これらは感情的知性と対置されることが多いが、目の前の仕事に関する知識をチームに上手く伝える必要があるため、メンターやトレーニングを通じてこの知識や知性を伝える方法も、感情を理解する能力と関係がある

こうして見てみると、優れたリーダーにとって、感情的知性が重要であることはより明確ですね。むしろ、必須条件とさえ言えるかもしれません。もちろん、世の中には感情的知性を持たないリーダーもたくさんいます。しかし、優れたリーダーになるためには、感情的知性は必須です。幸いなことに、感情的知性は優れたリーダーシップのスキルと同様、学ぶことができます。  

感情的知性とリーダーシップスキル

よく比較してみると、感情的知性とリーダーシップは、実は根本的に非常によく似たスキルを使っていることが分かります。

まず、感情的知性には4つの要素があるとお話ししたことを思い出してみてください。

  • 自分の感情に気づく
  • 自分の感情を管理する/影響を与えるする 
  • 他者の感情に気づく
  • 他人の感情を管理する/ポジティブに影響を与える

リーダーの多くが持つ要素と重なっていることに気が付くのではないでしょうか。どちらも自分自身を自覚し、自己を律すること(=セルフリーダーシップ/リーダーシップの前提)と、率いるチームを理解し、彼らにも影響を与えるよう努力することが不可欠であることが分かります。

つまり、感情的知性とリーダーシップは、互いに非常によく対応し合っていると言えるのです。一方に役立つスキルの多くは、もう一方にも役立ちます。このことからも、感情的知性とリーダーシップは、人々が思っている以上に多くの点で繋がっていることが分かります。もう少し具体的にピックアップしてみましょう。

1. 自己認識とセルフリーダーシップ

良いリーダーになるためには、自分自身の弱点、強み、限界を認識する必要があるのですが、このような自覚は、感情的知性の中心となるものでもあります。

感情的知性は、自分の内なる感情を観察し、自覚すること、そして状況や他人に対する自分の反応を省みることを教えてくれます。このような気づきと反省は成長に繋がり、次第に、自分の行動をコントロールして、目標を達成するために自分の感情を活用できるセルフリーダーシップへと変化します。

2. モチベーションとインスピレーション 

また、感情的知性を活用することで、リーダーはチームのモチベーションを向上させ、インスピレーションを与えることができます。感情的知性によって、まずリーダーは自分自身と自分の感情に気づくことができるようになります。つまり、日常生活の中で自分を鼓舞し、モチベーションを高めるようなプロジェクトやビジョンを見出すことができるようになるということです。

さらに、感情的知性はチームメンバーの感情にポジティブな影響を与えることができるため、チームの他のメンバーのやる気を引き出し、鼓舞するためのツールをリーダーに与えてくれるでしょう。感情的知性のあるリーダーは、相手の感情に気づき、それを考慮しながらチームメンバーとコミュニケーションをとることができるのです。

このように、感情的知性とリーダーシップは、意欲的で創造的なチームが活躍するための方法として相性が良いものなのです。

3. 適切な環境づくり

心理的安全性については、以前にもこのブログで何度も取り上げています。その中では、チームメンバーが安全だと感じ、開放性と創造性を促進できるようなチーム環境を形成する上で、リーダーがいかに大きな役割を担っているかということについてもお話ししました。

このような環境を構築するためには、リーダーはより感情を意識し、チームメンバーの感情に影響を与え、ネガティブな感情をポジティブな方法で処理できるようにならなければなりません。感情的知性とリーダーシップが結びつけば、リーダーはチームと生産的に協働し、全員が活躍できるチーム環境を形成することができるのです。

4. 対立解決

以前にも述べたように、感情的知性とは対立や衝突を避けることではありません。感情的知性は、対立を管理するスキルを人々に与えます。つまり、対立は緩和され、メンバー間の問題は、協力関係を促進する方法で解決されるようになるということです。

それでもチームには、お互いに正直であることと、批判を受け入れることが必要です。そうでなければ、問題は長引くでしょう。だからこそ、感情的知性とリーダーシップは、手を携えて協力する必要があるのです。リーダーは感情的知性によってメンバーのニーズをより理解できるようになりますし、リーダーシップによって解決策を見つけ、より生産的な道を歩むための原動力を得ることができるようになります。

最後に:「感情的知性」と「厳しい質問をする勇気」

ということで、チームでは感情的知性とリーダーシップの両方が必要であるという結論に至りました。感情的知性は、共通の理解や、より結束力のある強固な人間関係を形成するための基礎を作ります。しかし、チームメンバーに厳しい質問を投げかけ、彼らを導き、影響を与えるためには、リーダーシップも不可欠です。

インバイトジャパンでは、感情的知性とリーダーシップの両方を強化する最善の方法は、チームビルディングアクティビティを定期的に行うことであると信じています。チームビルディングのアクティビティは、リーダーが一歩前に出て、チームが一緒に課題を達成するよう促すとともに、チームメンバーがコミュニケーションを取り、互いの感情を理解する能力を高めることを助けます。その結果、チームは弾力性に富み、高い能力を以て、その時々の課題に対応できるようになるのです。