グループワークとは、話し合いや作業を通じて、グループとしての意見をまとめたり、共通の目標を達成するために行なう共同作業です。個々の知識や視野を広げたり、スキルを向上させるのに最適な方法です。グループワークは、対面でもオンラインでも行うことができます。
グループワークでは、各グループにテーマや達成すべき目標が与えられます。そして、そのお題をグループとして達成するためには、メンバー全員が責任を持って取り組む必要があります。グループワークでは、話し合いや作業を通じて、最終的に一つの成果物をまとめあげることに重点を置いています。
グループワークの利点は、その分野での経験が豊富な人たちと一緒に仕事ができることです。すでにそのプロセスを経験した人たちから、新しい考え方や仕事の仕方を学ぶことができるのです。
グループワークのメリットとは?

世界が変化し、テクノロジーが浸透するにつれ、グループワークは今日の職場で不可欠な要素になりつつあります。グループワークによって、社員は共通の目標に向かって協力し合い、アイデアや情報を互いに伝え合うことができるようになります。
職場では、クライアントに最高のサービスを提供するためにチームワークを徹底する必要がありますが、グループワークは、グループの生産性を向上させ、メンバー間の信頼関係を構築するのに適した環境を提供します。
ビジネスにおいてグループワークは不可欠です。グループワークは、生産性の向上、より良い成果、そしてより高い利益をもたらします。しかし、多くの企業はその利点に気づいていなかったり、組織に与える影響の大きさを認識していません。
ここでは、職場でチームワーク力を向上させる方法をいくつかご紹介します。
成長を促す
グループワークは、自分のコンフォートゾーンを広げ、新しいスキルを身につけることを促します。なぜなら、グループワークでは、これまでに行ったことのないタスクを求められる場合がよくあるからです。新しいスキルを学ぶことは刺激的であると同時にやりがいがあり、個々の成長にもつながります。
生産性を向上させる
個人で作業するよりも、チームで作業した方が、短時間でプロジェクトを完了できる可能性が高くなります。同僚と協力することで、生産量を増やし、コストを削減し、時間とエネルギーの無駄を省くことができます。
発想力・創造力を向上させる
グループワークは、発想力や創造力の向上につながります。他のメンバーと一緒に仕事をすれば、新しいアイデアや問題解決策を思いつく可能性が高くなります。これは、製品やサービスを向上させたいと考えている企業にとって有益です。
職場の士気を高める
グループワークは、職場を活性化し士気を高めることにもつながります。チームメンバーと一緒に作業をすることで、同僚とのつながりが深まり、孤立感が減少します。職場環境がより楽しくなると、作業以外で何が起こっているかを心配することなく、タスクに集中できるようになります。
コミュニケーション能力の向上に役立つ
グループワークを通じて他のメンバーとコミュニケーションをとる機会が増えることにより、よりよい協力関係を築くことができます。常に一人で仕事をしていると、他人とコミュニケーションをとることが難しくなります。
グループワークでの各役割

グループにとって、さまざまなスキルやアイデアを持つことは有益であり、それによってグループのプロセスが豊かになり、最終的な成果物がより良いものになる可能性があります。とはいえ、自分とは異なる視点を持つ他者と一緒に仕事をすることは、困難な場合もあります。
グループの各メンバーに役割を割り当てることで、グループ機能を構造化し、お互いの強みを生かすことが可能になります。この役割分担は、個人の得意分野に応じて設定したり、定期的に担当をさせることで、各メンバーが役割や自分自身をより深く理解できるようになります。
ここでは、グループにおける基本的な役割について説明します。
- ファシリテーター / リーダー
- 仲裁者
- タイムキーパー / 書記
- 悪魔の代弁者(あえて批判的な立場で反対意見を述べる役割)
それでは、それぞれの役割の主な仕事を見てみましょう。
ファシリテーター / リーダー
ファシリテーター/リーダーは、各ミーティングの冒頭で、グループの目的を明確にし、サブ目標を設定するのをサポートする必要があります。このサブ目標は、ミーティング中、議論すべきトピックのアジェンダとして機能するはずです。
さらに、ミーティングの開始時間と終了時間を管理することも重要な役割の1つです。また、ファシリテーター/リーダーは、グループに対し各トピックに関する説明を行いながら、参加者が目標に向けて集中力を維持できているかを確認して進行する必要があります。そして最後にはグループのメンバー全員が、グループが到達した概念や結論を確実に理解していることを確認しなければなりません。
仲裁者
グループの機能に目を配り、特に緊張や対立が生まれそうな場合には、仲裁に入り、建設的な話し合いを促します。仲裁者は議論を明確にし、解決策を提案するようにします。
また、グループのすべてのメンバーが、参加し学ぶ機会が与えられるよう配慮します。時には、議論に参加していないメンバーからコメントを引き出す場合もあります。また、可能な限りメンバーを励まし、賞賛し、感謝の意を表すようにします。
タイムキーパー/書記
タイムキーパーは、一つのトピックについて議論する時間が長くなりすぎないよう、時間の配分を把握することが重要です。これを処理する最も良い方法は、議題の各項目にどれだけの時間を割り当てるかを予め決めておき、その時間が経過したら全員に通知することです。また、時間が迫っているときは、できるだけ早く問題を解決できるように指摘することが有効です。
書記の役割は、ミーティング中にメモを取り、決定事項、タスクの割り当て、ミーティングの日時などを記録することです。また、ミーティングに参加していない他のメンバーのために、議論の内容を要約したものを文書にして、グループの全メンバーに配布します。
悪魔の代弁者
悪魔の代弁者は、何か見落としがあった場合に備えて、すべての主張が聞き入れられたことを確認し、グループの意思決定プロセスに穴がないかを探します。問題や可能性、反対意見に対してオープンマインドである必要があります。
また、悪魔の代弁者は、細部に至るまで間違いがないかチェックし、問題を解決する品質管理者でもあります。
グループワークの準備

グループ学習を成功させるには、単に社員を効果的なグループに分け、それぞれのニーズに合ったアクティビティを設計するだけでは不十分です。共同学習の背後にある期待、構造、および論理的根拠を明確に理解した上でグループワークを開始するためには、チームで作業するためのトレーニングが不可欠です。そうすることで、参加者は、チームの生産的なメンバーとして体験に参加するための準備が整います。
簡単な紹介をする
これまでほとんど同僚とのコラボレーション作業が必要な環境で学んだことがない社員もいるかもしれません。まず、グループワークがどのようなもので、どのような形態があるのかを説明します。その後、なぜグループワークをワークスペースに取り入れるのか、その理由を説明します。さらに、多様な意見、経歴、スキル、学歴がチームにどのような利点をもたらすかを説明するとよいでしょう。オフィスでのグループワークと、将来的に対人スキルが必要とされるキャリアの関連性を説明する。グループワークは、この点で良い準備と市場性のあるスキルの両方として機能することに注意することが重要です。
具体的な内容を示す
参加者はまず、特定の情報を知りたがるでしょう。以下は、参加者がよくする質問の例です。これらの質問に対する明確な答えを最初に提示し、期待や不安を和らげましょう。
- グループのメンバーには、決められた役割があるのか?
- 提出物の期限は?
- グループで問題が発生した場合、どう対処すればいいのか?
お互いに打ち解ける機会を作る
グループでタスクに取りかかる前に、まずチームメンバーがお互いに打ち解ける機会を作ってください。 アイスブレーカーゲームを使用すれば、チームメンバーがお互いに打ち解けるのを助けることができます。
プロセスの初期に参加させる
初日に何らかの活動を盛り込むことで、メンバーが早い段階からグループワークに慣れるようにしましょう。ホワイトボードやモニターなどのオフィスツールを早い段階で使用できるようなアクティビティを取り入れることを検討してください。そうすれば、チームメンバーは将来それらを使用することに慣れることができます。
グループワークの用途

近年、企業の採用面接の選考方法として、グループワークを導入する企業が増えています。また、社内研修やインターンシップ、会社説明会などでも、グループワークが幅広く活用されています。
面接や研修にグループワークを取り入れる目的は、参加者の個性や能力、集団の中での対応力を、様々な観点から評価するためです。
また、講義形式のセミナーとは異なり、グループワークは参加者が実際にワークに取り組むことができ、参加者の主体性を生み出すことができることがわかっています。
テーマを自分事として捉えることで、参加者のモチベーションが高まり、より深い理解と満足
グループワークの目的

グループワークは、組織にいくつかのメリットを提供します。まず、同僚間のチームワークを促進することで、従業員の仕事に対する満足度を高めることができます。また、グループワークは、従業員が会社のさまざまな業務についてより深く理解することを促すことで、組織的な学習を促進することができます。最後に、グループワークは、従業員のパワーを管理職から従業員へとシフトさせることができます。
グループワークは、より大きな組織戦略の一環として、従業員がさまざまな種類のグループワークに参加できるようにすることで、従業員の成長を促進することができます。社員はプロジェクトにおいて共同で作業し、情報を共有し、効果的に協力してタスクを完了することができます。
おわりに
結論として、グループワークにはチームメンバーが一緒に働き、お互いから学ぶ機会を与えるというメリットがあります。グループワークは、グループダイナミクスとチームワークを向上させ、同僚同士のコラボレーションを促進することが分かっています。また、チームが幅広い分野にわたって学習し、協力し合えるようになります。最後に、グループワークは、社員が変化の激しい現代社会で活躍するためのレジリエンス(回復力)を養うのに役立つのです。