9月に入り、新しいシーズンが始まろうとしている今、少しだけ立ち止まって、インバイトジャパンで行われている主なイベントや出来事、そして秋に予定されている重要なプロジェクトについて説明する良いタイミングではと思いました。
毎週2回お届けしているメールマガジンでは、こういった新製品の開発についても簡単に触れていますが、もう少し時間とスペースを割いて、それぞれの開発についてより詳しく説明したいと思います。
インバイトジャパンがこの夏に行ったこと
夏といえば、例年比較的のんびりとした時間が流れるものですが、今年のインバイトジャパンはかなり充実していました。今回初めて行われた「インターンシップ・プログラム」では、知的かつ優秀な2人のインターン生に、パズルやチームビルディングアクティビティの制作方法などを指導したことは、社としても非常に大きな経験です。また、最新のオンラインゲーム「沖縄アドベンチャー」の制作に追われる一方、通常のクライアントやイベント、特にHSJ浅草のプログラムのリニューアルにも取り組みました。
1. インターンシップ・プログラム
8月の3日間、インバイトジャパンでは初の「インターンシップ・プログラム」を実施しました。インターンといっても、一般的に行われている内容や目的のためではありません。「パズルデザインの特訓」といった方が的確でしょう。
このプログラムでは、インバイトジャパンにおけるパズルやチームビルディングイベントの製作方法を、非常に聡明な2人の参加者にお教えしました。良いパズルには何が必要か、パズルに入れる要素をどのように見つけるか、何に注意するかなどといった内容です。
また、プログラムのコーディネーターであり、デザインの専門家でもあるChloéは、それ以外にも、簡潔でわかりやすい問題文の書き方や、他言語への翻訳をどう考えるか、そして、複数のパズルを一つにまとめるストーリーライティングといった一面も紹介していました。
初日は「スーツケース・ミステリー」で遊んでもらうことからスタート。「スーツケース・ミステリー」シリーズは、当社のチームビルディングのベーシックなラインアップの一つであり、このゲームをプレイすることで、当社がどのようなパズルを作る傾向にあるのかがよく分かっていただけたと思います。また、クリエイティブディレクターのDennisからは、パズルを作るときに考えるべきさまざまなポイントについての講義も行いました。
- 単に面白そうな場所やアイテムだけでなく、パズルになりそうな場所やアイテムを探すこと。
- 文脈によって異なる意味を持つ記号や単語に注意を払うこと。
- プレイヤーは、製作者が期待していることをすべて知っていると思い込まないこと。
- パズルの難易度を上げず、正しい道筋を示す方法を模索すること。
初日の締めくくりは、「スーツケース・ミステリー」に含まれるさまざまなパズルを参考に、インターン生が自分たちでワンステップパズルを考えるというものでした。
2日目、Chloéはインターン生を浅草での街歩き謎解きに連れ出しました。その道中、インターン生が様々な場所で写真を撮れるようにChloéが案内していたのも重要なポイントです。そして、ラボに戻って「Nazotabi」と「Hidden Secrets Journey」という、2種類の街歩き謎解きキットを見てさらにインスピレーションを得てもらい、先ほど撮影した写真を使用して各自でオリジナルの街歩き謎解きパズルの制作に取り組んでもらいました。
最終日となる3日目。この日はインターン生が作品を完成させ、インバイトジャパンのスタッフに街歩き謎解きのパズルを発表する日です。結論から言うと、とても感動しました。彼らは浅草のたぬき通りをベースにした独自のパズルを考え、さらに2つのパズルを結びつけるために、たぬき一家のかわいいストーリーまで考えてくれたのです。
インターン・プログラムは全体的に成功だったと言えるでしょう。インバイトジャパンのスタッフもインターン生も、お互いから多くを学び、3日間のプログラムから多くのものを得たと全員が感じています。また、私たちが他の人に伝えるべきことがたくさんあることにも気づかされました。このプログラムを、誰でも参加できるワークショップにするのもいいかもしれませんね(今後に期待)。
2. HSJ浅草
インターンシップ・プログラムほど目新しいものではありませんが、この夏、私たちにとって刺激的だったもうひとつの出来事は、「HSJ浅草」のリニューアルと復活です。「「Hidden Secrets Journey(HSJ)」とは、インバイトジャパンの屋外街歩き謎解きプログラムなのですが、ここ数年は同じシリーズの「HSJ横浜」の方が人気があります(今年の春には横浜での大型イベントも複数実施しました)。
しかし、今年の夏に注目が集まったのは浅草でした。というのも、浅草は以前、インバイトジャパンが脱出ゲームの施設を持っていたエリアなので、私たちもよく知っている場所なのです。久しぶりに訪れたため、懐かしさもありましたね。
浅草は、どこもかしこも心躍るような文化や魅力に溢れた街です。浅草寺周辺はもちろんのこと、隅田川公園周辺にも、新しい発見や魅力的なお店がたくさんあります。また、メロンパン、メンチカツ、たい焼き、だんごなどに代表される屋台文化も盛んで、ホッピー通りの赤提灯の居酒屋が立ち並ぶ様子は、ご存じの方も多いことでしょう。そんなわけで、このエリアは街歩き謎解きの環境として最適であり、私たちはいつもこの場所に引き寄せられてしまうのです。
また、この機会を利用して、パズルを作り直したり、HSJシリーズ全体のテーマであるSDGsに沿ったデザインに改装したりすることもできました。現在、横浜と浅草の両プログラムはどちらも非常にパワフルな内容で、お客様に2つの全く異なる、しかし同様に楽しい文化的な体験を提供しています。
3. 沖縄アドベンチャー
先日もお伝えしたように、この夏のビッグプロジェクトは、なんと言っても最新のオンラインチームビルディングゲーム「沖縄アドベンチャー」の開発でしょう。沖縄アドベンチャーは今月リリースの予定ですが、新しいパズルのデザイン、すべてを繋ぐオリジナルストーリーの作成、プレイヤーが使いやすいウェブインターフェースの構築など、すべての作業はここ数カ月で行われました。
そして今回、私たちはいつにも増して、自分たちの仕事をとても誇りに思っています。これまで行ってきた社内テストはどれも良好でしたし、これは間違いなく、これまでで最も野心的なオンラインゲームであると確信できます。パズルでは、プレイヤーがより協力し合える環境を作ろうと、情報の非対称性があるパズル(参加者によって与えられる情報が異なるパズル)を多くデザインしました。また、1つの言語に依存しないようにしたかったので、キーワードやパズルの答えをさまざまな言語に翻訳しやすくするために、記号やシンボルを使った新しいシステムを制作できたことも、非常に大きなステップアップです。
また、キャラクターや設定にも工夫を凝らし、よりゲームに関わるようにしました。沖縄アドベンチャーでは、プレイヤーは休暇で沖縄を訪れているエージェント集団になってもらいます。しかし、彼らの旅の計画は、喋るシーサーに出くわしたことで中断されることに。このシーサーにまつわる謎を解き明かすため、プレイヤーは沖縄の地理、文化、名所を巡る不思議な旅に出発します。
もちろん、沖縄アドベンチャーは楽しい冒険物語がメインです。それと同時に、チームで一緒にちょっとした「旅」に出かけるためのものでもあります。でも、誰も家から出る必要はありません。沖縄アドベンチャーは、ネット上で働く疲れを癒す楽しい体験を提供し続けたいという私たちの思いの表れなのです。
この秋の大きな予定
秋にはまず、新しいオンラインゲーム「沖縄アドベンチャー」の発売を予定していますが、それ以外にも、新しいプログラムを含め、さまざまなイベントを予定しています。この時期、私たちは決して暇ではありません。秋は、パズルをテーマにしたチームビルディングイベントが目白押しなのです
4. 沖縄「リアル」アドベンチャー
まず楽しみなイベントは、沖縄での対面式イベントです。そうなんです。沖縄を舞台にしたオンラインゲームを作っているうちに、現実の沖縄が飛び込んできてしまったのです!なんとも嬉しいサプライズですね!
このイベントでは、那覇のホテルで230名を対象にしたスーツケース・ミステリーを実施する予定です。つまり、私たちのファシリテーターやオーガナイザーとしての能力が大いに試されるイベントとなるということ。往復で約40個のスーツケースを送るというロジスティクスを考えることは、簡単な作業ではありません。
しかし、このリアルな沖縄の冒険は、私たちが日本の他の地域へ進出するもう一つの機会となってくれることでしょう。これは私たちが少しずつ、しかし確実に経験を重ねていることの一つです。今年だけでも、既に新潟と京都でイベントを開催し、そして沖縄を予定しています。さらに順調にいけば、そのすぐ後に、大阪でのイベント開催が続く可能性も出ています。ということは、私たちが世界中を旅することになる日も近い…かも!?
5. HSJ鎌倉
先程は「HSJ浅草」の話をしましたが、もう一つの屋外街歩き謎解きのプログラムも新しく生まれ変わります。「HSJ鎌倉」は、数年前にあるクライアントのために作ったものであり、その後、あまり使われることはありませんでした。
しかし今回、鎌倉でのプログラムに興味を持つ新しいクライアントが現れました。鎌倉は長い歴史と膨大な文化遺産を持ち、さらにサーファー文化との現代的な繋がりもあるという、それだけでも魅力的な場所です。つまり、より多くのクライアントとプレイヤーを惹きつけることができるよう、プログラムを刷新する絶好のチャンスなのです。
面白いことに、以前使用していたエリアに戻って資料を見直すたびに、いつもパズル制作における自分達の進歩に気づかされます。もちろんパズルそのものだけでなく、デザインや全体的な見た目も含めて。自分たちの基準に合うように、どこをどう変えればいいのかがよくわかります。
プログラムの刷新というのは、気づかないうちに自分たちチームがどれだけ変化してきたかを教えてくれるものと言えますね。昔の自分を振り返ることで、自分がどれだけ成長したかを実感できることもあるのです。
6. Samurai Dash!
最後になりますが、この秋、私たちが最も楽しみにしていることのひとつとして、「Samurai Dash!」という全く新しい屋外向けプログラムを作成・開発中であることを挙げておきます。
なぜなら、このような対面式の新しいプログラムを開発するのは、かなり久しぶりだからです。前回開発したのは、大規模な交流イベントやパーティ向けの屋内パズルプログラム「パズルバザール」でした。
「Samurai Dash!」では、従来の対面式のパズルに、オンラインやスマートフォンからアクセスできる要素を加え、拡張現実(AR)ゲームの原型のようなものを作りたいと考えています。
このゲームのきっかけは、クライアントから「会社近くの公園で屋外の対面式イベントをやりたい」というご要望を頂いたことでした。公園は楽しいのですが、インバイトジャパンにおける「パズル的な要素」が少ないので、街歩き謎解きゲームにはしにくいのです。そこで、オンラインゲームの要素を取り入れるという構成を考え始めました。
今、私たちがお話できるのはイベントの基本的な概要だけで、実際にどのようなものになるのかについてはまだ秘密です。ただ、「のぼり旗がある」「侍にちなんだゲームである」ということだけはお伝えできます。でも、みなさんご存知のように、楽しくて、精神的に刺激的で、謎に満ちたイベントになることは間違いありません。
最後に
以上、インバイトジャパンの夏から秋にかけての近況報告でした。ご覧の通り、私たちは忙しくしていますし、これらの新プロジェクトを発表するために、まだまだやらなければならないことがたくさん残っています。2023年、また素晴らしいチームビルディングの年になることを楽しみにしています(あっという間にやってきますよ!)