ラテラル・シンキング(水平思考):既成概念に囚われない発想で、チームのイノベーションに火をつける方法

ラテラル・シンキング(水平思考)は、前提を崩し、全く新しい視点から物事を見ることができるプロセスであり、創造性や独創性を促進するためにも非常に有効でありながら、あまり知られていません。

私たちは新しい製品やストーリー、デザインなど、何か新しいことを思いついたり、創造しようとするとき、「独創性」や「創造的なひらめき」に注目しがちです。新しいアイデアはニュートンのリンゴのように、目の前に突然落ちて来るものであり、いつどこで何が起こるかわからないし、天才的なひらめきによって、正しいアイディアが正しい人に見つかるだけなのだ、と考えられることが多いでしょう。

しかし、このアイデア発想のイメージが間違っているとしたらどうでしょう?新しいアイデアの創造をより受け入れやすくするために、その前にもっと多くのことが行われているとしたら?そして、イノベーションに必要な繋がりや関連付けを行うための準備となる考え方があるとしたら?

これこそが水平思考というものです。水平思考とは、多くの人が教わる論理的・連続的な枠組みとは少し違った方法で問題や概念を見ることなのです。

したがって、水平思考は新しい方法で考えようとするときに、あらゆる形で応用をすることができます。水平思考の原則を学び、ブレインストーミングや斬新なアイデアの発想に取り入れることは、チームにとって間違いなく有益なことになるでしょう。

重要なのは、水平思考はそもそもアイデアを考えるのに必要な適切な背景を作ることができるという点です。さまざまな可能性に目を向けることを学ばなければ、それを見つけるのは非常に難しいでしょう。ですから、順を追って考えるだけでなく、横方向に考えるトレーニングも重要です。

そこで今回の記事では、水平思考とは実際にどのようなものかをより詳しく説明し、あなたのチームの水平思考を向上させる方法をいくつか紹介します。是非参考にしてみてください。

ラテラル・シンキング(水平思考)とは?

水平思考とは何かを定義しようとするときは、まずその反対であるバーティカル・シンキング(垂直思考)を定義することが有効です。私たちは通常、次のような方法で問題を解決しています。①問題を一連の制約条件と仮定に基づいて検討する。②その問題を解決するために、制約条件や前提条件を満たした答えや解決策を探す。・・・簡単に言えば、問題解決のために、すべての思考が問題そのものに集中するということです。

しかし、これらの制約や前提は問題を論理的に考え、フレーム化するのには役立ちますが、私たちが注目しがちな「箱」を形成するものでもあります。したがって、「箱の外から」考え、創造的なアイデアを生み出すためには、問題を形成するために使用する制約や仮定の外側から考える必要があることを意味します。

水平思考は「発散的思考」や「破壊的思考」とも呼ばれていますが、まさにその通りと言えるでしょう。水平思考では、問題に思考を集中させ、その問題によって状況を判断するのではなく、問題から思考を放射状に広げ、問題を単なる出発点としています。つまり、水平思考では問題解決のための前提や基準に挑戦することができるということです。これまで抱いていた概念を打ち破り、問題やその解決策を定義するために使っていた枠にとらわれないようにするのです。

そうすることで、これまで気付かなかった(あるいは気付かせなかった)選択肢や解決策をより多く模索できるようになります。そして、この思考法を定期的に実践することで、視点を変え、インスピレーションや創造性の源を探す方法を再構築することができます。つまり、これまで抱いていた観念にとらわれず、よりクリエイティブな発想ができるようになるのです。

ラテラル・シンキング(水平思考)の例

水平思考を実際に説明するために、いくつかなぞなぞを出します。(答えはこの記事の最後にあります)

問題1:20階建てのビルの窓から赤ちゃんが落ちましたが、助かりました。どうやって?

質問2:ある男が死刑を宣告され、以下の3つの選択肢から一つ選ばなければなりません。①銃が装填された銃殺隊のいる部屋。②炎が燃え盛る部屋。③6ヶ月間食事をしていない虎がたくさんいる部屋 さて、彼はどの選択肢を選ぶべきでしょうか?

質問3:男性がドアを開けて悲鳴を上げ、数分後に死亡しました。周辺に銃声はありません。男性に何が起こったのでしょうか?

注意:この先ネタバレあり!

上記は水平思考の傾向の良い例です。まずこの3つでは前提条件が問われます。おそらく、最初に設問を読んだ時点で、自動的にいくつもの思い込みが脳裏に登録されたのではないでしょうか。

例えば、最初の質問では「20階建てのビルから落ちる」ということは、「上層階のどこかから落ちる」ということだと思い込んでいたのではないでしょうか。これは恐らく、そのようなことが起こる見出しや物語をたくさん読んできたからです(1階の窓から落ちるストーリーなど、誰も書きも話しもしないでしょう)。

また、質問そのものや、自分がどう理解すれば「意味がある」と感じるかという点からも推測してしまいます。2番目の問題を読んだとき、ほとんどの場合、質問の文言と他の2つの選択肢の内容から、3つの選択肢はすべて危険であることを「意味する」と仮定するでしょう。しかしそのことが逆に、正解となる選択肢の明らかな矛盾を見抜けなくさせているのです。

水平思考は想像力豊かな思考もします。実際、水平思考は小さな子どもの遊び方や、状況や繋がり、疑問を想像する方法と関係があるもので、垂直思考のスキルを注視しがちな大人にとってはなかなか分かりにくいものと言えるでしょう。

第3問はこの点をよく表しています。正解を見ると、後から考えれば当たり前のように思えるので、ポカンとしてしまうかもしれません。しかし、その答えを導き出すには、少し想像力を働かせて、(表面上は不条理な)「ドアを開けるとどんな死に方をするのか」という問いに本当の意味で身を乗り出すことが必要です。しかし、その不条理な問いを自分に投げかけることで、今まで見過ごしていたようなさまざまな想像の可能性が生まれてくるのです。

水平思考スキルを発揮するために、チームが取るべきステップ 

水平思考とは何かを説明したところで、それがあなたのチームでどのように役に立つのかが明らかになってきたのではないでしょうか。しかし、水平思考のスキルを日常的に使うようになるのは難しいことです。多くの社会、特に職場環境は、垂直思考を原則としています。

とは言え、チーム内で水平思考のコンセプトを導入し始める方法はいくつかあります。自分が持っている、あるいは当たり前だと思っている観念について話し合うことで、自分の思考の輪郭を発見し、それを超えて拡張し始めることができるのです。ここからは、そのための方法をいくつか紹介しましょう。 

1. 自分の思い込みや前提を理解する

会議で何かを議論するときやブレインストーミングで新しい選択肢を考えるとき、あるいは新しいアイデアを検討するとき、しっかりと一歩下がって、自分が使っている前提に気づくように意識しましょう。通常、仮定は「すべき」または「必要」というステートメントとして現れるため、それを意識すれば見つけ出すことができます。「このモデルを使うべきだ」「◯◯を解決するためのアイデアを出す必要がある」「△△に焦点を当てる必要がある」など。

なぜそのようなことをする必要があるのか、しなければならないのかを自問自答してください。そうすることで、自分のチームやプロジェクトに対して抱いている思い込みを明らかにすることができます。少なくとも、どの問題に焦点を当てるべきかを明確にすることができるはずです。さらに、このプロセスによって、新しいアイデアや繋がりを思いつくこともできるかもしれません。

2. 自分の条件を問う

自身の思考の境界を探るもう一つの方法は、問題にどのような条件を課しているかを見ることです。このような条件は、通常「もし…ならば」という文言で囲まれているため、見つけ出すことができるでしょう。「一定数のフォロワーを獲得すれば、より多くの製品を売ることができる」「◯◯にもっと時間とリソースを割り当てれば、△△を達成することができる」など。 

これらの条件を検証することによって、2つの事柄が実は関連していないことを発見したり、条件をリフレーミングすることによって、問題を別の方法で解決したり、条件を取り除くか、新しい条件を考え出したりすることができる場合があります。条件は問題の全体像や解決策を見渡す能力に目隠しをし、私たちの創造的思考を妨げてしまうことがあるのです。

3. 想像力に身を任せる 

「想像力を働かせなさい」と書いていないことがポイントです。私たちは皆、毎日、いつも想像力を働かせています。問題はそれを実行に移さないことです。アイデアを得ても、すぐに(自分の思い込みや条件に基づいて)悪いものやうまくいかないものだと考えてしまいます。

だから、想像力に身を任せ、どんなに不条理なアイデアでも、価値あるものとして扱おうということです。アイデアが浮かんだら、それを否定するのではなく、少し考え抜いてみましょう。頭の中で転がし、アウトラインを描いたり、信頼できる同僚や友人とブレインストーミングをしたりしてみましょう。「もし…だったらどうなるだろう?」と、自分のアイデアで遊んでみて、それがどこに行くかを見てみるのです。 

4. 自分の限界に挑戦する      

自分の限界を超えることを意識して、普段から練習しておきましょう。会議で最初に出た良いアイデアをそのまま採用するのではなく、もう少し時間をかけて考えてみてください。快適で安全な選択肢を選ぶのではなく、少し周りを見渡して、よりリスクの高い選択肢を選んだらどうなるかをブレインストーミングしてみましょう。

これは何よりも意志の強さの問題と言えるかもしれません。異なる、あるいは不快なアイデアに取り組むには、少し勇気が必要なものです。しかし、きっとその価値はあります。なぜなら、水平思考のスキルが鍛えられ、普段の思考モードからよりクリエイティブな精神空間へと抜け出すことができるようになるからです。

チームの水平思考スキルを向上させるためのアクティビティ

1) 名詞と動詞

これはもともと創作アクティビティのためのエクササイズでしたが、水平思考にも非常によく合います。まず、参加者に一枚の紙を半分に折ってもらい、用紙の左側には、10個の名詞を書き出します。任意のもので構いません。次に、職業を思い浮かべ、それに伴う動詞をシートの右側の裏に10個書き出してください(例:料理人:炒める、切る、焼く、ミンチする、など)。

では、それぞれの名詞と動詞を組み合わせて、文章を作ってみましょう。名詞と動詞は直接関係しないので、これは概念的に少し難しいはずです。参加者が完了したら、グループまたはペアでその文章を共有してもらいます(時間がない場合は、お気に入りの文章のみを共有してもらうだけでも構いません)。このアクティビティにより、チームメンバーはさまざまな方法で考え、一見無関係に見えるもの同士を関連付けることができるようになります。

2)バッドアイディア・ブレインストーム

バッドアイデア・ブレインストーミングは、チームメンバーに想像力を働かせて「良くないアイディア」を考えさせることで、水平思考スキルを使わせるものです。内容はとてもシンプル。次のブレインストームセッションでは、最高のアイデアを求める代わりに、チームメンバーに想像できる最悪のアイデアを出してもらいます(ブレインストームのネタがない場合は、チームに関連する架空の状況を考え出し、その架空の問題についての最悪のアイデアを出してもらいましょう)。

このアクティビティは面白く、チームに仲間意識を持たせるのに適しているだけでなく、チームメンバーに既成概念にとらわれない考えを身につけさせることができます。もしかしたら、上手くいく最高のアイデアが生まれるかもしれませんよ。

3)パズルを使ったチームビルディングアクティビティ 

パズルは水平思考に優れていることで知られています。チームビルディングのアクティビティと組み合わせることで、パズルはチーム全体の思考力を強化し、新しいアイデアを実現するためのチームワーク力を養うことができます。

インバイトジャパンでは、屋内プログラムや屋外での街歩き謎解き、オンラインゲームなど、パズルを使ったチームビルディングのアクティビティを各種取り揃えており、いずれもチームで成功するために、さまざまな方法で考え、異なる視点を組み合わせることに挑戦してもらいます。このようなアクティビティを定期的に行うことで、後の思考力を強化し、結果的にチームをよりクリエイティブにすることができます。

問題の回答

答え1:赤ちゃんは一階の窓から落ちたから。

答え2:6匹のトラのいる部屋。6ヶ月間食べていなかったら、虎は既に死んでいるから。

答え3:その男性は飛行機に乗っていた。飛行中に客室のドアを開け、落下して死亡した。  

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