チームビルディングのアクティビティやイベントを中心に扱う企業として、私たちはチーム開発やトレーニングの世界で起こっていることの最新情報を常に把握しておくことを大切にしています。それは何よりもお客様に、私たちが持っている最高かつ最も革新的な情報を提供したいと思うからです。
このブログを読んでくださっている方なら、最近、「ハイブリッドチーム」とそれがチーム開発にどのような影響を及ぼすかについて、たくさんお話ししていることをご存知でしょう。また、数え切れないほどの課題や変化に直面している現在のチームにとって、いかに「信頼」が重要であり、中心的な要素であるかということもお話ししてきました。
ですから、Ed Zitron氏による「ハイブリッドチームにおいての若者へのメンタリング(指導)」についての記事(https://www.theatlantic.com/ideas/archive/2022/01/good-management-mentorship-remote-world/621219/)(英語)をAtlantic誌で見つけた時には少し驚き、そしてとても興奮しました。この記事は、私たちがこのブログで考え、記してきたことの多くをとても簡潔に結びつけているように思えたからです。
このZitron氏の記事は、職場の文化、リーダーシップ、積極的なサポートの必要性について、非常に多くの良い点を提示しています。そこで今回はこの中から、チームビルディングに関連して提起されているいくつかの点をご紹介したいと思いますので、是非参考にしてみてください。(Zitron氏は記事の中でチームビルディングについては特に言及していませんが、結論の多くは簡単に適用することが可能な内容です。)
そして最後に、なぜハイブリッドチームがより良い仕事とチーム開発の環境を作るチャンスを提供することになるのかについての私の考えを述べ、楽観的な言葉で締めくくりたいと思います。
すべてのチーム(特にリモートチーム)において、メンタリングやトレーニングの機会が不足している
Zitronの主張の核心は、「多くの労働者が十分なトレーニングや指導の機会を得られていない」ということです。彼は労働統計局の2018年の統計を引用し、100人未満の企業が従業員に与えたトレーニングはわずか12分であることを明らかにしました。2018年ということは、これはパンデミック以前の数字です。
さらにリモートワークへのシフト以降、メンタリングやトレーニングの不足は、間違いなく悪化の一途を辿っています。実際、このブログでもトレーニングやメンターシップについては、特にレジリエンスやハイブリッドワークへの移行に関する記事で触れてきました。
誰もが職場で成長し、批判的なフィードバックや指導を受ける機会を必要としています。これはチームメンバーが「自分は評価されている」と感じ、チームために自分自身にできるより多くの努力を提供し続ける動機付けの一部となるものです。また、そういった機会の積み重ねによってチームメンバーと上司の間に信頼関係が生まれ、職場への定着率の向上にも繋がります。
しかしオンライン業務では、社員を指導し、育成する場を設ける機会が以前よりさらに少なくなっています。これは特に若手や新入社員にとって深刻な問題でしょう。若手社員はZoomなどのミーティングだけでは把握しづらいチームの文化を「知らない」ままでいるのです。
チームビルディングと信頼関係のための「実空間」の必要性
チームビルディングも、リモートワークへの移行に伴い難しいものになってきました。「今までとは違う」それが事実なのです。しかし、全員を集めるのが難しいから、オンラインでは人との距離を縮めるのが難しいからといって、チームを諦める必要はないでしょう。
Zitron氏は、開発・訓練の機会を積極的に増やすことについて、以下のように鮮やかに訴えています。
「人と人との繋がりは、物理的に同じ空間にいるだけでは生まれないし、たまたま同じ会社から給料を貰っているからといって保証されるものでもありません。メンターシップやトレーニングは受動的に行われるものではなく、意図的に、思慮深く、一貫して行われるべきものであり、才能を育み、保持することを目的としたものです。しかし、非常に多くの人々が「人と人との繋がり」は実際の業務と関係なく、サポートがなくても「自然に」発生するものとして軽視しています。これは私がマネジメントについて書いている中で、大きな不満を感じている点です。上司はただ指示をするだけでなく、その人が成長できるように仕事をするべきなのです。」
これはチームビルディングについても全く同じことが言えます。チームビルディングは、時間と意図と配慮によって実現するものであり、単に人を部屋に閉じ込めたり、オンライン会議に参加させるだけでは達成できません。積極的でなければならないものなのです。
加えてZitron氏は、チームをまとめるためには「成功の実空間」が必要だと訴えています。私もチームビルディングやハイブリッドチームを取り巻く多くの問題の核心であると考えられる「信頼の実空間」を持つことがより良い結果に繋がると思います。
つまりメンバー同士、上司部下、チーム全体など、チーム内に存在する信頼関係を目で見て感じる機会を増やす必要があるということです。たとえオンラインであっても、チームの他のメンバーが自分の背中を押してくれることを知っていれば、生産性を上げるだけでなく、リモートでも生き生きと仕事ができるようになるはずです。
チームビルディングとは、チーム開発全般と同様に、この「信頼の空間」の一つです。つまりチームメンバーが大失敗を恐れず、信頼とサポートに触れて体験することができる環境のことを指します。
ハイブリッドと、変革の機会
では、ハイブリッドチームにおける「信頼の空間」とはどのようなものでしょう?それが今後の中心的な問いです。私たちインバイトジャパンも、チームビルディングのためのアクティビティやクライアントとのディスカッションの中で、この課題を積極的に探っています。
この問いは、試行錯誤と新しい習慣に関する実験を通して解決していかなければなりません。Zitron氏はツールや方法論に重点を置いており、Harvard Business Reviewのリモートチームに関する次の記事も同様です。(https://hbr.org/2021/12/remote-work-should-be-mostly-asynchronous)(英語)
このブログでも重ねてお伝えしてきたように、いつまでも同じツールや習慣に頼っていてはダメだという主張は正にその通りであり、ハイブリッドやリモートワークのスタイルに適合する新しい方法を見つけなければなりません。場合によっては、チームにとってもはや効果的ではなくなった古い方法を排除することもあるでしょう。
オフィス勤務で習慣として行っていた方法があったとしても、オンラインでもまったく同じ方法を再現する必要はないのです。(オフィスでの会議を模倣したオンライン会議がその一例。)
また、この概念をさらに広げて、チームや職場文化全体について話すこともできます。ハイブリッドチームは、チームの運営方法や機能を根本的に変革する強力な機会を提供するものです。そしてハイブリッド化は、チームの構造、パワー、ダイナミクスに潜在的な変化(これを利用して真に優れたものを生み出すためには、考慮が求められるもの)をもたらします。
しかしそのためにはまず、チームで上手くいったことや上手くいかなかったこと、自分たちが作り上げた「信頼の空間」や逆に無視したものなどを、内側から批判的に見直す必要があります。「信頼」はチームがギャップを埋め、この「すばらしいハイブリッドの新世界」に大胆に踏み出すための重要な繋ぎ目なのです。
最後に
私たちはこのブログで、今後数週間から数ヶ月に渡って、より効果的にハイブリッドに適応する方法や、より効果的なチーム開発をもたらすためにはどんなツールを使うべきか、チーム文化をよりハイブリッドに適応させる方法などといったトピックをさらに掘り下げていく予定ですのでお楽しみに。
現在のところは、こういったアイデアをチームで考え、解決策を探るための方法として、定期的なチームビルディングアクティビティの導入をお勧めします。チームビルディングは、チーム内の信頼関係を強固にするだけでなく、クリエイティブで大胆なアイデアを生み出すきっかけを作ることを助けます。そして「大胆な発想」は、この先社会がどのようになろうとも、必ず必要になるものです。