内定者研修プログラムを実施すべき理由と有効な計画手順:春から即戦力となるチームを作るために

目次

2022年もあっという間に1か月が過ぎようとしています。まだまだ一番寒い時期はこれからですが、そろそろ「今年の目標」や「1年の土台作り」から離れて、現実的かつ短期的な課題に目を向ける時期に入ったのではないでしょうか。

これから訪れる大きなイベントといえば、新年度に合わせて始まる新体制の構築が挙げられるでしょう。早いところでは新入社員の3月入社という企業もあるようで、既に準備を始めているという企業も多いことと思います。インバイトジャパンでも、昨年10月頃から内定者研修のためのイベントのご依頼が増えはじめました。

そこで今回は、入社を迎える内定者や、彼らの教育担当に降りかかる困難や課題を軽減するために、「内定者研修」がなぜ重要であるか、そしてどのように研修内容を選択すべきかをお話しします。是非参考にしてみてください。

内定者研修のメリット

1. 内定辞退、早期離職が防止できる

リクルートキャリアの就職みらい研究所が発表したデータによると、2022年卒の就職内定辞退率が2021年12月1日時点で62.4%を超えているとのことです。この数字は、例年の同時期に比べて特に多いという訳ではありませんが、時間とあらゆるコストを掛けて採用活動を行う企業からすると、決して軽視できる数字ではないでしょう。(https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2021/12/naitei_22s-20211214.pdf)

入社までのカウントダウンが始まったこの時期からの内定辞退は、12月までに比べれば少なくはなりますが、それでも入社直前(あるいは入社後)まで気が抜けない状況が続くことには変わりありません。

入社直前期の内定辞退の主な理由としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 内定者研修が辛かった
  • 勤務地や配属部署に不満があった
  • 入社を目前にして不安が大きくなった
  • 留年が確定した
  • 親に反対された
  • 体調不良

さらに平成23年以降は、大卒新卒者の早期離職率(入社3年以内の離職)が約32%と高いままであり、長く会社に貢献してくれる人材の確保・育成は企業にとって大きな課題となっています。

早期退職者の主な離職理由は以下のようなものが挙げられます。

  • 労働時間、休日、休暇の条件が合わなかった
  • 給与に不満があった
  • キャリアアップがしたかった
  • 肉体的、精神的に健康を損ねた
  • 人間関係に不安、不満があった(ハラスメントを含む)
  • 自分がやりたい仕事とは異なる内容だった
  • 仕事が上手くいかず、自信を失った
  • 自分の能力や技術が活かせなかった

内定辞退と早期離職の双方において、当然中にはやむを得ない理由や、企業側ではどうすることもできないものもありますが、看過できないのは、企業と社員(内定者)のすり合わせやフォロー不足が原因と思われる回答が多く含まれることです。つまり「入社前のイメージとのギャップ」「コミュニケーション不足・フォロー不足」を解決することこそが、企業が人材を確保するうえで重要なテーマであり、その解決の糸口となるのが、内定者研修なのです(理由は後述)。

2.即戦力が育成できる

「良い人材の採用が難しい」という声が多く聞かれる昨今、企業が力を入れるべきは「採用した人材の育成」です。企業が求める「戦力」は、経験を重ねることで初めて身に着くスキルを指すことが多いものであり、都合の良い「即戦力」の新卒が手に入ることはごく稀でしょう。さらにその「力」をつける前に離職してしまう社員が少なくないのが現実です。だからこそ内定者研修は、今後経験を積んで戦力になってもらうための土台作りとして大切なのです。

また、社会人としての土台がある程度培われた状態で入社を迎えることによって、新入社員は自信を身に付けた状態で勤務をスタートすることができ、受け入れるチームの負担も大幅に軽減されます。しかし過度な期待によって、入社後に「こんなにやってきたのに…」となっては本末転倒です。あくまで「即戦力となるための土台作り」がメインであることを双方で明確にしておくことが重要なのです。

内定者研修の目的

1. 不安の解消

内定者は内定後も「会社・組織に上手く馴染めるか」「本当にこの会社に決めて良かったのか」「実は会社や業務内容についてよく理解できていないが大丈夫か」など、あらゆる不安を抱えています。新卒であればなおさら、社会人としてのイメージも固まっておらず、より漠然とした不安があるものです。そこで内定者研修を行って企業と内定者の相互理解を深めることで、これらの多くの不安を解消することができます。

企業が求めることと、そのために用意しているステップを明示することで、内定者は入社後のイメージを持ちやすくなり、企業は内定者の特徴などを把握することで入社後の育成プランを立てることが容易になります。そしてこの段階でお互いのイメージや希望をすり合わせることができれば、入社直前の内定辞退や早期離職のリスクを大幅に下げることにも繋がるのです。

2. 入社へのモチベーションを上げる

内定者研修を(可能であれば複数回)実施することによって、同期との連帯感やチームワーク、そして企業の一員としての自覚が芽生えます。「これからはこのメンバーと一緒に成長していくんだ」という意識が育つことによって、社会人としての希望や目標を持つことができるようになり、入社に向けたモチベーションが大きく向上するのです。

また、このブログでも繰り返しお伝えしているように、「気にかけてもらえる」「評価してくれる」という実感は信頼に繋がるため、精神的な安定や生産性の向上に大きく関わります。終身雇用の概念を持たず、あらゆる企業の情報を比較検討することができる世代にとっては、このような早い段階で企業や組織への高いモチベーションや信頼感、帰属意識を醸成することで、長期雇用にも繋がるのです。

こういったこの助走が付けられれば、新入社員は入社直後からチームのメンバーとしての自覚と強いメンタルを持って、いち早く活躍することができるでしょう。

3. 社会人スキル、知識の習得

「即戦力となるための土台作り」として大きく関わるのはこの項目でしょう。ビジネスマナーやOAスキルなどは、重要にもかかわらず、入社後の勤務時間内にタイミングを設けて手取り足取り教えてくれるという企業はそこまで多くないもの。そこで活用すべきなのが、内定者研修のタイミングです。

ある程度研修や課題をこなすうちに、内定者は自信に繋がる社会人としての心構えや意識を持つことができるようになります。そして今後求められるであろうスキルがイメージしやすくなれば、能動的に学ぶ機会を増やす意欲も湧くでしょう。

研修内容の決め方

ここからは、上記のことを踏まえて、具体的にどのように内定者研修を組み立てるべきかをご説明します。

1. 目的設定

研修は複数回行うことも可能ですが、その度に明確な目的を設定しましょう。この目的は内定者自身や入社後に受け入れるチーム双方の要望をしっかりと調査してから決定することで、より実りある研修にすることができます。

不安を解消したいのか、お互いの特徴や要望をヒアリングしたいのか、同期の繋がりやチームワークを向上させたいのか、実践的なビジネススキルを身に付けたいのかなど、目的に応じてどのような研修内容が最適かが変わります。

また目的が明確であれば、ゲーム要素が強いアクティビティを選択したとしても、楽しめれば良いのか、その後の振り返りワークがメインなのかといった方向性も決めやすくなります。

2. 開催方法の選択(対面型、オンライン、ハイブリッドなど)

対面式であれば、より親密な関係性を築いたり、より実感を伴う実践的な研修を実施することが可能です。対するオンラインは、社会情勢の変化に関わらず、全国の内定者を簡単かつコストを抑えて集めることが可能であることが最大のメリットでしょう。

「やっぱりオンラインでは実感が湧かない」という人もいれば、これからの世代は、オンラインネイティブであるために「オフラインに抵抗がある」という人も出てくることが考えられます。マンネリ化することなく複数回の研修を実施するには、これらを組み合わせたり、ハイブリッドで実施するという選択肢も視野に入れる必要性が出てくるかもしれません。目的とすり合わせて、適切な開催方法を選びましょう。

3.スケジュールとボリュームの確認

前述の通り、これからの時期は入社への意思が強くなる人が多くなるため、よりコンスタントに研修や課題提供を行いたいところかと思います。しかし卒業を間近に控えた学生は、アルバイトや卒業論文、卒業旅行などで忙しくなるものです。ここで過度な負荷を掛けて卒業に支障が出たり、企業への不信感を抱かれるようでは意味がありません。入社への意識を上げる内容でありつつ、学生の負担にならない程度のボリュームとスケジュールの研修を組み立てましょう。

おすすめの研修

ではより具体的にどのような内容の研修が考えられるかを、それぞれの特徴と合わせてご紹介します。(以前はよく耳にしていた、あまりに長時間の座学、体調を考慮しないスポ根イベント、怒られながらの大声での唱和、終わるまで帰れない丸暗記テストなどは、目的が相当明確でない限りおすすめはできません。成長の実感よりも「苦痛を強いられている」という感覚が強くなっては、入社前から企業への不信感が募りかねませんのでご注意ください。)

1. ビジネス基礎研修

外部講師を招いて、実践的なビジネスマナーやOAスキルなど、社会人の基礎を学びます。基礎知識を身に着けることによって、学生との違いを意識し、社会人になるということを実感させることができます。これに関しては、各エリアや都市ごとにスクールを指定して、内定者の任意のタイミングで受講してもらうという実施方法が可能な場合もありますので、目的に合わせてよく調査してみましょう。

2. 質問会・座談会

先輩社員と交流する場を設けて、内定者と企業の双方が持つ不安や疑問を解消し、イメージのすり合わせを行う会です。OJT担当などが同席すれば、内定者の特徴を掴んで入社後の育成計画も立てやすくなります。事前に先輩社員のプロフィールなどを作成しておくことで、内定者からの質問が出やすくなるような工夫をしましょう。可能な限りタブーをなくし、安心できる環境の中で率直な意見を交換しあうことで、信頼感も高まります。

3. プレゼンワーク

チームに分かれて、内定企業の商品のPR動画やプレゼン資料を作成、発表するワークです。テーマはよりカジュアルなものでも構いませんが、実際の業務により近い作業をすることで、社員としての視点を体感でき、入社後のイメージが湧きやすくなります。また、企業や製品への理解を深めるチャンスにもなるでしょう。そしてチームで取り組むことによって、ロジカルな思考と伝達能力を培いながら、同期との親睦を深めることも可能です。

4. オンラインゲーム「Tabitantei」「シークレットエージェント」

インバイトジャパンが提供するオンラインゲームシリーズは、自宅に居ながら内定者同士のコミュニケーションを活性化することができる謎解きアクティビティです。楽しみながら、チームにおいて自身の能力を発揮する体験をすることができます。先輩社員が参加する場合は、アイスブレイクとして利用できるうえに、内定者の特徴や長所を見つけ出す機会として活用することも可能です。

今後も続くであろうリモートワークを見越して、オンラインでも積極的に自己表現する方法や、協力し合う方法を「面白い!」「楽しい!」という経験を通じて学ぶ機会として非常に人気があります。

5. 派遣型アクティビティ「 スーツケース・ミステリー」

同じくインバイトジャパンが提供する「スーツケース・ミステリー」シリーズは、スーツケースに詰め込まれた数々のパズルゲームをチームで協力しながら解き明かしていくアクティビティです。対面式で実際に交流をしながらチームワークやコミュニケーション力を学ぶほか、協力してPDCAを回す体験をすることができます。また、企業のオフィスを親近感の湧く楽しい空間と認識してもらうことができるため、帰属意識も高まります。

suitcase msytery 2

さらに、楽しみながら論理的思考やコミュニケーションの複雑性を学ぶなど、より実践的な気づきを得られるワークを追加した、3時間のチームビルディングワークショップも好評です。

最後に

内定者が自信と希望を持って社会人としてのスタートを切るために、内定者研修は非常に有効な手段です。 そして内定者研修は内定者に向けた企業のプレゼンの場でもあると同時に、イメージのすり合わせの場でもあります。メリットとデメリットを正直に伝え、そのうえで不安を解消するためのステップを提示し、信頼感と高いモチベーションを保った状態で入社を迎えられるような体制を十分に整えておくことが大切です。

インバイトジャパンでは、心理的安全性の高い環境で実践にも役立つ気づきが得られるアクティビティを多数ご用意しています。詳細についてはお気軽にお問合せください。