私たちは今、大きな変化の時代に生きています。テクノロジーの発達は急速に進み、仕事や社会生活から家庭での私生活まで、生活のあらゆる分野に影響を与えています。また、リモートワークの普及により、私たちの仕事のあり方も変化してきました。さらに、気候変動を背景にしたより大きな変化も、私たちのコミュニティや将来に影響を及ぼしています。
このような変化の中では、創造的に考え、新しい方法を想像することがますます必要になってきています。特に企業やチームにおいては、変化する状況に適応していくために、創造的な思考が不可欠です。このように、創造性はチームと個人の両方の成功の大きな要因となっています。
インバイトジャパンでは、チームビルディングのアクティビティがパズルを中心としたものであることを常にアピールしてきました。パズルがいかに人々を結びつけ、人間関係を強化し、異なる言語や文化を超えたコミュニケーションを築く助けになるかということは、今までも繰り返しお話ししてきた通りです。そしてそれらに加えて、パズルは「創造性向上させる(創造的な思考を引き出す)」のにも適しているという面があります。
そこで今回のブログでは、パズルを使ってチームに創造的な発想を促す方法をご紹介します。創造性とは、単に新しいアイデアを考えることだけではなく、自分の考え方全般を意識することであるというのが主なポイントです。そのため意外なものや、意思決定や思考法の習得など、創造性とはすぐには結びつかない分野にも触れていますので、是非お楽しみください。
1.物事の違った見方を学ぶ
パズルの本質は、細部に気付き、関連付けることにあります。まず、何があるのか、何がないのか、何が似ているのか、何が変なのかなどを見つけるために、観察力を働かせなければなりません。「The devil is in the details(悪魔は細部に宿る、細部が肝心、思わぬところに落とし穴)」とも言いますからね。その段階が終わったら、一歩下がって全体像を見ることが次のステップです。あるディテールが、別のディテールとどのように繋がっているのかを考えていきます。
パズルを解くことによって、脳は重要なものを見つけたり、重要でないものを無視したりして、細部に集中する方法を学ぶことができます。パズルでは、特定の形や記号、色やデザインが重要になり得ますが、脳は全体像を見ないとそれぞれの繋がりや関係性を認識できません。しばらくすると、ようやく至る所にある興味深いディテールやそれぞれの関係に気付くことができるようになり、普通のものを別の角度から見ることができるようになります。
このプロセスこそが、世界を違った角度から見て、創造的な思考をするための鍵となるのです。創造的な考え方をするためには、世界や問題を詳細にも大局的にも見なければなりません。そして、いつもとは少し違った視点で物事を捉える方法を学ぶ必要があるのです。
2.創造性を引き出すための息抜きの方法を学ぶ
多くの研究によると、パズルはアーティストやその他のクリエイティブな人たちが閉塞感を感じている時の打開策として最適だと言われています。それは、一つのことに意識を集中させることで、残りの意識の、特に創造的な部分が解放されるからです。つまり、パズルで気を紛らわせることによって、より明確に考えることができるようになるということです。
これは、最初は直観的ではないように思われるかもしれません。パズルに集中することで、どうして脳が解放されるのか、ピンと来ないという方もいることでしょう。しかしよく考えてみると、これは理にかなっていることがお分かりいただけると思います。例えば新しいアイデアやクリエイティブなプロジェクトを考える時、何かしらの問題によって行き詰まるのはよくあることです。するとやり切れないというストレスや不安が生じ、さらにストレスや不安が大きくなってしまいます。そんな時、その問題から離れて別のことに集中するのが有効な場合もあるのです。別のことに集中している間、ストレスを感じて行き詰っていたアイデアは、ストレスに邪魔されることなく、脳の中でスルスルと自由に動き回り、成長するチャンスが生まれる、「潜伏期間」と呼ばれる状態になります。
散歩をしたり、本を読んだりと、いろいろな方法がありますが、その中でもパズルは「無心の状態」を作り出すことができるのが特徴です。パズルを解くにはある程度の集中力と認知力が必要ですが、それを強制しないというのもパズルの利点でしょう。さらに、パズルやパズルゲームの反復的で継続的という性質によって、プレイヤーはより没頭することができ、瞑想に似たある種の「無心の状態」になり、多くのアイデアが自ずと発展していくのです。
また、時にはチーム自体が創造性の妨げになるということも忘れてはなりません。そんな時にも、パズルゲームやアクティビティは、普段の創造的な仕事に関係がない部分の認知能力を使いながら、チームが一息つくのにも有用な方法になります。つまりパズルゲームは、チームが今まで行き詰まっていた難問を打開するために必要なアクティビティになり得るのです。少なくとも、ツイッターをスクロールするよりは、遥かにチームのためになるでしょう。
3.自分の考え方を知る
創造的思考力を発揮するプロセスの一部として、自分がどのように考え、問題を解決しているかを意識することがあります。「メタ認知」と呼ばれるものです。自分がどのように物事を考えているかを知ることで、新しい考え方、つまり新しいアイデアに心を開くことができるようになります。
パズルは問題解決能力に課題を与えることで、メタ認知的な思考をもたらします。試行錯誤することによって、脳は常に新しい解き方を考える必要に迫られ、結果さまざまな考え方ができるようになるのです。失敗してもその失敗から学ぶことで、実際に新しい問題に出会った時に、どのように考え始めればよいかを知ることができます。
また、パズルは分析的な面と創造的な面の両方の脳に働きかけるという点でもユニークです。パズルには分析力、観察力、空間的推理力など、複数のスキルを要求する仕組みが含まれていることが多いので、自分の考え方や、どの分野を伸ばせば良いかを知るきっかけにもなるでしょう。
4.意思決定の方法を学ぶ
創造性とは、多くの決断を伴うものです。新しいものを生み出したり、新しいアイデアを形にするためには、自分自身と自分の能力に自信を持たなければなりません。この決断のプロセスには、多くの恐れや、それを実行する方法についての不安がつきまといます。
そんな場合でも、パズルはより早く、より自信を持って決断するための方法を教えてくれます。パズルを解いている時、特に時間制限がある時は、短い時間で多くの決断をしなければなりません。それを繰り返すことによって、自分の直感を信じることができるようになり、自分の判断力に自信が持てるようになるのです。失敗して、成功して、成長する度に、自分のことが良く分かるようになり、どんどん自信がついていきます。
さらに、パズルはこのような大きなメリットがありながら「低リスク」であるため、クリエイティブな大きな決断をする時のようなストレスや不安がありません。そのため、安全な環境でリラックスして、失敗と成功の感覚を試してみることができます。この作業を繰り返して感覚を掴むことによって、実際にクリエイティブな決断をする作業に戻った時には、失敗しても再挑戦したり、すぐに新しい方法に切り替えたりする自信が持てるようになるでしょう。
5.意見を共有し、新しいアイデアを生み出す方法を学ぶ
多くの場合、チームにおいて「創造」は共有のプロセスとなります。そのためには、多くの議論やブレーンストーミングを行い、異なるビジョンを伝え、適応させていく必要があります。チームが創造性を発揮するためには、アイデアを共有し、一緒に新しいアイデアを生み出す姿勢が重要なのです。
チームでパズルを解くことは、チームメンバーが一緒に考え、よりオープンになることで、このような創造性の共有を促進します。問題を解決するためにはオープンに話し合う必要があり、それができなければ成功はしません。また、パズルを解くことで、チームは異なるスキルセットを組み合わせて使う方法を学ぶことができます。ある人は物を探すのが得意で、別の人は論理的思考が得意かもしれません。チーム全体が前進するためには、両方のスキルを十分に活用する必要がありますので、この重要性はお分かりいただけることでしょう。
また、このような共有は、単にアイデアを組み合わせるだけでなく、新しいアイデアを生み出すことにも繋がります。パズルを解きながらアイデアを共有する習慣をつけると、新しいアイデアが生まれてきます。あるメンバーが声を上げれば、それを元に別のメンバーがアイデアを出し、そのアイデアを元に別のメンバーがアイデアを出す……。このようにして自然にブレインストーミングを行い、お互いのアイデアを基に発展的かつ生産的な方法をチームで実践することができるのです。
6.好奇心の育て方を学ぶ
最後に、最も重要なことをお話ししましょう。創造的な思考をするために最も重要な要素のひとつは、世界に対する「好奇心」と「驚きの感覚」を持つことです。世の中にはインスピレーションやユニークさが溢れていますが、それに気付き始めるためには、行動や思考にある種の変化と、「気付きたい」という思いが不可欠です。
好奇心とは、新しいものを発見したり、未知の世界に乗り出す意欲を意味します。私たちは無意識のうちに、自分が知っていることや知らないことに対しては、安全な場所で安心していたいと思っているため、これは案外難しいことかもしれません。また、何かの新しい側面を見たり、複雑さを楽むことに挑戦することは、思い切った決断が必要なように感じる人もいることでしょう。
確かにクリエイティブな発想をすることは、未知の世界に飛び込むことに似ています。しかし、創造的なプロセスを理解し、それを楽しめるようになるということは、例え最初は困難であっても、新しい経験やアイデアを自分の人生に受け入れることができるようになるということなのです。
それと同じように、パズルは不思議なものを探求したり、難しい問題を考えたり、自分が思ってもみなかった能力やスキルを自分の中で発見したりすることを促してくれます。このような好奇心を刺激することで、パズルはあなたとあなたのチームに大きな力を与えてくれるのです。
インバイトジャパンのチームビルディング・アクティビティは、チームの創造性を刺激し、より強い人間関係を築くお手伝いをします。オンラインイベント、対面式プログラム、屋外アクティビティなど、お客様のニーズに合わせて様々なプログラムをご用意していますので、詳細についてはお気軽にお問い合わせください。