マーダーミステリーとは?遊び方・人狼との違い・企業活用を解説

マーダーミステリー形式のチームビルディング研修

マーダーミステリーとは、参加者が物語上のキャラクターになりきり、自分の正体や役割を隠しながら進行する、ロールプレイ型の推理ゲームである。参加者の中に紛れ込んだ犯人役を、会話と手がかりから推理していく。

参加者にはあらかじめ設定された役柄と、他の参加者には見せない個別の情報が配布され、対話を重ねながら事件の全体像を組み立てていく。犯人役は正体を悟られないよう受け答えを工夫し、それ以外の参加者も各自に与えられた個別の目的の達成を目指す。

進行はGM(ゲームマスター、進行役を務める人)が担う場合が多く、参加者にはキャラクターシート(担当する人物の背景や当日の行動、ミッションが記載された資料)が配布される。ルールは作品ごとに固有で、共通ルールのもとで毎回展開が変わる人狼ゲームとは異なり、マーダーミステリーは一つひとつのシナリオが独立した物語を持つ。この違いから、体験型エンターテインメントという大きな括りの中でも、より物語性の強いジャンルに位置づけられる。

人事・総務担当者がこの言葉を正確に理解しておく実務的な理由は、社内イベントや研修の候補としてマーダーミステリーを他の選択肢と比較検討する場面で判断材料になるからである。マーダーミステリーは参加人数や所要時間がシナリオごとにあらかじめ固定されており、会場も会議室のような屋内から貸切のイベントスペースまで幅がある。参加人数・所要時間・会場という3つの条件を押さえておくと、自社の目的に合うかどうかを具体的に判断しやすくなる。

マーダーミステリーとは?

マーダーミステリーで議論する参加者
参加者全員が物語の登場人物となり、推理と駆け引きを楽しむゲーム。

マーダーミステリーとは、参加者が物語の登場人物になりきり、正体を隠した犯人役を推理で見つけ出しながら、各自に与えられたミッションの達成も目指す、会話中心のロールプレイ型推理ゲームである。

日本国内では「マダミス」という略称でも広く呼ばれ、マーダーミステリーという名称を短縮した俗称として定着している。

推理小説や謎解きゲームとの大きな違いは、読者や解答者としてではなく、当事者として物語の中に加わる点にある。参加者は自分の視点からしか事件を把握できず、他の参加者との対話を通じて初めて全体像が見えてくる。進行はGMが担う場合が多く、犯人役は自分の正体を悟られないよう、時には事実と異なる説明をして追及をかわす。

犯人以外の参加者にもそれぞれミッションが設定されており、犯人捜しだけでなく、自分の目的をどう達成するかという駆け引きも同時に進行する。真相を知ってしまうと同じシナリオを二度体験することはできないため、シナリオの選定は一度きりの体験として扱う前提で行う必要がある。

マーダーミステリーを構成する3つの要素

マーダーミステリーの面白さは、正体隠匿・推理・ロールプレイという3つの要素が組み合わさっている点にある。

  • 正体隠匿:誰が犯人かをその場にいる全員が知らない状態で進行するため、会話の端々に緊張感が生まれる。
  • 推理:参加者同士の発言や配布された手がかりを照らし合わせ、矛盾点を見つけながら真相に近づいていく過程そのものを指す。
  • ロールプレイ:配布されたキャラクターシートに基づき、自分とは異なる人物として発言し、行動する。

マーダーミステリーと人狼ゲームの違い

両者とも正体を隠して推理する点は共通するが、マーダーミステリーは個別のシナリオと物語性を持つ点で人狼ゲームと異なる。

人狼ゲームは共通のルールのもとで進行し、誰が人狼役になるかによって毎回展開が変わる。一方でマーダーミステリーは、シナリオという作品ごとに登場人物・事件の内容・エンディングがあらかじめ用意されており、同じ作品であれば基本的な物語の骨格は変わらない。この違いから、人狼はルールを覚えれば繰り返し遊べるのに対し、マーダーミステリーは1つのシナリオを複数回遊ぶことを前提としていない。

参加人数とプレイ時間の目安

多くの作品は4〜8名程度、2〜4時間前後で設計されており、企業利用でも部署単位のグループに適した規模になりやすい。

参加人数と所要時間はシナリオごとに固定されており、途中からの参加や人数の調整は基本的にできない。少人数向けの作品であれば4〜6名程度、2時間前後で完結するものが多く、貸切イベント向けの作品では20名を超える多人数、3時間以上のプログラムも用意されている。例えばスーツケースミステリーは、複数チームに分かれて進行する形式で、部署をまたいだ大人数のグループでも運営しやすい設計になっている。

マーダーミステリーの歴史

マーダーミステリーは欧米の犯人当てディナーパーティーゲームを源流とし、中国での大衆化を経て2019年頃に日本へ本格的に広まった。

マーダーミステリーは、20世紀初頭の欧米で楽しまれていた、参加者同士で犯人を推理し合うディナーパーティー向けの余興を源流とする。このゲームが2010年代に中国へ伝わると「剧本殺」と呼ばれるジャンルとして急速に大衆化し、対面プレイ用の専門店が各都市に広がった。日本には2019年頃、パッケージ化されたシナリオとともに本格的に上陸し、東京や大阪を中心に専門店が開業し始めた。

日本での広がりを後押ししたのが、新型コロナウイルス流行期に普及したオンライン型シナリオの存在である。対面での実施が難しい時期にオンラインでの体験が定着したことで、その後の対面再開とともに幅広い層に認知されるようになった。

マーダーミステリーゲームの遊び方

マーダーミステリーは配役決定からシナリオ読み込み、議論、投票、エンディング、感想戦という一連の流れで進行する。

マーダーミステリーは、配役決定、シナリオの読み込み、参加者同士の議論、犯人投票、エンディング、感想戦という順序で進行する。事前の準備はほとんど必要なく、当日会場でキャラクターシートを受け取ってからゲームが始まる。議論の場面では、参加者全員が集まる全体議論と、特定の相手とだけ話す密談という2種類の会話を使い分けながら情報を集めていく。

配役決定とキャラクターシートの読み込み

参加者は当日その場でキャラクターを選び、配布されたキャラクターシートを読み込んで自分の役割を把握する。

キャラクターシートには、その人物の背景、事件当日の行動、達成すべきミッションが記載されている。内容は自分だけが把握しておくべき情報のため、他の参加者に見せることは前提として想定されていない。

全体議論と密談による情報収集

参加者は全体議論と少人数での密談という2種類の会話を使い分けながら情報を集めていく。

全体議論は参加者全員が集まり、事件の全体像や各自が把握している情報を共有する場である。密談は特定の相手とだけ交わす個別のやり取りで、全体の場では話しにくい取引や駆け引きに使われる。この2つを使い分けることで、参加者は自分に有利な情報をどこまで開示するかを判断しながら進めていく。

犯人投票とエンディング

議論を経て参加者全員が犯人だと思う人物に投票し、その結果に応じて物語の結末が決まる。

投票の方法はシナリオによって異なり、多数決で犯人を決めるものもあれば、個別に用紙へ記入するものもある。投票の結果と、各自のミッションをどこまで達成できたかによって、獲得ポイントや迎えるエンディングが変化する。犯人役がうまく逃げ切れば、犯人にとって有利な結末で終わることもある。

感想戦での種明かし

ゲーム終了後の感想戦で、GMによる解説とともに各キャラクターの秘密や真相がすべて明らかになる。

ゲーム終了後の感想戦では、GMの解説とともに各キャラクターが抱えていた秘密や事件の真相がすべて明らかになる。参加者同士で、自分が気づかなかった手がかりや相手の発言の意図を語り合う時間でもある。ネタバレが厳しく禁止されているマーダーミステリーにおいて、真相を共有できるのはこの感想戦の場だけである。

マーダーミステリーの実施方法

マーダーミステリーは、推理力や協力を楽しむためのゲームです。以下のステップに従って、ゲームをスムーズに進めましょう。

ステップ 1: ゲームのテーマと形式を選択する

マーダーミステリーのテーマや形式を選ぶことから始めましょう。例えば、古典的な探偵ものやファンタジー、サイエンスフィクションなど、様々なテーマから選ぶことができます。ゲームの形式は、ボードゲーム形式やオンライン形式など、参加者のニーズに合わせて決定します。

ステップ 2: ゲーム資料を準備する

次に、必要な資料を準備します。キャラクターシート、手がかりカード、ストーリーブックなど、ゲームの進行に必要なアイテムを用意します。資料は、参加者が役割やストーリーを理解しやすいように、分かりやすくまとめることが重要です。

ステップ 3: 参加者に説明する

ゲームを始める前に、参加者にルールや役割を説明します。各キャラクターの背景や目的、ゲームの進行方法について詳しく説明し、参加者がゲームの流れを理解できるようにします。

ステップ 4: ゲームを開始する

ゲームを正式に開始します。参加者はそれぞれの役割を演じながら、手がかりを探し、情報を交換していきます。この段階では、プレイヤー同士のコミュニケーションが鍵となります。

ステップ 5: 手がかりを見つけて理論を展開する

プレイヤーは、手がかりをもとに推理を展開します。証拠を分析し、矛盾点を見つけ出すことで、犯人を特定するための理論を構築します。このプロセスは、論理的思考力が試される重要なステップです。

ステップ 6: 告発して暴露する

推理が進んだところで、プレイヤーは犯人だと思うキャラクターを告発します。最も多くの票を集めたキャラクターが犯人として暴露されます。ここで、真犯人が特定されるかどうかが決まります。

ステップ 7: 報告と考察

ゲーム終了後、結果を報告し、参加者全員で話し合います。どのようにして犯人を特定したのか、どの手がかりが有効だったのかを振り返り、ゲーム全体の流れを確認します。これにより、次回のゲームがよりスムーズに進行できるようになります。

以上のステップを踏むことで、マーダーミステリーを効果的に実施し、参加者全員が楽しんでもらえることが出来ます。

マーダーミステリーの注意事項

マーダーミステリーを気持ちよく楽しむには、ネタバレ禁止、キャラクターシートの扱い、時間厳守という3つのルールを事前に押さえておく必要がある。

いずれも、一度きりの体験であるというマーダーミステリーの性質と、複数人が揃って初めて成立するという運営上の特徴に由来する。

ネタバレ禁止という絶対ルール

マーダーミステリーでは、真相や犯人に関する情報を他の参加者やSNSに漏らすことが固く禁じられている。

一度シナリオの結末や犯人を知ってしまうと、同じ作品を初見の状態で遊び直すことはできない。この制約のため、体験後の感想をSNSに投稿する場合も、犯人やトリックが特定できる内容は避ける必要がある。

キャラクターシートの取り扱いにおける注意

キャラクターシートは他の参加者に見せず、内容をそのまま読み上げずに自分の言葉で伝えることが求められる。

書かれた文章をそのまま読み上げると発言が不自然に聞こえるだけでなく、噓をついている部分とそうでない部分の境目が他の参加者に伝わりやすくなってしまう。自分の言葉に置き換えることで、キャラクターとしての発言に説得力が生まれる。

時間厳守と欠席時の対応

マーダーミステリーは全員が揃わないと成立しないシナリオが多いため、集合時間の厳守と欠席の事前連絡が重要になる。

当日欠席者が出た場合、人数に応じて別のシナリオへ変更する、あるいは配役を調整するといった対応が必要になることがある。人数が多い貸切予約の場合は、当日の出欠管理と代替対応の確認を、通常の予約よりも入念に行う必要がある。

マーダーミステリーで身につくビジネススキル

マーダーミステリーでは、情報を引き出し伝える力、目的から逆算して行動する力、状況変化に対応する力という3つのビジネススキルが自然に鍛えられる。

ゲームとしての面白さとは別に、社内研修の企画根拠として説明しやすい効果でもある。

コミュニケーション力と交渉力の向上

全体議論と密談を繰り返す中で、相手から情報を引き出す力と自分の要点を端的に伝える力が鍛えられる。

密談では、限られた時間の中で相手に何をどこまで開示するかを判断しながら、交渉を進める場面が繰り返し発生する。議論が停滞した場面で参加者の誰かが場を仕切り発言を促す、簡易的なファシリテーション(議論の進行整理)を担う場面も生まれる。この駆け引きや進行の経験は、社内の利害調整や取引先との交渉に通じる部分がある。

目的逆算思考と計画力の強化

各キャラクターに設定されたミッションを達成するには、ゴールから逆算して行動を組み立てる計画力が求められる。

限られたプレイ時間の中で、どの情報を優先して集めるか、誰と先に話すかを判断しながら動く必要がある。手元の情報が不完全な状態で行動を選択し続ける経験は、実務における意思決定の練習にもなる。

状況把握力と柔軟な対応力

議論の流れや他の参加者の出方は刻々と変化するため、状況を素早く把握して柔軟に対応する力が養われる。

想定していた展開が崩れたときに、その場で次の行動を組み立て直す経験は、こうしたチームビルディングに効果的なアクティビティに共通する学びでもある。参加者同士の関係性が議論の中でどう変化していくかを読み取る力も、繰り返しプレイする中で磨かれていく。

自社でマーダーミステリー研修を検討する際のポイント

マーダーミステリーを社内研修や社内イベントの候補にする際は、参加人数・所要時間・言語対応の3点が自社に合うかどうかを左右する。

シナリオごとに人数と時間はあらかじめ固定されており、少人数の部署単位から貸切での大人数まで、目的に応じて選ぶ幅がある。外資系企業やグローバル企業では、GMの進行やキャラクターシートが英語対応かバイリンガル対応かも、候補を絞る際の実務的な条件になる。

インバイトジャパンでは、東京・大阪・京都を拠点に、マーダーミステリーのような正体隠匿・推理形式のプログラムを含め、バイリンガル対応のチームビルディングプログラムを企業向けに設計・運営している。参加人数や言語要件、会場の希望に応じてどのプログラムが自社に合うか確認したい場合は、チームビルディングプログラム一覧から詳細を確認できる。

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