これからの時代のリーダーシップを考える:チームを導く5つのアイデア

目次

3月初めからの一か月は、「リーダーシップ」というトピックに焦点を当てたブログシリーズをお届けしています。リーダーシップの文化をチームに根付かせる方法から、セルフリーダーシップ、さまざまなリーダーシップ論とそれらがチームメンバーに何を教えてくれるのかなど、さまざまな側面からリーダーシップについてお話ししてきました。また、チームメンバーのリーダーシップスキルを向上させるのに役立つアクティビティもご紹介しましたね。

そして今回はこのテーマの最終回として、前向きにこれからのリーダーシップについて考えてみようと思います。ポスト・パンデミックやハイブリッドという新しい世界に向かって、リーダーシップはどのように変化し、チームはリーダーシップについて何を考えなければならないのでしょうか。

今日のリーダーシップが直面する課題

チームが直面する多くの課題については、誰もが認識していることでしょう。そしてそのような課題はリーダーシップにも影響を与えており、リーダーシップの将来像を見えにくくしています。例えば、ハイブリッドチームでは、チームの結束や全体像の明確な把握が難しく、メンバーがより分離して自分の仕事に集中してしまうことが分かっています(「サイロ効果」とも呼ばれます)。そんな状況においては、リーダーはチームをまとめ、チーム全体のビジョンを伝えるための新しい方法を考えなければなりません。

また、チームが集い、コラボレーションするための中心的なスペースとしてのオフィスの弱体化は、今後のリーダーシップの在り方に潜在的な課題を与えています。オフィスはチームメンバーが気軽にコミュニケーションをとり、アイデアを出し合えるスペースであるだけでなく、自発的な交流を通じて自然とチーム間の絆を深めることができるスペースでもあります。そのため、リーダーは他の方法でこのような絆を形成する努力もしなければならないでしょう。

しかし、オフィスはリーダーにとっても核となるような空間でした。同じ空間に居ることが当たり前ではなくなった時、どのようにすれば効果的にメンバーを鼓舞し、モチベーションを上げることができるでしょうか。また、メンバーが日々どのような仕事をしているのかが分かりづらい状況で、どうすれば効果的にマネジメントし、調整し、権限を委譲することができるのでしょう。

これらは、すべてのリーダーがチームとともに考えなければならない、非常に重要な問いです。そこで以下の記事では、チームが今後考えるべきリーダーシップの未来についての主要なポイントを解説していきます。今回の目標は、意識すべき重要なポイントを提起し、チームのリーダーシップがどのように変化し得るかについて、創造的かつ率直に考えるきっかけを提供することです。是非参考にしてみてください。

1. 「コラボレーション」をキーワードにする   

これからのリーダーシップについて分かっていることがあるとすれば、それはチーム内、特にリーダーと他のチームメンバーとのコラボレーションがますます重要になるということでしょう。リーダーにはチームメンバーと積極的に協力し、解決策を考え、チームの在り方について新しいアイデアを生み出す能力が求められます。

分離と分散が進んだ環境では、旧来のヒエラルキー型のリーダーシップはもはや有効ではなくなります。そんな状況で全員をまとめ、同じ意識や認識を共有し続けるには、チーム全体を巻き込む、協調的で包括的な環境を確保するしかありません。そしてそのような環境は、チームメンバー間の信頼関係を構築し、チームの一体感を高めるという重要な効果ももたらします。

結局、コラボレーションはチームの真の力を引き出す手段であると言えます。なぜならチームとは、個々のスキルや才能を組み合わせ、その総和以上のものを生み出すための構造体であるからです。オフィスであれ、オンラインであれ、チームは多様なアイデアやスキルを活用することで、最大限の成果を上げ、最高のチームになることができるのです。

2. リーダーシップはより分散させる

チームメンバーがより分散することに伴って、リーダーシップも同様に分散する必要が出てきます。これはこのシリーズで何度も繰り返してきた大きなポイントの一つです。「チームメンバー全員がリーダーになれる。」そして、誰もが自分のマネージャーである時代だからこそ、リーダーにシフトしやすいメンバーを育成することに意味があるのです。

もう少し噛み砕いて言うと、誰もがチームの大きなビジョンに関与していると感じ、行動し、目標を達成することができるリーダーシップ文化を創造するということです。これはこれまで述べてきた「セルフリーダーシップ」(個人が自分の人生の「リーダー」になるための自信と内なる動機付けを与えること)とも繋がっています。

また、これは現実的なレベルでも理にかなったものでもあります。自分の「バブル」の中で仕事をする人が増えれば、一人で仕事をこなせるメンバーが欲しくなるものでしょう。しかしそれに加えて、チームの他のメンバーに対する責務と責任、そしてチームのビジョンを実現するための実行可能な解決策を見つけようとする意欲があれば、どんな環境や困難にも対応できる、高機能で適応力のあるチームを構成することができるのです。

3. 「メンターシップ」は最優先する

もし、上記のようにこれからのリーダーシップが多くのリーダーを育てることであるならば、メンターシップは不可欠です。特に若手社員に対するメンタリングやトレーニングの機会は、パンデミックが始まる以前から減少傾向にあり、その後も悪化の一途を辿っていることは、これまでにも述べてきた通りです。これは本当に残念なことであり、ハイブリッドワークという未知の荒野に向かうチームの存続にとっては決して良い兆候ではありません。

リーダーはできるだけ早く、できるだけ多くのチームメンバーに対して、メンタリングを行う必要があります。メンタリングは重要なリーダーシップの方法やチームの手順、組織としての記憶などを伝えるだけでなく、より成熟したチームメンバーと新しいメンバーを結びつけることで、より良い信頼感と一体感を築くのにも役立つものです。

また、メンターシップを行うことにより、チームメンバーは自身がより評価され、認められていると感じることができます。これは迷子になって、草むらの中で孤立しているかのように感じやすいハイブリッドチームでは非常に重要なことです。さらに、メンターシップはチームにおける公平性と包括性(より多様性のあるチームを作る努力をしているのであれば、多様性も)を高めることにも繋がるため、将来のリーダーシップの中心であり続けることは間違いないと言えるでしょう。

4. ビジョンと全体像を共有するための新たな方法を模索する 

先に述べたように、オンラインやハイブリッド型の職場環境におけるチームの課題の一つは、チームメンバーがより孤立し、「ビジョンを共有している」という感覚を欠くことが多いということです。他のチームメンバーや部署が何をしているのか、以前のように簡単に見ることができない場合も多いでしょう。ですから、これからのリーダーシップは、チームの共有ビジョンを伝える新しい方法を見つけることが必須となります。

まだ決まったやり方があるわけではありません。私たちはまだ仕事と生活の新しいフェーズの始まりに居るため、チームは柔軟に実験をしていく必要があります。しかし同時に、リーダーシップがテクノロジーに対応することも重要です。

今、多くのチームが古い手法やモデルを新しい形の技術やツールに適合させようとしています。しかし、これはいずれ変わる必要があるものであることを認識しておきましょう。そしてリーダーがその役割を効果的に果たすためには、どのツールが有効か、新しい職場環境やスタイルに合わせてどのモデルを変える必要があるかを検討することと、新しいシステムを採用する方法および、はっきりと伝えられた共同のビジョンによってチームメンバーをより強く引き込み、モチベーションを上げる方法を意識していくことが重要です。

5. 「信頼性」を重視する

さまざまな理由から、「リーン生産方式」や「無駄の削減」がリーダーシップのすべてであるとされる時代は過ぎ去りました。これからのリーダーシップは、生産性が依然として重要であることに変わりはありませんが、よりレジリエンスに重点が置かれるようになるでしょう。

レジリエンスとは、困難に立ち向かい、新しい状況に適応し、失敗から学ぶことができるチームを持つということです。つまり、信頼関係や開かれた環境、そして互いへの思いやりに基づいた、どんな嵐をも切り抜けることのできる強固な基盤をチームに築くということです。

このことはレジリエンスのもう一つの大きな側面、すなわち、潜在的な弱点がどこにあるのかを理解し、備えるということに繋がります。弱点から逃げたり、弱点を隠したりするのではなく、弱点と向き合い、それを成長のための学習ツールとして活用することが重要なのです。

これらはすべてリーダーの仕事の一部となります。リーダーはやる気を起こさせ、鼓舞し、目標を設定する能力を持った人物であるため、このようなレジリエンスを育てることにエネルギーを注ぐのが一番と言えるでしょう。

最後に: チームビルディングをお忘れなく

未知の領域や新しい時代の仕事に向かう今、チームの結束力やリーダーシップを高めるために頼りになるのは、やはり「チームビルディング」であることを付け加えさせてください。なぜなら、チームビルディングは「慣れない新しい状況での試行錯誤やアイデア出しの機会」をチームに提供するため、実社会での適応力や柔軟性を高めるトレーニングになるからです。また、チームビルディングは「個人が固定概念に囚われずにチームと協力することを促す」ため、自身のリーダーシップの才能を引き出すことにも繋がります。

つまり、たとえ進む先に暗雲があったとしても、チームビルディングを行うことによって、準備を整えるための装備を得ることができ、あなたとチームを導くリーダーシップのスタイルが見えてくるということです。