人はどのようにしてお互いを信頼するようになるのでしょうか。簡単な答えはありませんが、多くの場合、時間、忍耐、そして理解が必要です。また、信頼にはある程度の「弱み」が関係するものであり、他者に対してオープンであることが求められます。
信頼はチームのパフォーマンスにとって中心的なものであり、チームが成功するかどうかの中心的な決定要因であると言っても良いでしょう。前回のブログでは、信頼関係の構築はチームのモチベーションと団結力の向上に繋がることを説明し、そのような信頼の文化をチームに生み出すための簡単なステップをいくつかご紹介しました。
簡単におさらいすると、信頼の要素には以下のものがあります。
- 「コミュニケーション」を意識する
- 「心理的安全性」を確保する
- 「サポート」し合う
- 「リーダーシップ」を持つように促す
- 「明確な目標と目的意識」を設定、周知する
また、チームビルディングアクティビティは、利害関係の少ない楽しい環境の中で、協力し合い、支え合い、アイデアや感情を共有する練習ができるため、チームの信頼関係を強化するのに非常に効果的であることを述べました。
続く今回の記事では、チームメンバー間の信頼関係をより強固にするために役立つ、実践的な信頼関係構築アクティビティのリストを紹介します。ただし、「トラストフォール」(チームメンバーの一人が倒れ込むのを他のメンバーでキャッチするという、信頼関係構築のための古典的なエクササイズ)はお勧めしていませんので悪しからず!
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実は、信頼の文化を作るのにはそんなに大げさなことは必要ありません。信頼関係を築くためのチームアクティビティは、シンプルで簡単に実行できるものばかりなのです。以下に紹介するアクティビティは、コミュニケーション、共感、そしてチームメンバーが(安全な空間の中で)お互いに少し弱みを見せあうことに基づいています。是非あなたのチームに役立つ新しいアイデアを見つけてみてください。
1. 人間知恵の輪
これは文字通りチームメンバーとの距離を縮める、信頼関係構築のための定番アクティビティです。まずチームメンバーは輪になって内側を向いて立ち、右手を他のメンバーと左手と繋ぎ、左手をまた別のメンバーと右手と繋いだら準備は完了。絡まったようなその状態から手を離さずに、全員でひとつの大きな輪になるように協力し合って動きましょう。
このアクティビティでは、チームのコミュニケーション能力、特に混沌とした状況下で互いの話を聞く能力が試されます。また、物理的な距離が近いことで、親近感や無防備さが生まれ、より信頼感を得ることができるでしょう。
2. トラストウォーク
こちらも信頼関係構築のためのアクティビティとして定番で、比較的簡単に行うことができるものです。まずチームを2〜3人の小グループに分け、そのうちの一人に目隠しをしてもらいます。チームメイトは、目隠しをしたメンバーを決められたルートへ誘導することがミッション。メンバーはお互いを信頼し、仲間が安全に案内してくれることを信じなければなりません。 スイカ割りのチーム戦のようなものをイメージしていただくと分かりやすいでしょうか。
トラストウォークは、車のない公園などで行うことができる手軽なアウトドアアクティビティとして効果的です。また、大規模なハイキングの一環として行うこともできます。またさらに手軽で簡単な方法として、オフィスで行うこともできます。
3. 目隠しクッキング
この信頼関係構築アクティビティは、歩く代わりに料理をすることを除けば、トラストウォークに似ています。準備なしで実行するのは少し難しいかもしれませんが、とても楽しく、チームメンバー間の信頼と結びつきを強めることができるので、それだけの価値はあると言えるでしょう。
まず、作る料理やお菓子を選びます。包丁を使ったり、切ったりしない分、お菓子の方が簡単で安全かもしれません。そして2〜4人のグループに分け、そのうちの1〜2人(グループの大きさによる)に目隠しをしてもらいます。他のメンバーはレシピを読んで指示を出し、目隠しされたメンバーはその通りに行動して料理の完成を目指すのです。…カオスでありながら盛り上がる様子が目に浮かびますね。
4. スーツケース・ミステリー
インバイトジャパンの派遣型屋内ゲームシリーズ「スーツケース・ミステリー」は、チームメンバー間の深い絆を生み出す、信頼関係構築に最適なアクティビティです。スーツケースの中に、さまざまなパズルや課題、不思議なアイテムが詰め込まれているのが特徴です。このような奇妙で幻想的な体験をチームに与えることで、チームメンバーは自動的にコミュニケーションを取り、アイデアを共有するようになります。これにより、チームは信頼の文化の創造を体験することができるのです。
5. アイスブレーカー「2つの真実と1つの嘘」
アイスブレーカーも、いつでもどこでも簡単にできるアクティビティです。そんなアイスブレーカーの中でも特に信頼関係を築くのに適しているのが、「2つの真実と1つの嘘」でしょう。このアクティビティでは、チームメンバーは順番に自分に関する3つの発言(趣味、特技、過去の経験、子供の頃の思い出など)を共有します。そのうちの2つは真実で、1つは嘘。他のメンバーは、どれが嘘なのかを推測します。
他人を信頼することの一部には、相手について詳しく知ることが含まれています。ですからこのアクティビティは、楽しくカジュアルな方法で、チームメンバーが自分の人生や経験について共有することができるため有効と言えるのです。
6. 5分レクチャー
この信頼関係構築アクティビティでは、各チームメンバーが5分間、好きなテーマについて講義します(通常業務の負担にならないように注意しながら、少なくとも1週間程度の準備期間を与えましょう)。テーマは歴史や科学から、自分が興味のあることや好きなことなど何でも構いません。自分自身に関することでも良いでしょう。パワーポイントや映像を使っての講義も可能です。
そして当日はチームメンバーが実際に他のメンバーに講義を行います。チームの規模やスケジュールに応じて、一度の機会に全員で行うことも、数週間に渡って実施することも可能です。また、このアクティビティはオンラインでも簡単に行うことができるので、リモートのチームにも最適です。
ここでも、目的はチームメンバーが情熱や情報を共有し、お互いを知ることです。誰かがあるテーマに熱中している時、その人が仕事に集中している時とは違う部分を見ることができるでしょう。そして、チーム全体で誰かの情熱や興味を共有することで、より多くの信頼と理解を得ることができるのです。
7. インプロ発祥!「それから?」ゲーム
これはインプロ(即興演劇)から生まれた非常に面白いゲームのアイデアで、簡単でありながら、非常に親密な関係になることができます。まず2人1組を作り、交代で「語り手」を担当します。「語り手」は目を閉じて、心の中で想像したことを話します。何か突飛なものや、逆に整合性の取れた話を作り出さねばと考える必要は全くなく、目をつぶって、頭の中に浮かんだことをそのまま話すだけで構いません。語り手の発言や思考が止まりそうになったら、パートナーは 「それから?」と問いかけます。これを3分など、制限時間が来るまでひたすら繰り返して話を続けましょう。
語り手は自分の心の中を詳細に語ることで、自分自身を無防備に開放し、パートナーは相手のビジョンを励まし、サポートするのです。このゲームはさまざまなレベルで信頼関係を築くのに役立つうえ、創造性を刺激する素晴らしいアクティビティでもあります。
(私が以前実践した時は、当然ながらはちゃめちゃな内容で自分でも困惑していましたが、パートナーがくれる「それから?」というワードが「あなたの話を聞いています、興味があります」と言ってくれているようで、安心して話を続けることができました。そして「こんな自由な発想が自分の中にあったのか」と驚きと感動があったのも印象的です。)
8. オンラインチームビルディングゲーム
インバイトジャパンが制作するような オンライン チームビルディングゲームは、信頼関係構築の目標に、さらに楽しさと教育的な構造を加えるのに役立ちます。スーツケース・ミステリーと同様、弊社の2つのオンラインゲーム、「Tabitantei」と「シークレットエージェント」は、奇妙でワクワクするような未知の冒険に挑むことによって、チームを団結させ、より信頼関係を深めることが可能です。
パズルや刺激的なチャレンジを通してコミュニケーション能力や意思決定力を高め、お互いを信頼し、支え合うことを学びながら、オリジナルのバーチャル空間を探検してみてください。オンラインなので、リモートチームやハイブリッドチームにもおすすめです。
9. 付箋ゲーム「私は誰でしょう?」
これは人気のある飲み会ゲームですが、信頼関係構築のための楽しいアクティビティとしても有効です。まずチームメンバーに付箋とペンを渡し、それぞれキャラクターや有名人の名前(できればグループ全員が知っているような人)を書いてもらいます。全員が書き終えたら、その付箋を左隣のメンバーの額に貼りましょう。
全員、額に自分だけが分からない状態で名前を書いた付箋を貼ったら準備は完了。さて、目標は、各プレイヤーが自分の額に書かれた名前を当てることです。他のチームのメンバーに「はい」か「いいえ」で答えられる質問のみを繰り返して正解を目指しましょう。
このゲームには、実はいくつかのやり方があります。一つは、チームメンバーに「交流」してもらい、部屋の中を歩き回りながら、他のチームメンバーに一度に1つだけ質問をしていく方法。或いはチームメンバーに円形に座ってもらい、一人ずつ他のメンバーに質問してもらうという方法もあります。グループの規模や、このゲームでどの程度共有体験をさせたいかによって、やり方は変わってきます。
いずれにせよ付箋ゲームは、情報に対する脆弱性についてチームに教えるものとしても有効です。チームメンバーは必要な情報を得るために他人を頼りにし、コミュニケーションスキルを用いてお互いをサポートしあうことが求められます。
10. スカベンジャーハント(街歩き謎解き)
最後にご紹介する信頼関係構築エクササイズは、私たちのクライアントにご好評いただいているアクティビティの一つである屋外でのスカベンジャーハント(街歩き謎解き)です。スカベンジャーハントと言うと、一般的には「借り物競走」と訳されることが多いのですが、インバイトジャパンのスカベンジャーハントはそれとは別物ですのでご安心を。
街歩き謎解きでは、プレイヤーは街中の指定されたエリアをパズルを解きながら旅することになります。これが信頼関係を築くことになる理由は、プレイヤーが新しい場所を一緒に探検することができるからです。そしてたとえその場所に行ったことがあったとしても、手掛かりを探しながらいつもと違う目線で歩くことで、必然的に新しいを発見することになるでしょう。そうすることで、チームメンバー全員がお互いにオープンになり、絆や繋がりが高まります。
それに特に普段オフィスや家に閉じこもっている人にとっては、太陽の下で外に出ること自体が単純に楽しいものです。このリストにあるように、自分たちが笑って楽しんでいるときほど、他人を信頼するのは簡単なのです。