燃え尽き症候群で悩んでいませんか?働く人の3 人に1人がキャリアのどこかで燃え尽き症候群を経験すると言われています。
燃え尽き症候群は、仕事のパフォーマンスや、心身の健康に大きな影響を与える可能性があります。そこで、燃え尽き症候群の兆候と症状を見極め、回復のための行動を起こすことが非常に重要です。
一年を締めくくるこの時期は、多くのチームにとって特にストレスの多い時期と言えるでしょう。プロジェクトを完了させ、溜まった仕事も年末年始に間に合わせる必要がありますからね。またこの時期は、自分たちの仕事の習慣やチーム文化を振り返り、何が上手くいき、何が上手くいかなかったのか、そしてまだ解決されていない潜在的な問題は何なのかを把握し始めるのに良いタイミングでもあります。
だからこそ、今は燃え尽き症候群について話す良い機会と考えました。「燃え尽き症候群 」はここ数年、大きな注目を集めているキーワードでもあります。加えてリモートワークへの移行やパンデミックに端を発した不安から、職場における燃え尽き症候群を巡る話題はさらに広がり、深まるばかりです。
以前のブログ記事で、ハイブリッドチームにおける燃え尽き症候群については少しお話しました。ここではこのテーマをさらに深く掘り下げ、燃え尽き症候群の原因や、それに気づき、予防する方法について説明したいと思います。
燃え尽き症候群は、特に今のような大きなストレスと不確実性のある時代には、すべてのチームが注意すべきことと言えます。さらに燃え尽き症候群はチーム全体で取り組むことでしか解決できない要素(組織構造、人間関係、職場環境、仕事の管理方法など)に起因している場合が多いため、チームは燃え尽き症候群に対処する方法を知っておくことが非常に重要なのです。
燃え尽き症候群とは?
まず「燃え尽き症候群」とは何かを説明します。燃え尽き症候群にはさまざまな症状がありますが、一般的には、仕事(あるいは人生)に対する深い疲労感と無気力感のことを指します。多くの人が、燃え尽き症候群と「やる気のなさ」を混同しがちですが、両者は関連しているものの、いくつかの重要な違いがあります。
1つ目は燃え尽き症候群には身体的、精神的、感情的な症状が伴うことが多いということです。仕事で気分が落ち込むだけでなく、肉体的な疲労感や精神的な不安感も生じます。

もう一つは期間の長さです。モチベーションには当然波があるものですが、燃え尽き症候群はもっと長い間、不満や疲労を感じ続けます。それによってチームと個人の双方にとってより深刻な結果を招くことが多いため、燃え尽き症候群の可能性を早期に発見することが非常に重要なのです。
最後に、燃え尽き症候群は殆どの場合、チーム全体や集団の問題であることを挙げておきます。個人とその周囲の構造やコミュニティとのミスマッチが主な原因です。つまり仕事においては、燃え尽き症候群は一人で解決できるものではないということを意味します。チームの機能(人間関係、ワークフロー、職場環境など)を再構築することによって、チーム内の他の人と協力して解決しなければならないことが多いのです。
燃え尽き症候群の兆候
先に述べたように、モチベーションの低下は(通常は長期間に渡るものの)実は燃え尽き症候群の兆候の1つである可能性がありますが、その他にも、燃え尽き症候群の兆候には以下のようなものがあります。
- 無気力感、無関心感
- 行動の変化
- 睡眠または食事パターンのネガティブな変化
- 仕事に起因する抑うつ感や不安感
- 個人的な欲求に注意を払わなくなる
- 休んでも回復しない、仕事による身体的・精神的疲労感
- 過労
- 他のチームメンバーとの繋がりが持てなくなる
- 仕事の効率性の低下
- 集中力の欠如
- 慢性的なストレス
チームの燃え尽き症候群の原因とは?
このように、燃え尽き症候群の兆候はさまざまです。同様に燃え尽き症候群の原因も複雑で、チームや職場環境に応じて複数の原因があります(少しだけご紹介します)。しかし1つの説明に集約すると、燃え尽き症候群は「個人の無意識のニーズと、仕事の要求や構造とのミスマッチから発生する」と言えるでしょう。
ではそれを解きほぐしてみましょう。私たちは皆、仕事に関して無意識の欲求を持っているものです。ある人は仕事のコミュニティ的な側面や、チームの一員である実感を切望しています。またワークライフバランスを重視する人もいます。若手社員の中には、経験豊富なチームメンバーからのフィードバックや指導を望んでいる人もいるかもしれません。
このように私たちは皆、目標や将来の自分自身の夢、仕事に求めるものなどを明確にするために、ある種のニーズを抱いています。しかしこうしたニーズを満たせないような仕事の仕組みやチーム文化にどうしてもぶつかってしまうのです。最終的に上手くいくこともあるでしょうが、そうでない時に起こるのが燃え尽き症候群なのです。
このようなチームの構造的な問題は大きく3つのグループに分けることが可能です。この分類によって、このミスマッチの原因がどこにあるのかが見えてくるでしょう。
1. 過負荷
業務がチームメンバーのキャパシティを圧倒している状態です。例えば、無秩序で役割分担が明確でない場合や、無意味なタスクが多すぎるワークフロー、非合理的な拘束時間など、本質的で付加価値の高いタスクに生産的に対処する能力を制限するものを指します。
2. チャレンジ精神の欠如
基本的に人はやりがいを感じる必要がある生き物です。そのため適度に課題が与えられないと、無気力になったり、他のメンバーから離れるといったことが発生してしまいます。また、挑戦する要素が乏しいということは、上司や同僚からの評価を得る機会にも恵まれにくいということにも繋がります。
3. ネグレクト
個々のチームメンバーであっても、「チームの一員として評価されていると感じたい」という願望を持っているものです。評価されていると感じられないと、チームメンバーの能力や意欲に大きな影響を与える可能性があります。「評価されている」という実感には、メンタルヘルスのニーズに対する認識や、より公平な職場の確保が含まれます。また、チームメンバーのアイデアや意見、生産性を評価することも重要です。
燃え尽き 症候群 回復 する に は
燃え尽き症候群で悩んでいませんか?働く人の3 人に1人がキャリアのどこかで燃え尽き症候群を経験すると言われています。
燃え尽き症候群は、仕事のパフォーマンスや、心身の健康に大きな影響を与える可能性があります。そこで、燃え尽き症候群の兆候と症状を見極め、回復のための行動を起こすことが非常に重要です。
自分が燃え尽き症候群に陥っているかどうかを判断する方法と、それを回避するために何ができるかを考えることは重要です。
ここでは、燃え尽き症候群から回復するためのヒントをいくつか紹介します。
1. 兆候と症状を把握する
燃え尽き症候群は一夜にして起こるものではありません。時間をかけて徐々に積み重なっていくものです。早めに対処できるよう、兆候や症状に気づくことが大切です。
燃え尽き症候群の一般的な兆候や症状には、次のようなものがあります。
– 肉体的および精神的に疲れていると感じる
– 仕事から切り離されたように感じる
– 自分は何も達成できていないと感じる
– 仕事に終わりがないように感じる
これらの兆候のいずれかを経験している場合は、燃え尽き症候群の悪化を防ぐために行動を起こすことが重要です。
2.休息をとる
燃え尽き症候群から回復するためにできる最善のことの1つは、休息を取ることです。週末を利用した長期休暇から、数週間の休養まで、何でもかまいません。
休暇を取ることで、体や心を休め、リフレッシュの時間を得ることができます。また、自分の仕事やキャリアについて振り返る時間にもなります。これは、将来の燃え尽き症候群を防ぐのに役立つ貴重なエクササイズになります。
3. 誰かに相談する
燃え尽き症候群に悩んでいるのなら、誰かに相談することが大切です。相談する相手は、友人、家族、セラピスト、医師でもかまいません。
誰かに話すことで、自分の感情を共有し、自分自身の状況を把握することができます。また、燃え尽き症候群から回復するための計画を立てるのにも役立ちます。
4. ライフスタイルを変える
ライフスタイルが燃え尽き症候群の一因になっていることもあります。自分自身を大切にしていないと、燃え尽き症候群から回復するのが難しくなる場合があります。
燃え尽き症候群を予防し、回復させるために、見直すべきライフスタイルはたくさんあります。例えば以下のようなことを心掛けてみましょう。
– 健康的な食生活を送る
– 定期的に運動する
– 十分な睡眠をとる
– ストレスを減らす
このようなことを心掛けることで、燃え尽き症候群から回復し、再発を防ぐことができます。
5. 専門家に相談する
自分一人では燃え尽き症候群から回復するのが困難な時は、専門家の助けを求めることが重要です。セラピスト、カウンセラー、医師など、回復を手助けしてくれる専門家はたくさんいます。
専門家の助けは、燃え尽き症候群から回復するために不可欠です。また、将来的な燃え尽き症候群の予防にも役立ちます。
燃え尽き症候群を防ぐには
燃え尽き症候群の原因が、コミュニティの欠如とチーム全体の構造によってチームメンバーが充実感を得られないことにあることは、もうご理解いただけたかと思います。実際、主な教訓は、チームはもっと包括的なコミュニティとして行動すべきであり、人々は互いに手を差し伸べ合い、誰もが可能な限り最高の環境を作るために協力し合うべきであるということです。
また「燃え尽き症候群は構造的な問題である」ということを明確にする必要があります。燃え尽き症候群があるということは、チームの機能の何かが上手くいっておらず、変える必要があるということです。ですから、燃え尽き症候群を防ぐには、チームの土台を強固なものにすることが大切なのです。以下ではそのために必要な要素をご紹介していきます。
燃え尽き症候群からの回復期間
燃え尽き症候群はストレスの積み重ねで起こるもので、個人差があることを覚えておいてください。多くの場合、燃え尽き症候群は眠っていた慢性的なストレスが数年後に再浮上した結果であり、逆に数ヶ月に及ぶ強烈で急性なストレスが長く続いた結果であることもあります。
ストレスや過労の段階が燃え尽き症候群に変わると、ほとんどの人は、燃え尽き症候群から回復するのに1年から数年かかると言われ、どんなに短くても12週間はかかると言われています。この時間を短縮し、一般的な症状を緩和するために、積極的なアプローチを活用することができます。回復までの時間を短縮し、一般的な症状を緩和するために、積極的なアプローチを活用することができます。
心理的安全性の高い職場環境をつくる
心理的安全性とは、チームメンバーが安心して自分の意見や感情を述べることができ、対立が管理されている(建設的かつ健全な意見交換として、チーム内での意見の相違や対立が認められている)ため、仕事上の人間関係に支障をきたさないということです。心理的安全性の高い環境を作るには、強いチームの基盤となる信頼とコミュニケーションが必要であり、その環境が整うことによって、チームメンバーのニーズとそれが満たされているかどうかをより意識することが可能になります。
公平性を確保する
公平性とは、すべてのチームメンバーが仕事を成し遂げるために必要なものを手に入れられるということです。これには自宅で仕事をする場合に必要な道具のような物質的なニーズだけでなく、研修や指導の機会へのアクセス、ストレス解消のための休暇のような心理的、感情的なニーズも含まれます。さらに公平性とは、誰一人として取り残されたと感じないように、チームのメンバー全員をより包括的に受け入れることも意味します。
ワークフローに関する問題に対応する
整理整頓をして、チームに合った組織構造やコミュニケーションツールを使いましょう。もし、あるツールを利用することによって作業が増えるようであれば、それはワークフロー全体にとって良くないだけでなく、無意味なタスクでチームに負荷をかけることにもなりかねません。また、マルチタスクを制限することによって、メンバーが本質的な仕事に集中できなくなる可能性もあります。そして最後に、チームの役割を明確にしましょう。それによってメンバー全員が全体像の中で自分がどのように位置づけられ、何にエネルギーを注ぐべきかを理解できるようになります。
変化に対してオープンである
柔軟性がチームにとって重要な資質であることは、別のところで述べた通りです。ここではより健康的で、燃え尽きないチームを作るためには、チームは変化を許容する必要があるということを追加しておきます。上手くいっていない構造があるならば積極的に変えるように促すことで、個々のチームメンバーに、彼らのニーズが考慮されてることを示すことができます。さらにその過程で、よりレジリエントなチームを作ることが叶うでしょう。
定期的なチームビルディングセッションを計画する
燃え尽き症候群を防ぐためにできる現実的な方法の1つは、チームビルディングのためのアクティビティをより定期的に計画することです。短時間で終わるアイスブレーカーでも、1日掛かりのイベントでも構いません。いずれにせよチームビルディングは、チームとしての繋がりを深め、同時にコミュニケーションや組織、信頼といった面でチームの弱点となり得るものを明確にするのに役立ちます。さらにチームとして楽しむことで、一緒にストレスを解消し、より良いチーム環境を作ることができます。
最後に
燃え尽き症候群は、たとえ今自分たちのチームは大丈夫だと思っていても、すべてのチームにとって注目に値するキーワードです。これを意識することによって、どのチームも職場環境を改善し、より安全で健康的、そしてより包括的なものにすることができます。必要なのはほんの少しの意識と、チームメンバーを単なる同僚としてではなく、それ以上の存在としてとらえる能力です。
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