100名を超える新入社員研修を、どう「同期づくり」につなげるか|大人数チームビルディングの実践事例

large team buiding case study

100名を超える新入社員が同じ会場に集まったら、それだけで「同期」になれるのでしょうか。

同じ会社に入社した。

同じ日に研修を受けている。

けれど、まだほとんど話したことがない人もいる。

隣に座っている人の名前は分かっても、どんな考え方をするのか。困ったときに声をかけられる相手なのか。チームの中でどんな役割を担う人なのかまでは、まだ分かりません。

そして研修期間が終われば、それぞれ異なる部署や職場へ向かっていきます。

大人数の新入社員研修を設計するとき、インバイトジャパンが考えるのは「どうすれば盛り上がるか」だけではありません。

大切なのは、その後の研修や配属につながる関係を、どのようにつくるかです。

今回の新入社員研修の概要

項目内容
対象新入社員100名以上
目的同期同士の関係形成・協働・配属後につながる行動
形式終日型の大人数チームビルディング研修
研修構成関係形成 → 協働体験 → 振り返り
主なプログラムスーツケースミステリー
チーム人数5〜6名
実施時間1日
会場企業研修会場
言語日本語
評価方法研修終了後アンケート
主な測定項目協力意向、学びの活用、同期とのつながり、自分の役割認識

今回のテーマは「楽しい研修をすること」ではなかった

新入社員向けのチームビルディングというと、「まずは同期同士で仲良くなってもらう」という目的が思い浮かびます。

もちろん、最初に話しやすい関係をつくることは重要です。

ただし、それだけでは十分ではありません。

大人数の新入社員研修では、その先まで考える必要があります。

目指したのは、たとえば次のような状態です。

  • 普段なら接点を持たない同期とも会話できる
  • 自分とは違う考え方を持つ人と一緒に取り組める
  • チームの中で情報を共有できる
  • 自分なりの役割を持って参加できる
  • 研修での経験を、その後の職場でも活かそうと思える

つまり、「仲良くなること」はゴールではありません。

これからチームで働くためのスタート地点をつくることが、研修の目的です。

100名を超えると、「交流してください」だけでは交流できない

少人数であれば、「まずは自己紹介をしましょう」と声をかけるだけでも自然に会話が生まれることがあります。

100名を超える規模になると、事情は少し変わります。

自由に交流してもらうだけでは、近くにいる人や話しやすい人だけで会話が完結しがちです。

グループワークでも、発言する人が固定されたり、積極的な人だけで課題が進んだりすることがあります。

一方で、話すタイミングをつかめないまま周囲の様子を見ている参加者もいます。

そこで重要になるのが、

大人数だからこそ、偶然の交流に任せないこと。

インバイトジャパンでは、いきなり「チームワークを発揮してください」と求めるのではなく、関係が生まれる順番そのものを設計します。

朝は「話すこと」から。いきなりチームワークを求めない

研修が始まったばかりの会場には、独特の空気があります。

すぐに隣の人へ話しかける人もいる。

一方で、周囲を見ながらタイミングを探している人もいる。

入社直後だからこその、少し張りつめた雰囲気です。

この段階で、いきなり複雑な協働課題を与えても、チームは簡単には動きません。

まず必要なのは、「話しても大丈夫」と思える小さな経験です。

相手を知る。

自分のことを話す。

相手の話を聞く。

そこから少しずつ、チームとして考える活動へ移っていきます。

関係が生まれる順番を、6つのSTEPで設計する

大人数の新入社員研修では、次のように段階を踏んでいきます。

STEP 1 相手を知る

まずは会話を通して、名前以外の情報を知る。

STEP 2 自分の考えを伝える

感じたことや考えを、相手へ言葉にして伝える。

STEP 3 情報を共有する

自分だけが持っている情報を、チームへ渡す。

STEP 4 一緒に考える

複数の考えを持ち寄り、一つの答えを探す。

STEP 5 一人では解けない課題に挑戦する

誰か一人が頑張るだけでは進まない状況をつくる。

STEP 6 自分たちの行動を振り返る

何がチームを前に進めたのかを、自分たちの言葉で整理する。

重要なのは、どんなゲームを実施するかだけではありません。

どのタイミングで、どんな関わりを経験してもらうか。

その順番も、チームビルディングの一部です。

午後、各チームの前に一つのスーツケースが置かれた

鍵。

暗号。

さまざまな手がかり。

そして、制限時間。

大人数の研修でも活用しているインバイトジャパンの協力型パズルプログラム「スーツケースミステリー」では、チームごとに一つのスーツケースに挑戦します。

最初から答えを知っている人はいません。

誰か一人が説明を聞いただけで、すぐに解けるような課題でもありません。

だから、自然に動きが生まれます。

一人が手がかりを見つける。

別の人が情報を書き出す。

「これとこれが関係しているかもしれない」と仮説を出す人がいる。

残り時間を確認する人もいる。

少し離れたところで考えていた人に、「どう思う?」と声をかける人もいます。

徐々に、チームの中に異なる役割が生まれていきます。

「正解を出した人」だけがチームに貢献しているわけではない

パズルでは、最後に正解を見つけた人が目立ちます。

しかし、そこに至るまでには多くの行動があります。

情報を整理した人。

バラバラだった手がかりをつないだ人。

人の話を聞いた人。

発言の少なかったメンバーから意見を引き出した人。

行き詰まったときに別の視点を出した人。

チームを励ました人。

時間を見ながら全体を動かした人。

チームへの貢献には、いろいろな形があります。

これは職場でも同じです。

チームを動かしているのは、必ずしも一番早く答えを出す人だけではありません。

だからこそ、新入社員研修では「誰が正解したか」よりも、「どうやってそこまでたどり着いたか」を振り返ることが重要になります。

でも、研修で本当に見たいのは「クリアできたか」ではない

ゲームが成功すれば、もちろん盛り上がります。

時間内にクリアできれば、達成感もあります。

ただ、研修として本当に見たいのはそこだけではありません。

行き詰まったときに、チームはどうしたのか。

必要な情報を共有できていたか。

誰か一人だけが考えていなかったか。

違う意見が出たとき、どう扱ったか。

困っている人に声をかけたか。

そして、自分自身はその中で何をしていたのか。

ゲームには、こうした行動が短い時間の中で次々と表れます。

だからこそ、終わったあとに振り返る材料が豊富にあります。

参加者アンケートでは、「配属後につなげたい」という回答が平均9点台

研修終了後のアンケートでは、協働や配属後への活用に関する複数の項目で、平均9点台/10点の回答が見られました。

配属後も周囲と協力していきたい

平均9点台 / 10点

研修で得た学びを配属後にも活かしたい

平均9点台 / 10点

同期とのつながりを大切にしたい

平均9点台 / 10点

これらの数字から確認できるのは、研修終了時点で、多くの参加者が「今日の体験をこの場だけで終わらせたくない」と感じていたことです。

ただし、私たちが注目したのは高い数字だけではありませんでした。

※上記は研修終了直後の自己評価によるアンケート結果であり、長期的な業務成果や行動変容を示すものではありません。

ただし、すべてが「9点台」だったわけではない

アンケートの中で、他の項目と比べて少し違った傾向を示したものがありました。

自分自身の強みや役割を再認識できた

平均8点台 / 10点

8点台という数字自体は決して低いものではありません。

ただ、配属後の協力意向などが9点台だったことと合わせて見ると、一つの問いが生まれます。

「チームとして協力できた」という感覚はあっても、「その中で自分は何をしていたのか」まで十分に言語化できているだろうか。

ここに、次の研修設計を考えるヒントがありました。

アンケートは「評価表」ではなく、次の研修設計の材料にする

研修後のアンケートは、「満足してもらえたか」を確認するためだけのものではありません。

高い数字を見ることも大切です。

しかし、それ以上に重要なのは、

何が機能していたのか。

どの体験が参加者に残ったのか。

まだ深められる部分はどこなのか。

次回は、どんな問いを追加するとよいのか。

ということを考えることです。

たとえば、

「みんなで協力できましたか?」

という問いだけでは、チーム全体の感覚しか見えません。

そこからさらに、

「自分はチームにどう貢献しましたか?」

まで考えられる設計にすれば、同じ体験でも振り返りの深さは変わります。

チームビルディングは、実施して終わりではありません。

次の研修では、「自分はどう動くか」を最初に考える設計へ

その後の研修設計では、活動を始める前に参加者自身が考える時間を強めました。

今日、どんなチームを目指すのか。

そのために必要な行動は何か。

そして、

自分自身は何をするのか。

チーム目標だけではなく、一人ひとりの行動まで事前に考えてから活動へ入ります。

これによって、ゲームの見え方も少し変わります。

単に「みんなでクリアしよう」ではなく、

「自分が決めた行動を、このチームの中で実践できるだろうか」

という視点が加わります。

すると、最後の振り返りで聞けることが変わる

活動前に目標を決めていなければ、最後に聞けるのは、

「楽しかったですか?」

「うまくできましたか?」

といった問いになりがちです。

しかし、最初に自分の行動を決めていれば、

「最初に決めたことを、自分は実行できましたか?」

と問いかけることができます。

さらに、

誰のどんな行動がチームを前に進めたのか。

自分が貢献した場面はどこだったのか。

もう一度取り組むなら、何を変えたいか。

配属先でも再現できそうな行動は何か。

というところまで考えられます。

体験する。

言葉にする。

次の行動につなげる。

この3つをセットで考えることで、チームビルディングを「楽しい一日」だけで終わらせにくくなります。

研修の最後に考えるのは、「職場で自分は何をするか」

研修の日は、全員が新入社員です。

同じような立場の同期と、同じ課題に取り組みます。

しかし、配属後は違います。

年齢も違う。

経験も違う。

役割も違う。

考え方も違う。

そんな人たちと、一つのチームとして働くことになります。

自分から質問しなければならない場面もあるでしょう。

誰かの助けを借りなければ進めない仕事もあります。

逆に、自分が誰かを助ける側になることもあります。

だから研修の最後に考えるのは、ゲームの結果ではありません。

今日のチームでできたことを、職場でも再現するために、自分は何をするか。

ここまで考えて初めて、研修の体験が配属後の仕事とつながり始めます。

新入社員研修でつくるのは、「完成したチーム」ではない

1日の研修だけで、完璧なチームが完成するわけではありません。

その後の行動がすべて変わるわけでもありません。

ただ、最初のきっかけをつくることはできます。

話したことのある同期が増える。

自分とは違うタイプの人と協力した経験ができる。

誰かに助けてもらった経験ができる。

自分から声をかけた経験ができる。

そして、自分がチームの中でどんな行動を取るのか、一度考えてみる。

どれも小さなことです。

しかし、新しい環境へ入っていく新入社員にとって、その小さな経験が「次もやってみよう」と思える土台になることがあります。

新入社員研修のチームビルディングで目指すのは、完成したチームをつくることではありません。

これからチームで働いていくための「最初の経験」をつくること。

それが、大人数の新入社員研修を設計するときに私たちが大切にしていることです。

来年度の新入社員研修で、何を持ち帰ってほしいですか?

同期とのつながりでしょうか。

自分から周囲へ声をかける行動でしょうか。

異なる考え方の相手と協力する経験でしょうか。

それとも、チームの中で自分の役割を考えることでしょうか。

企業によって、研修後に目指したい状態は異なります。

だからインバイトジャパンでは、「どのゲームを実施するか」から考えるのではなく、

研修後、参加者にどんな状態になっていてほしいのか

からプログラムを設計します。

100名を超える大規模な新入社員研修についても、参加人数、会場、研修全体の流れ、研修後に期待する行動に合わせて設計が可能です。

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