新年を迎えるにあたり、きっと多くの人が取り組みたいと考えていることのひとつが「優先順位の再整理」ではないでしょうか。1年の始まりは何が本当に大切かを考え、新たな目標を達成するためにエネルギーを集中させる時期でもあります。この優先順位付けのプロセスの一環として、これらの目標に取り組んで改善策を考えるための時間を作り、スケジュールを組むことが重要です。
チームビルディングも同様に、新年は目標を設定し、チームのニーズに再度注目するべき時期と言えます。昨年に引き続き、モチベーションはチームにとってこれまで以上に重要なものになるでしょう。特にリモートで働くチームにとっては、チームの一体感を保つためにより多くの工夫が求められます。つまりチームビルディングを優先的に行うことが大きな意味を持ち、その時間を作ることが重要になるということです。
定期的にチームビルディングのセッションを計画すること、それはチームビルディングの目標を達成したり、チームとして改善の方法を理解するための最良の方法です。チームビルディングはチームにとっての道標の役割を果たし、どこまで進歩したか、どの分野にまだ取り組む必要があるかを教えてくれます。そしてそれだけでなく、潜在的な危険や盲点を警告してくれるのです。
このブログでは、チームビルディングのイベントを定期的に開催することが、健康で弾力性のあるチームを維持するために非常に重要である理由を整理します。実はチームビルディングを考える上で、「メンテナンス(定期健診)を行う」のはとても良い方法であると言われています。あなたの体や車に定期的なメンテナンスや健康診断が必要なように、あなたのチームにも定期的なメンテナンスチェックが必要なのです。ただ一つ違うのは、チームビルディングはもっと楽しいということでしょう。
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1. 予防策を講じ、健康状態を確認する
チームの定期メンテナンスを計画する主なメリットのひとつは、問題の発生を未然に防ぐことができるという点です。人間の体を考えてみてください。自分でも気づかないうちに、あるいは目に見えないところで問題が発生していることがよくありますよね。定期的に検査を受けることで現状を把握し、深刻な事態になる前に潜在的な問題を発見することができるのです。
チームは人間関係で成り立っており、その関係は複雑かつ常に変化しているため、問題が発生したり、悪化していることに気づかない場合が多々あります。コミュニケーションスキルが不足している、新しいアイデアが出ないなど、チームには実に様々な問題が起こり得ます。しかしこのような問題は水面下で起こっていることが多いため、チーム内で何が起こっているのかを積極的に確認し、自ら掘り下げない限り、気づくことはないでしょう。
以前のブログ記事で、レジリエンス(resilience)という概念についてお話しました。レジリエンスの高いチームは、危機に直面しても柔軟に適応し、より容易に乗り越えることができますが、それは「自分たちの潜在的な弱点がどこにあるのか」を自覚できていることが一因です。定期的にチームのメンテナンスのためのアクティビティを行うことで、チームが取り組むべきこれらの分野を探り出し、来るべき危機に対応できるチームを作ることが可能になります。
2. 問題や課題に正面から取り組む
もちろん定期的なチームのメンテナンスは、チーム内で深刻な問題が発生するのを防ぐだけでなく、問題が発生した時の対応力の向上にも有効です。どんなに健康に気を付けている人でも、すべての病気や怪我から逃れられるわけではありませんからね。
チームビルディングは単にディスカッションなどでチームに問題を認識させるだけでなく、実際に課題に対処する場を提供するものです。負荷が低い環境でチームに課題を与えることにより、人々が仕事で感じることの多い「失敗への恐怖」がない状態で、チームは課題に取り組み、試行錯誤を繰り返すことができます。
当ブログで取り上げてきた高機能なチームのもうひとつの大きな構成要素に「心理的安全性」と呼ばれるものがあります。心理的安全性の高いチームは信頼関係をベースに「対立を管理する」ことで、チーム内に生じた対立を効果的に利用しながらオープンに問題に取り組むことが可能です。チームメンテナンスのアクティビティは、この信頼感とオープンさを構築することで、チームが抱える問題に立ち向かうことを支援します。
3. お互いをよく知り、チームの結束を高める
この2年間で得た大きな教訓は「チームの結束を見過ごすことはできない」ということです。メンバーがバラバラに仕事をしていても仕事自体はできるのですが、チームの結束を考慮しないと、必ず「何か」が不足します。
チームの結束は、リソースとスキルを組み合わせることを可能にし、チームが共に生産性を高めて、より高いレベルの効率に到達することに繋がります。そしてチームの結束の主な要素は、チームメンバー同士の結びつきです。
定期的に開催するチームビルディングによって、楽しい雰囲気の中でチームメンバーがお互いを知り、絆を深めることができるため、より高い頻度でチームの結束を強化するのに役立ちます。またチームビルディングの課題を通じて、メンバーは互いの長所や隠れた能力を知ることもできるでしょう。さらにチームで課題に取り組むことによってチームとしての成功体験が重ねられるため、チームの一体感がより強固なものなります。
チームの結束力を高める努力を頻繁にすればするほど、先に述べたように、この結束力が試されるような現実の課題にも対処できるようになるのです。
4. より高いモチベーション=より大きな成功
またチームメンテナンスでは、みんなで達成できる楽しい課題を与えることで、チームのモチベーションを高めています。そうすることで外的な動機づけが活性化し、成功体験が成功への動機づけとなり、さらに成功体験が増えるという正のスパイラルが生まれます。
モチベーション(=やる気)には浮き沈みがあるもの。個人でもチームでも、モチベーションが下がる時があるのは自然なことです。それは単純にとある失敗が原因かもしれませんし、人生の一部とも言える感情の浮き沈みが原因かもしれません。
いずれにせよ、定期的なチームビルディングはモチベーションの浮き沈みをなだらかにするのに役立ちます。たとえチームのモチベーションが上がっている時であっても、チームビルディングのアクティビティを行うことで、その低下を防ぐことに繋がるのです。
しかし最も重要なことは、「チームビルディングはチームにとって楽しいものでなければならない」ということです。そうすれば、チームメンバーはアクティビティにおいて最大限の力を引き出してより熱心に取り組むことができ、それが将来の高いモチベーションと成功に繋がるのです。
最後に
以上のことから、年間を通じて定期的にチームビルディングのイベントやアクティビティを計画することがなぜ有益であるかがお分かりいただけたと思います。このような定期的なスケジュールによって、チームは問題が発生する前も後も、より良い状態で対処することができ、たとえ困難な状況に陥った時にも、チームの結束とモチベーションをより強く引き出すことができるようになるのです。
最後にもう一つ、チームのメンテナンスに関しては、小さなことでも大きな効果があるということをお伝えしておきます。1週間に1回、短時間で行うアイスブレーキングは、1年に1回、1日がかりで行うアクティビティよりも効果的な場合があります。現在はオンラインアクティビティやスカベンジャーハント形式のアウトドアゲームなど、チームビルディングのためのアクティビティが豊富に揃っているので、使い古された感のない新鮮でワクワクするようなチームビルディングイベントを簡単に企画することが可能です。
再び健康の例を借りるなら、健康な身体作りは高価な治療だけでなく、日々の良い習慣から始まっているということです。今年はチームメンテナンスを習慣化し、チームの健康状態を向上させてみませんか?1年を通して定期的にチームビルディングのアクティビティを予定すれば、その成果がいずれ目の前に開花することでしょう。