「気が散る」時代の仕事:チームとしてコントロールし、完全に集中する方法 

集中したり仕事をする上で、「気が散る」というのはいつの時代も邪魔な存在でした。しかし、テクノロジーの向上やリモートワークが常態化する中で、その力は増すばかりであるように思えます。そこで、何が私たちを気が散る状態にするのか、なぜそうなるのか、そして、気が散ることをチームとしてを上手に流すにはどうしたらよいのかを、分解して考えてみることにしました。

私たちの注意力を散漫にしようと、全世界が共謀しているように感じることはありませんか?私たちは現在、派手なテクノロジーツールやアプリに取り囲まれて生活しています。ポケットに入るようなスーパーコンピューター(或いは簡単にコミュニケーションが取れるおもちゃ)に加えて、最近では、仕事場とホームスペースの分離さえも崩壊したことにより、多くのリモートワーカーはさらに多くの気が散る要素に囲まれています。

今月のブログはチームとしての「集中力」と「注意力」に焦点を当ててお届けしています。前回までは「集中力」とは何か、集中力とチームとの関係…特にプロセスを持ち、それを楽しむことの重要性について述べてきましたが、次は見て見ぬふりをされてきた問題、つまり「気が散ること」に目を向けましょう。

「気が散ること」の立ち位置 

生産性、集中力、時間管理に関する著作の多くは、気が散る物事を制限することに関係しています。この考え方では、「気が散ること」は生産性を低下させる「時間の無駄」であるとされています。集中を妨げる小さな虫のようなものです。この考え方によれば、私たちがすべきことは「気が散る物事を避ける修行僧」になることとなります。本当の意味で集中し、成功を収めるためには、あらゆるものを視界から消し去り、厳しいスケジュールに従わなければならない修行僧のような労働者になる必要があるということです。

しかし当然ながら、これでは頭がおかしくなってしまうことでしょう。前にも述べたように、世界は私たちの気を引くもので満ちており、その多くは今や仕事と結びついています。さらに、多くの企業が私たちをより気が散った状態にさせるために、多くの資金、人材、研究を注いでおり、私たちが自分の意志で完全にその誘惑に対抗できるとは思えません。

また、「気が散ること」或いは「気晴らし」を完全に制限したいかというと、必ずしもそうとも言えません。ダイエット文化が、私たちに喜びと栄養を与えてくれる人間の生活の基本的な部分との関係を変えるのと同じように、「気が散ること・気晴らし」もまた、私たちの生活の一部なのです。

最も基本的なレベルでお話しすると、「気が散ること・気晴らし」は私たちをリラックスさせ、別の精神空間に逃避させるだけのものであり、それ自体は良いことです。しかし、それ以上に「気晴らし」は私たちを興味深い知的な道へと導き、新しい創造的なアイデアを発見する手助けをしてくれるものでもあります。

そこで、このブログでは「気が散ること・気晴らし」について、特にチームにおける「気晴らし」と、それに対してすべきこと、すべきでないことを中心にお話します。また、どのような場合に「気晴らし」がチームにとって良いものになるのか、そして、どのように環境を整えれば良いのかについても見ていきたいと思います。 

「気が散る」とは何か?

「気が散る」と言うとき、その正体は「本来やるべきことから目をそらした状態」を指します。仕事の場合、私たちの注意を仕事から引き離すものを意味していることはご存知の通りです。

しかし、もう少し深く考えてみると、「気が散る」ことの全てが悪いかというと、そうでもないような気がするのです。仕事中の同僚との会話について考えてみてください。これは「気が散っている状態」と言われるかもしれませんが、この会話から得られるメリットもあるのではないでしょうか。会話の結果、新しいアイデアのブレストになっているかもしれませんし、相手とより良い関係を築くことができれば、より良い職場環境を作ることに繋がると言えるでしょう。また、他の人と話すことで気分が良くなり、ストレスが減るという精神衛生上のメリットもあるかもしれません。それが仕事に戻ったときの生産性を高めることに繋がるのです。

つまり、主に邪魔をする「気が散る」と、生産性を高める可能性のある「気晴らし」を区別して考えることができるのです。後者のタイプの気晴らしをここでは「創造的気晴らし」と呼ぶことにします。

「創造的気晴らし」とコントロール      

「創造的気晴らし」とは、心をリフレッシュさせ、新しい視点を与え、仕事に集中するためのインスピレーションを残すための気晴らしのことです。現在、多くの人が信じていることとは逆に、「気晴らし」という言葉自体に汚名が着せられていますが、「気晴らし」自体は必ずしも悪いことではありません。まず、「気晴らし」は人間の本質の一部であることを認識する必要があります。人は好奇心が旺盛なもので、常に探検しようとしているため、当然、注意は飛び回り、そこら中をさまようことになるのです。

なので、注意の向くままにさせることも必要と言えるでしょう。ただし、自分自身のこの側面を否定する代わりに、この「破壊的」とも言える衝動を、方向性なくバタバタして発散するような場所ではなく、実際に有用で創造的になれる場所に流すようにすべきではあります。

作家やアーティストなどクリエイティブな分野の人々は、長い間この「創造的気晴らし」の重要性や、クリエイションの問題について考えることから休憩することの必要性を理解してきました。皿洗いのような雑用や長い散歩が、クリエイティブな行き詰まりを解消するのに役立つことが実際よくあるのです。

これは「マインドフルネス」と呼ばれるものです。別のアクティビティに(軽く)集中することで、行き詰まっている問題から脳を遠ざけると、逆に早く答えが見つかることは多々あります。大切なのは、精神的・肉体的エネルギーを消耗することなく、ある程度の精神的刺激をバランスよく与えることができる適切なアクティビティを見つけることです。    

「創造的気晴らし」の内容も、人によって異なることでしょう。ある人は散歩をし、ある人は日記を書いたり絵を描くことがそれに該当します。また、料理や掃除、皿洗いなどの家事が「創造的気晴らし」になることもあるでしょう(在宅勤務の人におすすめです)。

ここで、「創造的気晴らし」を見つけるときに、自分に問いかけるべき質問をいくつか挙げてみましょう。 

  • このアクティビティをすることでリフレッシュできるか、それとも疲れるか?
  • このアクティビティでポジティブな感情になることができるか?
  • このアクティビティは自分に刺激を与えてくれるか?
  • このアクティビティは簡単に抜け出すことができるものか?(最終的なゴールがある、または途中で終了できるものであり、テレビ番組や映画を見たり、ツイッターを無限にスクロールするのとは異なるか?)
  • このアクティビティで新しい発想を得ることができるか?
  • このアクティビティは自分にとって具体的なプラスになるか?

すべての「創造的気晴らし」が、このすべての質問に「はい」と答えられるわけではありません。また、「創造的な気晴らし」の中には、そればかりに集中してしまうと、かえって仕事の邪魔になるものがあることも知っておく必要があります(その場合は、新しい仕事を探すべきかもしれません)。気晴らしが創造的かどうかを見分ける最大の方法は、その後に高揚感や活力を感じられるかどうかです。もし、嫌な気分や罪悪感を感じるのであれば、それはおそらく創造的ではなく破壊的なものでしょう。

「気が散ること」をコントロールするもう一つの方法:チームにおいて

ここまでは主に個人に焦点を当てた話でしたが、ここからはチームとして「気が散ること」に対処する方法を見ていきましょう。

あなたのチームのメンバーも含め、おそらく多くの人が同じように「気が散ること」に対する不満を感じていることでしょう。しかし、そこからスタートすることができるのです。チームまたは家族、コミュニティが協力することで、「気が散ること」をコントロールし、チームメンバーがポジティブでインスピレーションを感じられるような「創造的気晴らし」に変えることができます。

例えば、散歩をしたり、詩を書いたり、ちょっとした落書きをしたりと、「創造的気晴らし」のために短い休憩を取ることをもっとオープンにすることにより、これを実現することができます。これはチームメンバーとの信頼関係を築くことでもあり、仲間はただ怠けているわけではないということを知る必要があります。そして、このような環境を作ることは、お互いを理解し、一人の人間として認め合い、尊重し合うことに繋がるのです。

これは実は、チームメンバーの集中力を高めることにも繋がります。より「創造的気晴らし」ができるような環境を整えれば、より生産的で創造的な仕事ができるようになるはずです。また、チームメンバーが多くの時間をスマートフォンに費やすなど、より孤立的または破壊的な気晴らしを見つけることを防ぐことができることもあるでしょう。

チームワークによって「気が散ること」をコントロールするもうひとつの方法は、一緒にできる「創造的気晴らし」を見つけることです。「創造的気晴らし」から放たれる創造力のパワーは、チームの一体感や相互の繋がりと結びつきを強くし、より高いチームワーク力を発揮することができるようになるのです。

このようなチームベースの「創造的気晴らし」は、チームの通常のスケジュールにも簡単に組み入れることができます。例えば、スウェーデンには「フィーカ」と呼ばれる職場の伝統があります。基本的にはチーム全体で行うコーヒーブレイクです。ただし、チームメンバー全員が同時に参加することが義務付けられています。多くの人の仕事の邪魔になるように思うかもしれませんが、実はこれがチーム全体の「創造的気晴らし」として機能するのです。みんなでおしゃべりをしたり、お菓子を食べたりすることで、気晴らしをすることができるのでしょう。

このように、チームワークの力は個人の「創造的気晴らし」を促す職場環境づくりや、チームメンバーがリフレッシュして再活性化できるようなチーム全体の「創造的気晴らし」を計画することによって、「気が散ること」自体をコントロールすることにも役立ちます。 

最後に:創造的気晴らしとしてのチームビルディングアクティビティ 

リフレッシュして元気が出るといえば、パズルは素晴らしい「創造的気晴らし」になり、チームビルディングのアクティビティと組み合わせれば、チーム向けとしても最適です。そして、このようなアクティビティはインバイトジャパンが得意とするところでもあります。

以前、パズルが創造性を引き出すのに有効であることをお話しました。これはパズルが本質的に「創造的気晴らし」として機能し、脳を別の、しかし刺激的な作業に集中させるからです。パズルを使ったチームビルディングのアクティビティは、日常から離れ、楽しくて楽しい方法で気晴らしをさせることで、チームの創造力を引き出すことができます。

新しいテクノロジーとそれが生み出す文化に対処するための不安があるからといって、私たちは「気が散ること・気晴らし」を必ずしも悪者扱いするべきではないことを、ここまででご理解いただけたと思います。大切なのは、自分を高揚させ、インスピレーションを与え、創造力を高めてくれるような「気晴らし」に注意を向けることで、コントロールすることなのです。

チームビルディング完全
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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。